日本人の差別意識の根っこ

菜種梅雨なら梅雨の合間、晴れたベランダにホーフや昨日の部屋干しの半乾きも干した。
きょうは、カミさんとサンチの誕生日だ。
サンチ16歳、骨川筋衛門になり耳も目も不自由になったけれど、ちゃんと決まった場所まであるいてトイレ、食欲も旺盛(すぎる)だ。
僕がパソコンに向かって食べるおやつのお裾分け、リンゴを薄く小さく切ったのを、走って食べにくる。
二人とも元気でいてほしい。

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「砂漠の教室」読了。
藤本和子はなぜヘブライ語を学んだか?
僕には難解な、彼女の言葉を、文章の順を追って、要旨を引いてみよう。
そうすることで少しづつ理解が進むことを念じて。

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ユダヤ人やユダヤ主義の思想に触れ、それについて一定の責任を引き受ける。
それは気持ちや言葉ではなく、「何をするか」ということ、ヘブライ語を学ぶ。
しかし、わたし個人の出会いや行きがかりを説明してしまうのは、つまらないし不毛だ。
わたしが意識しようがしまいが、ここには歴史的な力が働いている。
わたしの文章にかぶせる名前、個人の行動の軌跡、それはどうでもいい。
重要なのは、それがわずかでも広がりをもつことができるかどうかだ。

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ここでまた森崎和江のことばが引かれる。
日本民衆の気の毒さは、自他対立の概念をくらしのこころの一つの要素としてもつことができなかったことである。さらにまた同化の原理を目的意識的につかうことのできる階層を、同じ生活体の指導者としてもっていたことだ。

今日の私たち民衆を閉ざしているものは、私たち民衆の民族的伝統である。
日本と朝鮮のことを中心に、日本的な差別を性格づける民族的な精神の背景を考えなければならない。
漠然とした、人道主義的憤りや「帝国主義」の悪、「資本主義」の悪という一般化された悪では、とうてい日本人という集団が通りぬけて行った歴史の道程はわからない。
わたしたちの民族的伝統と並列して存在する、異質の集団原理、異質の集団意識をもつ共同体の発見、そしてそれらの共同体をわたしたちの思考の「素材」としてしまうことなく、それらの正当な顔を認め、対決することが、わたしたちの歴史を理解する鍵となる。
唯一最高で禁忌的対象となる「天皇」のような存在、物神化された存在の傾向がない、朝鮮の日常の思想性を理解する。
それら(森崎の論考で、私たちの民族的思想と別とされた地下の炭鉱労働者、朝鮮、与論島、沖縄の人々)異族の思想は辺境の、地方性のものとしてあるのではなく、日本人の正統的共同体意識に対峙するものとしてある。日本の正統的共同体意識とは、これら対立的な意識を異族の意識とはみなさず、同族集団内の異質としてしか考えることができない。異質とは、しかも、「欠落」のことではないか?「天皇」の概念を可能にするところの、日本の正統的共同体意識は、「異なる」ことを「欠落」として眺めるから、日本的定着民の外にある民族と真に出会うことができない。
このことが、どうしてヘブライ語に結びつくのか。
それはまた、あした。

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(岡埜栄泉「栗羊羹」)

裏金騒動に隠れて(?)岸田はどえらいことをやっている。
多くの犠牲者の上につくられた日本国憲法の最も大事な平和憲法という特質を台無しにするような、アベ政治で踏みだした戦争国家へのステップをさらに一段と前に進み、アメリカの戦争には武器をもって参加するとアメリカ議会・バイデンに約束してきたのだ。
テイクさんのブログをぜひお読みください。

Commented by りんご at 2024-04-26 00:57 x

 奥さまとサンチちゃん お誕生日おめでとうございます❣
 桃色のお花と栗羊羹が、お二方の更なるお幸せを約束していますね  

「異なる」ことを「欠落」として眺めるから、日本的定着民の外にある民族と
 真に出会うことができない。...   ここ 甚く感じています
   
他民族の人とは「異なる」という前提から出発し付き合う(歓びや困難も含め)ことを
真に解さずにいた自分が浮かびます。利益が相反する仕事上では、差異は思った以上に
大きく(出る前に聞いていたはずですが) 米国で同部署内の週一のミーテイングで
唯一の日本人(わたス)は周囲から疑問や文句を降らされアタマが爆発しそうでした  
日本人の自我の容量や位置は他国の人と根本的異なるとか、自らの身体の延長上の
感覚で「言えばわかる」的の甘えは通用しないとか。 後にそれを欧米の日本研究職の
方から知らされ、そういえば道端で「ふつうは。。こうよね や 日本人ならね。。」の
語句を躊躇いなく口にしてた事を思い起こしました なんと杜撰な荒さでしょう
  
Commented by テイク25 at 2024-04-26 09:35 x
佐平次さん、ご紹介いただきありがとうございました。私たちがうっかりしている間に政府はどんどん戦争をする国へと突き進んでいます。目を見開いて「ん?これおかしいんじゃない?」と思ったら見過ごさないで、ものを言っていかないといけないなあとつくづく思います。

戦争は絶対に嫌だ。戦争への道を進ませてなるものか。
心の中でそう叫んでいないと弱気になりそうで怖いです。

Commented by saheizi-inokori at 2024-04-26 11:23
> りんごさん、ありがとう。
森崎和江は朝鮮から日本に来て、多くの日本人が「お国はどこ?」と問うことで相手を知ったことにしてしまい、にっこりと出迎えてくれる厚かましさをもっていて、土民としか呼びようがないなまなましさで私を吞みこむ、と書いているそうです。
無邪気に、人間はみんな同じというわけですね。
Commented by saheizi-inokori at 2024-04-26 11:26
> テイク25さん、このスピーチ原稿を書いた(直した)のは、アメリカ人だというから驚きです。ひたすらアメリカ人が喜ぶことを目的にして、それがかなった(あたりまえ)と岸田も周りも、メデイアも喜んでいる!
亡国の道ですね。
Commented by otebox at 2024-04-26 11:35
佐平治様、複数回文章を行ったり来たりしましたが、私には難解で掴めません。
差別についてはしかと目を開いていたいのですが、過熱して回路が焼けてしまったのでしょうか、リタイヤです。
Commented by jyariko-2 at 2024-04-26 14:00
お二人のお誕生日が一緒だったんですね
お二人様 お誕生日おめでとうございます
これからもご健康でお過ごしになりますように

我が国はどうなってしまったのでしょう
何の誇りもプライドもなくなってしまった
ように見えます
武器を作って輸出できるようになり
戦争にまで参加しなくちゃならない
それをしない国であったはす
それが誇りであったはず
国民に何も知らせないまま危機をあおって
ブキブキ 
気が付いたときにはどうにもならない哀れな国になっていたなんてー😭
Commented by saheizi-inokori at 2024-04-26 15:39
> oteboxさん、分かりにくい文章でごめんなさい。
相手の異質性をしっかり学ぼうともせずに、目についた違いを(こっちとの比較で)欠落とみなすようでは対等の関係にはならない、そんなことだったのです。
藤本和子の文章は、そういってしまうのには、あまりにもいろんな含蓄があるようで、それは私にも難解(まして森崎和江の文章と絡むと)なのですが、なんどか読んで、ブログに書いてみることで、すこしは感触がつかめるかと思いました。
藤本自身も悩んでいるようです。
Commented by saheizi-inokori at 2024-04-26 15:41
> jyariko-2さん、ありがとう。
年相応に、ね^^。
まったく仰る通り、危ない坂道を転げ落ちていくような感じがします。
大谷大谷と騒いでいる場合ではないような気がします。
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by saheizi-inokori | 2024-04-25 12:41 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(8)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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