村田式文章講座

きのうも歯医者、いっときのような痛みはなくなったが、まだロキソニンを（痛む時には）飲んでいると報告。
義歯をはめて寝ているけれど、夜中にかみしめることがある、というと、自律訓練法というのをパソコン画面で教えてくれた。
気功にも似たような調息、意識コントロール法があり、白隠禅師の内観法や軟酥(なんそ)の法なんていうのもある、とちょっと口を出したのがいけなかった。
「そんな最近の人が言い出したようなものとは違う」と一喝されてしまった。
「白隠さんの」といったのが悪かった、「白隠禅師、昔の禅宗の坊さんです」といいかえたら、だまって睨まれた。
夜寝るときにやれ、というのだが、僕は寝る前に30分くらい『ゆる体操』や『スワイショウ』という気功をして寝ますから、ベッドに入ると直ぐに寝落ちします、夜中に起きて眠れないことはありますが、、というと、それでも寝落ちする前に、これからの八時間（睡眠時間）に良質な睡眠が続くことをイメージして、自律訓練法をやりなさい、とおっしゃる。
とちゅうで目が覚めたり、噛みしめが起きるのは、イメージの仕方が足りないのだ、と。
食いしばらないようにする、というように、○○をしない、と考えるのではなくて、脱力しようという風に考えろ、と。
先生のお気持ちはよくわかったので、もう逆らわないことにして、脱力しようというのは力を入れないようにしようということじゃないですか、などと問い返すこともせずに、「はい、今晩からやってみます」、そうそう、いいと思えることは何でもやってみましょうね、良い子の僕だった。

（目青不動入口）

夕べはさっそく寝るとき、夜中トイレに起きたとき、それを（思い出せるとこだけ）やってみた。
直ぐに眠れたのは、効いていたからなのかどうかは、わからない。
なにしろ、いいと思えることはみんなやっているのだから。
六時に起きれば八時間は寝たことになるけど、気持よいのでもう少しもう少しで七時過ぎまで寝てしまう、それは絶対にいけない、よく眠れたかどうかにかかわらず、六時に起きると決めたのなら、六時に起きなさいと言われていたけれど、甘い誘惑もだしがたく、七時まで寝てしまった、はい、悪い子でした。

（目青不動入口）

村田喜代子「新古事記」を読み始める。

現役のころ、村田喜代子の「名文を書かない文章講座」（葦書房）というのを読んで、会社に寄贈するときに、その紹介のメール（このブログの前身）を書いた。
そのデータが、パソコンを買い替えたりしているうちに、出てこなくなった。
さいわい、あの頃のメールを一冊の印刷物にまとめたものがある。
そのなかから。
世にある「名文講座」の類は、「田んぼの仕事を教えるのに泥に手を汚さない」から不快感があったという村田がカルチャーセンターでした講義をまとめたもの。
普通の人がいい文章を書くための基本は、①自分でなければ書けないこと（内容）を、②他の人にわかるように書く（方法）と定義する。

毎日の暮らしはすべて文章力をつける練習だ。ぼんやり人と会って会話し、ぼんやり新聞やテレビを見て、ぼんやり外を歩き、ぼんやりと家族とつきあい、そうやってぼんやりと一日を、一年を、一生を送っているのでなければ、人間は誰だって文章は書ける。

ここのところを社員たちにしっかり考えて欲しかった。
逆に言えば、ぼんやりしていると、一日が一年になり、それが一生になって過ぎてしまうと。

そして「誰だって」の人間にもなれないのだと。

今読み返すと、僕もぼんやりの日が多くなっている。
そういう日はブログに書きたいことが思いつかず、こうして古い自分の文章を読み返したりしているのだ。

（ぼんやり頭で撮ったぼんやり写真）

せっかくだから、このメールの続きに書いた、村田さんの具体的なアドバイスも載せておこう。
１・出会った人間の顔、姿、話ぶりの観察
２・戸外の風景、出来事の観察
３・聞いた話の中で、印象的なものをメモする
４・新聞、テレビ、本の中で心にとまったものをメモする
５・その日、思いついたこと、考えたことをメモする

そんなに難しいことではない？