よみがえれ! 石橋湛山
2024年 10月 26日
向いの大きな木、なんの木だつたろうか、枝を下ろしているのかと思ったら、片つぽうがすっかりなくなって、しばらくしたら残りの半分も切り出して、とうとうなくなってしまった。
散歩のとちゅうで、根元を見に行ったら、一本じゃなくて三本の木だった。
根っこまで伐られてなくてほっとした。
小学六年だったと思うが、全校生徒を前にして校長が、総理大臣が石橋湛山になったと告げ、湛山の偉大さを話した。
その内容は覚えていないけれど、湛山を褒め称えていたことは覚えている。
そうか、そんなに偉い人が総理大臣になったのか、そう思っていたら、すぐに辞めてしまった。
その頃新聞配達をしていて、一軒一軒配っていく朝日新聞の一面トップに総理辞任の見出しが躍っているのをみて、なんだかがっかりしたことも覚えている。
田中秀征は、石橋湛山を「保守本流」の源だという。
表面上は吉田茂だが、実質的には湛山だと。
池田勇人から宮澤喜一、田中角栄、大平正芳などにつながる流れだ。
田中のいうところの、「保守本流」=湛山の思想とはこうだ。
現行憲法の尊重、先の大戦の「国策の誤り」を認識、言論の自由に対する特段の配慮、拡大膨張政策の排除と国家主権の尊重、経済発展の目標に国民生活の向上を挙げる。
病気のために、あまりにも潔く身を引いた湛山に変って岸信介が総理大臣になる。
田中は岸に始り、アベ派に至る流れを「自民党本流」と呼ぶ。
1952、53年の衆院選で、A級戦犯に擬せられた人、公職追放を解除された人たちが、大量に政界復帰する。
彼らの多くは、自分たちが関与した先の戦争を出来るだけ正当化しようとする。
その流れと、とうじ急伸した左翼勢力に対抗する流れが一緒になって55年の保守合同、自民党の結党となる。
湛山は、ほんらい戦前から小日本主義で、先の戦争には批判的だったのに、吉田茂(と、大蔵大臣として占領軍のいいなりにならない姿勢を嫌ったGHQ)によって、公職追放されたために、岸の主導する保守合同に乗ってしまったことを後年後悔している。
保守合同や岸首相は米国のシナリオであった可能性がある(佐高)。
米国からすれば、応援するからやってみろ、世界的に展開していた対共産主義封じ込め政策の、日本における先兵役として、ということ。CIAから岸に金が出ていたとの米国研究者の報告もある(田中)。
これを書いていて、少し思い出したのは、六年生のときに聞いた校長の話。
それは、湛山が戦中から、日本の拡大主義に批判の声をあげて、日本は四島で経済や技術を発展させて、世界の国と仲良くすることで、立派な国になっていける、といっていたことを教えてくれたのだと思う。
湛山も改憲には「国情に適応するように改正する」だったが、「9条の戦争否定の精神はあくまで我が国是として存置する」であった。
半分読んだ。
湛山の「保守本流の真髄」が、よみがえることを祈りつつ残りを読む。
僕の部屋から、廊下と居間を通して窓の外に大きく茂って、風に揺れるのを見る。
それが思っていたより、安らぎを与えてくれていたことに、今、気がついた。
散歩のとちゅうで、根元を見に行ったら、一本じゃなくて三本の木だった。
根っこまで伐られてなくてほっとした。
小学六年だったと思うが、全校生徒を前にして校長が、総理大臣が石橋湛山になったと告げ、湛山の偉大さを話した。
その内容は覚えていないけれど、湛山を褒め称えていたことは覚えている。
そうか、そんなに偉い人が総理大臣になったのか、そう思っていたら、すぐに辞めてしまった。
その頃新聞配達をしていて、一軒一軒配っていく朝日新聞の一面トップに総理辞任の見出しが躍っているのをみて、なんだかがっかりしたことも覚えている。
田中秀征は、石橋湛山を「保守本流」の源だという。
表面上は吉田茂だが、実質的には湛山だと。
池田勇人から宮澤喜一、田中角栄、大平正芳などにつながる流れだ。
田中のいうところの、「保守本流」=湛山の思想とはこうだ。
現行憲法の尊重、先の大戦の「国策の誤り」を認識、言論の自由に対する特段の配慮、拡大膨張政策の排除と国家主権の尊重、経済発展の目標に国民生活の向上を挙げる。
病気のために、あまりにも潔く身を引いた湛山に変って岸信介が総理大臣になる。
強運の男、岸が今の日本に与えた影響は大きい。
田中は岸に始り、アベ派に至る流れを「自民党本流」と呼ぶ。
1952、53年の衆院選で、A級戦犯に擬せられた人、公職追放を解除された人たちが、大量に政界復帰する。
彼らの多くは、自分たちが関与した先の戦争を出来るだけ正当化しようとする。
その流れと、とうじ急伸した左翼勢力に対抗する流れが一緒になって55年の保守合同、自民党の結党となる。
湛山は、ほんらい戦前から小日本主義で、先の戦争には批判的だったのに、吉田茂(と、大蔵大臣として占領軍のいいなりにならない姿勢を嫌ったGHQ)によって、公職追放されたために、岸の主導する保守合同に乗ってしまったことを後年後悔している。
保守合同や岸首相は米国のシナリオであった可能性がある(佐高)。
米国からすれば、応援するからやってみろ、世界的に展開していた対共産主義封じ込め政策の、日本における先兵役として、ということ。CIAから岸に金が出ていたとの米国研究者の報告もある(田中)。
これを書いていて、少し思い出したのは、六年生のときに聞いた校長の話。
それは、湛山が戦中から、日本の拡大主義に批判の声をあげて、日本は四島で経済や技術を発展させて、世界の国と仲良くすることで、立派な国になっていける、といっていたことを教えてくれたのだと思う。
湛山も改憲には「国情に適応するように改正する」だったが、「9条の戦争否定の精神はあくまで我が国是として存置する」であった。
半分読んだ。
湛山の「保守本流の真髄」が、よみがえることを祈りつつ残りを読む。
Commented
by
kadakura at 2024-10-26 15:54
拡大膨張政策の排除・・・先見の明があると感じます。
その逆のやりかたで、どの国も躓いてますもんね。
それも昔々から(;'∀')
残り半分のお話を聞ける。
楽しみです( ^^) _旦~~
その逆のやりかたで、どの国も躓いてますもんね。
それも昔々から(;'∀')
残り半分のお話を聞ける。
楽しみです( ^^) _旦~~
2
Commented
by
saheizi-inokori at 2024-10-26 16:46
> kadakuraさん、石破は自民党本流ではなく保守本流だと思うのですが、信念を貫いて欲しいです。
Commented
by
unjaku at 2024-10-26 19:32
石橋湛山は私も覚えていて、政治家としてずっと続けてほしい方と大人から聞いたんだか思っていました。
そんな人に限って短い内閣で残念でした。
その後の流れは上に書いてあるようで、岸総理の時に1年生で安保のデモだらけでした、と言う事を懐かしく思い出しました。
今日期日前投票に行ってきました。
そんな人に限って短い内閣で残念でした。
その後の流れは上に書いてあるようで、岸総理の時に1年生で安保のデモだらけでした、と言う事を懐かしく思い出しました。
今日期日前投票に行ってきました。
Commented
by
saheizi-inokori at 2024-10-26 20:27
Commented
by
saheizi-inokori at 2024-10-26 20:32
> tonaさん、湛山の流れを継ぐのかも知れない石破のために自民党に投票するか、自民党を忌避するか、迷う気持ちもありましたが、やはり自民党には票をやれませんでした。
by saheizi-inokori
| 2024-10-26 11:58
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
Trackback
|
Comments(6)