学びほぐす 「曇る眼鏡を拭きながら」

早くも菜種梅雨かと思うほどの雨続きだったが、きょうは素晴らしい青空だ。
まず部屋干しにしてあった昨日の洗濯物をしまいこむ。
靴下・下着類とシーツにホーフなど、二回にわけて洗濯した。
洗濯物が多いと、干し方に工夫がいる。

明日からまた雨の予報だから、ちょっとがんばつた。

漢方薬を煎じる。
汗や排泄物から毒素を出すという漢方、随分長い間お世話になったのに、漢方の先生が体調を崩して、もう診療できないというので、これが最後の一包だ。
代る医師を見つけないといけないかな。

家じゅうの窓の下に水たまりができている（寒暖差）のをタオルで拭きとる。

便器を磨くところから大掃除の開始、さいごの体操もいれて４時間、カミさんといっしょに動き詰め、すこしくたびれる。
くたびれるけれど、体と心は軽くなる。

誕生祝いにＭちゃんからもらった大きな甘い金柑（銀座千疋屋）をむしゃむしゃ食っていたら、長男一家から、白いＴシャツと靴下が届く。
真っ白な下着が欲しいとブログに書いたのを見てくれたのだ。
ありがたいけど、ポールスミスは僕には贅沢過ぎる、よそ行きにしよう。

（北茨城で）

「曇る眼鏡を拭きながら」を読みつづけた。
ｕｎｌｅａｒｎ＝学びほどき学びほぐす、ことについてのやり取り。
過去の時代の内側からリアルに書くには、その時代に固有の「過ぎ去った世界のありふれた知識」を手に入れなければならない。
獲得した知識全体をいったん解体して再構築する必要があり、すでに学んでしまった知識を幾分手放さなければならないが、知識のうちのなにを手放し、なにを拾い上げるか、厳密に検討しなければならない。
そういう立体的な作業が、学びほどき学びなおすための基礎作業になる（くぼた）。
クッツエーは、知識を手放す（ものを忘れる）ために、

だが、忘却を可能にするには、まずなにを忘却すべきかを知る必要がある。知識を減らす前に、もっと知識を増やさなけれなならないのだ。

と言っているそうだ。

おなじくクッツエーの小説のなかの人物の、

彼らは糾弾されるべきです。でも、他人のことばで彼らを公然と非難することは、わたしにはできません。わたしは自分の、自分自身のことばを見つけなければ。

ということばも、重く鋭く突き刺さる。

八巻美恵のエッセイ集「水牛のように」に出てくることば、

運動として評価される歩くことだが、ほんとうのよさはひろびろとした外の世界に身を置くことにあるのだと私には思える。ひとりで歩いているうちにすべての感覚が開放されて、自分とは異質なものを次々と受けとめることができるのだから、パソコンの前にすわってじっと考えているよりもいいアィディアが浮かぶ確率が高い。

これをくぼたは、

私もほぼ毎日ウオーキングをしていて、歩きながら家や廃屋やさまざまな植物や人や犬を目撃するときの、あの独特の感じがとても好きですが、あの感じをこういうふうに言葉で表せるとはおもわなかったなあ。

という。
ぼくもくぼたの表現にとどまる（共感する）。

クッツエー、グロスマン、くぼたのぞみ、金聖七、、彼女たちの話に出てくる人や作品を、「しりとり」（どちらかの言葉）をするように、読んでみたくなる。