韓国のスクランブル交差点
2024年 04月 19日
北風ぴーぷー、でも温かい北風の朝だ。
トリミングで夏バージョンに刈り上げたサンチは、骨川筋衛門になったけれど、元気に走り回っている。
あと一週間で16歳、この年でずっと立ち続けている子は少ないと理容師?に褒められて喜んでいるのか。
今朝は珍しく、トイレと洗面所の掃除だけで、洗濯はない。
それでもゴミ出しとルンバの世話焼きはする。
ルンバも経年、しょっちゅうサボるから、目を光らせていないとね。
目の異常感は収まったけれど、念のために眼医者に行くつもり。
「フイフティ・ピープル」読了。
病院関係者と言っても、ふつうの医師だけでなく、麻酔医、緊急医、患者の移送係、遺体の搬送(韓国の病院には葬儀所が併設されているのが多い)係――彼は地下の当直室に寝泊まりして、二人分の仕事をひとりで引き受けている、友人が重病なのを見舞いに行くために、職場を離れると、違う人にとって代わられないかと危惧する―広報係、人事課員、治験の対象になるアルバイトをする人、製薬会社の外交員、刑務所の医者など多岐にわたる職種の人々の仕事の苦労や哀感が同情を持って描かれる。
アーサーヘイリーの大病院の内幕を描いた小説(「最後の診断」だったか)よりも多角的にしてローアングル、クローズアップ、人間臭い話が多い。
ほかにも、マンションの販売、パイロット、司書、キャデイ(すばらしい女性)、建築士、詩人、大学教授、ミュージシャン、バーの経営、学生、映画館の仕事など職業のいろいろ図鑑みたいだ。
ナイジェリアからきたハンドボールの選手も登場する。
渋谷のスクランブル交差点を見ていて、この小説のアイデアを得たというのが肯われる。
すれ違う名も知らぬ人を追いかけて、その人を主人公にすると、深刻なドラマの主人公であったり、その人に話しかけた人物が、認知症の親を介護していたり、自らが精神を病んでいたり、、主人公のいない、老若男女すべての人が主人公になるような、知らずしておたがいが支え合っているような52の話。
作者が常々「何ももらえず搾取されるばかりの自分の世代の声を代弁したい」といっているのも、納得できる。
韓国で実際に起きた、女性へのヘイトクライム殺人事件、シンクホールによる事故、トラックの過積載による事故、新自由主義的教育改革、韓国空軍における戦闘機墜落事故、キャデイへのセクハラ事件、加湿器殺菌剤による死傷事故、マンションの「層間騒音」問題、刑務所における特権階級の「皇帝接見」、医療従事者とくに研修医の労働環境の問題、LGBTの人々の生き方、公務員汚職、建設業界の劣悪な資材や下請けの問題、非正規労働者の不安、避妊と妊娠中絶の問題など、そして最後にセウォル号沈没事件が巧みに表象されていて、韓国(および日本)社会問題図鑑の趣きもある。
トリミングで夏バージョンに刈り上げたサンチは、骨川筋衛門になったけれど、元気に走り回っている。
あと一週間で16歳、この年でずっと立ち続けている子は少ないと理容師?に褒められて喜んでいるのか。
今朝は珍しく、トイレと洗面所の掃除だけで、洗濯はない。
それでもゴミ出しとルンバの世話焼きはする。
ルンバも経年、しょっちゅうサボるから、目を光らせていないとね。
目の異常感は収まったけれど、念のために眼医者に行くつもり。
「フイフティ・ピープル」読了。
病院関係者と言っても、ふつうの医師だけでなく、麻酔医、緊急医、患者の移送係、遺体の搬送(韓国の病院には葬儀所が併設されているのが多い)係――彼は地下の当直室に寝泊まりして、二人分の仕事をひとりで引き受けている、友人が重病なのを見舞いに行くために、職場を離れると、違う人にとって代わられないかと危惧する―広報係、人事課員、治験の対象になるアルバイトをする人、製薬会社の外交員、刑務所の医者など多岐にわたる職種の人々の仕事の苦労や哀感が同情を持って描かれる。
アーサーヘイリーの大病院の内幕を描いた小説(「最後の診断」だったか)よりも多角的にしてローアングル、クローズアップ、人間臭い話が多い。
ほかにも、マンションの販売、パイロット、司書、キャデイ(すばらしい女性)、建築士、詩人、大学教授、ミュージシャン、バーの経営、学生、映画館の仕事など職業のいろいろ図鑑みたいだ。
ナイジェリアからきたハンドボールの選手も登場する。
渋谷のスクランブル交差点を見ていて、この小説のアイデアを得たというのが肯われる。
すれ違う名も知らぬ人を追いかけて、その人を主人公にすると、深刻なドラマの主人公であったり、その人に話しかけた人物が、認知症の親を介護していたり、自らが精神を病んでいたり、、主人公のいない、老若男女すべての人が主人公になるような、知らずしておたがいが支え合っているような52の話。
作者が常々「何ももらえず搾取されるばかりの自分の世代の声を代弁したい」といっているのも、納得できる。
韓国で実際に起きた、女性へのヘイトクライム殺人事件、シンクホールによる事故、トラックの過積載による事故、新自由主義的教育改革、韓国空軍における戦闘機墜落事故、キャデイへのセクハラ事件、加湿器殺菌剤による死傷事故、マンションの「層間騒音」問題、刑務所における特権階級の「皇帝接見」、医療従事者とくに研修医の労働環境の問題、LGBTの人々の生き方、公務員汚職、建設業界の劣悪な資材や下請けの問題、非正規労働者の不安、避妊と妊娠中絶の問題など、そして最後にセウォル号沈没事件が巧みに表象されていて、韓国(および日本)社会問題図鑑の趣きもある。
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by
りんご
at 2024-04-20 00:56
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心に沁みる清純な花々や記事をありがとうございます サンチもルンバも
愛しいですね あんまりな世界に、Tabea Zimmermann の若い25歳の頃の
シューベルトを聴いてました 研修動画のコメントもピアノの前にちょこんと
座す受講生の藤田真央に「マオ ほらテンポ!」と云われた時の美しい声も
数年前のはずなのに朧に。。 下記添付まで申し上げます もしよろしければ
(4763) Tabea Zimmermann | Schubert: Arpeggione Sonata | LIVE Video - YouTube
(4757) Master Class with Tabea Zimmermann - Verbier Festival 2018 - YouTube
1
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saheizi-inokori at 2024-04-20 10:06
by saheizi-inokori
| 2024-04-19 09:24
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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Comments(2)