眼をみひらいて思う

立冬、marikoさんのブログで、好い句に出遭った。
冬来る 眼をみひらきて 思ふこと
                      三橋鷹女
単に思うのじゃなくて、眼をみひらいて思う、時の移ろいの速さに驚いたのだろうか、それとも、、いろんな想像ができる。
なにか衝撃的なことに思い至ったときに、何をみるのでもなく、はっと目をみひらく(思い)をすることがあるなあ。
あ、あのときの彼の言葉はそういう意味だったのか、なんてね。

凛とした作者の姿が目に浮かぶような句だ。
「みつはし たかじょ」は、成田の出身、成田山参道に等身大の銅像がある由、成田山になんども行ったことがあるのに、ちいとも知らなかった。

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(皮膚科近くのせせらぎの道、ほとんどの花がなくなったなかで)

夕日の美しい日本海の海べりで、歌をつくり芋をつくっているウメさんが、僕が13年も前に、直江津に一人旅したときの、拙ブログ記事を一挙大公開してくだった。
スマホを持たない頃、ガラケーで写真を撮っては一行くらいのキャプションをつけては投稿したのだった。
2011年、5月17日だけで15本もの記事を書いた、それを一括してリンクしてくださったのは、どういう技をつかったのか。
今見ると、ピンボケで、しかもほとんどの写真が傾いている。
僕は縦に文章を書くと、どうしても右に偏ってしまう、右寄りではないはずなのに。

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(皮膚科のあと、なんとなく腹の調子が良くないので、思いついてタイマッサージの店で、カボチャの粥を食って、インドネシアの薬草いろいろのお茶を飲み、二時間以上もゆっくり本を読んだ)

3・11の直後、原発を拒否した新潟県巻町に行ってみたくなって、ぶらっと出かけたのだった。
そこから、直江津に行きたくなって、初めて弥彦山にも参って、挙句に故郷長野の小学校の近くの寿司屋に入ったりした。
そのまとめのような記事が下↓にある。


旅の途中であった多くの人に感謝の言葉を書いているのだが、そのほとんどを忘れていた。
この記事の最後に、
話をしなくてもいい。
でも道を尋ねるだけでも話をすると何かが変化してお互いの間にたちあがってくる。
もう少し話を続けるとその何かがだんだん濃厚になってくる。
その濃厚になった何かが俺をちょびっと元気にしてくれる。

東京にいてもそういうことがある。
ちい散歩(そういえば俺のハンチング姿を見てそういったのは寿司やだっけ)のように、たとえ近所であっても、見慣れた景色であっても“旅の心”で歩いているとそうなる。

どうせなら、そんな旅の心を持ち続けて生きていきたい。
と書いている。
13年経って、今の僕はまさに、そうやって生きつづけているのだ。

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(世田谷公園)

「子供の頃」のことをしょっちゅう書いて、この間も母たちが漬物の作業をみんなで一緒にやって楽しげだったことを書いたのだが、そのとき、
子どもの頃、って考えてみればせいぜい15,6年なんだ。それは僕が現役を引退してから今までの年数と変らないじゃないか。
あんなに永遠に続くかと思い、思い出も山ほどある子供時代にひきかえて、最近の15,6年といったら、ほんの一瞬のように過ぎ去り、しかも何もしない無為な月日ではなかったか。
という思いが浮かんで、いささか空虚な寂寥感というか慙愧の念というのかに囚われていた。

しかし、けさウメさんに13年前の巻~直江津~長野の旅のことを思い出させてもらって、さいきんの歳月だって、それなりにいろんなことがあって、悪いものでもなかったと思って、気分が(少し)晴れた。
ありがとう、ウメさん!
これも「眼をみひらきて」思ったことだね。

Commented by たま at 2024-11-07 23:09 x
シュウメイギクでしょうか。別名・貴船草?
Commented by at 2024-11-08 06:43 x
鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし 鷹女
女流俳人で名を成した人は、みな晶子流ですね。
制度の奥にある叫びのような感じを表出しています。

目を見開きて、大切なものを見ていきたいと思います。
Commented by mariko789 at 2024-11-08 07:44
おはようございます!
三橋鷹女さんの句のご紹介をありがとうございました!
立冬のなったとたん、急に冬らしい気候になったとか・・・

>思いついてタイマッサージの店で、カボチャの粥を食って、インドネシアの薬草いろいろのお茶を飲み、二時間以上もゆっくり本を読んだ

インターナショナルな暮らしぶりです!
世田谷公園の大噴水は、元気が良くて秋まっさかりのようです。
Commented by saheizi-inokori at 2024-11-08 10:48
> たまさん、そうですね、昔は知らなかった(気づかなかった)花ですが、みちのくの旅先で知ってから、好きになりました。
Commented by saheizi-inokori at 2024-11-08 10:49
> 福さん、有島武郎でしたっけ、愛は惜しみなく奪う、奪ってほしいような今日この頃です^^。
Commented by saheizi-inokori at 2024-11-08 10:52
> mariko789さん、読んだ本はヨーロッパの精神史みたいな内容、たしかにグローバルでしたね。本人はドメスティックの佃煮なんですが。
世田谷公園でテントがたくさん用意されてなにかの準備のようでした。
菊祭り?また行ってみようかな。
Commented by kadakura at 2024-11-08 11:21
saheiziさん、ご訪問ありがとうございます。
追記しましたので、よろしければご覧ください(・ω・)ノ

せせらぎの道。きれいな流れですね。
シュウメイギクは青森では秋の終わり、冬の訪れを告げる
そういったお花です。
一年の最後を飾るお花です。
楚々として、惹かれますよね。
庭中に広めようと株分けしたら、その分は全て八重に
なってしまいました。色も変わって、赤、です。
唖然としました。まるで「別人」です。

自然はヒトの思惑通りには行かないと思い知りました。

Commented by ume at 2024-11-08 12:01 x
時代をちょっと上ったり下ったりすると、あっ!下ったりはできないか。今は見えないものが見えてきます。今は昔の直江津の写真は懐かしくも、美しくも、寂しくも、それでいながら、未来への希望にも見えました。ぐっと見据えて沈思黙考、何かが見えてきそうです。
Commented by saheizi-inokori at 2024-11-08 14:07
> kadakuraさん、せせらぎの道は人工の流れです。
そこに篤志家たちが四季折々の花を植えて下さいます。
皮膚科に行くのが楽しみなのはこれもあります。
白布温泉の土産屋の前で初めてこの花の名前を教わりました。あの旅の思い出もかさなって秋明菊が好きになったのかと思います。
Commented by saheizi-inokori at 2024-11-08 14:15
> umeさん、13年前に直江津を歩いた私は今の私とどう違うのか、今の私になることを予想していたのか、、ちよつと不思議な気分に浸っていますよ。
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by saheizi-inokori | 2024-11-07 13:05 | よしなしごと | Trackback | Comments(10)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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