病院のはざまで

血液と尿の検査の結果は、腎臓(クレアチン)が1・17、正常値を0.07超えるが、過去の数字のなかでは一番良い数字、あとは、呑み助の食いしん坊なのにコレステロール、中性脂肪、ガンマナントカ、、いずれも正常なのが不思議なくらい。
手足の指が攣って、箸がもてなくなると訴えたが、リュウマチなどの数値に異常はない、老化であちこちのバランスが崩れてこんな症状も出るのでしょうね、と僕が自分で云って、そうかもしれないですね、と医師。
かかりつけの病院にいると、守られているような気持が心地よい。
医師、顔を覚えている看護師や受付のスタッフ、片隅でぼうっとしているがん患者までが、仲間のように感じられる。

バスで三茶に向かう。

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一昨日読み始めて、病院で読んで、夢中になって読みつづけていると、隣りに坐った老人が、「眼鏡なしで読めるのですか、すごいなあ、羨ましいなあ」という。
いつもは老眼用の眼鏡をかけるのだが、マスクをしていると曇るので裸眼で読んでいたのだ。
年をとってから、眼鏡なしでも読めるようになったってことで、羨ましがられるってことなのか。

ギャングの幹部で服役した黒人・アイクが出所後、頑張って小さな造園関係の会社を経営するまでになっていると、とつぜん息子が無惨に殺されたことを告げられる。
ゲイの恋人の「妻」として、幼い子供もいたジャーナリスト、アイクはゲイを受け容れることができず、親子の気持は通い合うことがなかったのだ。

「夫」の父親は飲んだくれの、元無法者・バデイ・リー、彼の誘いで(いろいろあった後)、二人は犯人を捜して、復讐しようと立ち上がる。

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暴力、血、迫力満点、ぞくぞくする。
だがそれだけじゃない。
ふたりは、その過程で、自分たちのあやまちに気づく。
別の人間の視点でものをみようと努力するより、砂のなかに頭を突っ込んで見えないふりをするほうが楽だ。無知な祝福ってやつだ。

(理髪店で)店内に蔓延する集団思考で、浅薄な考えが確認され、強化される。
ほとんどの場合、みな意見がクソみたいに一致する。彼らは父親がよくないから息子がゲイになると本気で思っているのだろうか。
愛する息子を、ただ愛してやればよかったことに気付く。
バデイ・リーは、自分のなかの黒人に対するレイシズムにも気づかされる。

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虚飾の虚しさ、ほんとの人生には余計ないろいろは不要なばかりか邪魔ものであることを気づかされてハードボイルドを読むのは心地よい。

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ランチは、この間も行った新華楼で、エビ焼き飯・1000円を食う。
学生時代によく食った本郷西片町の生駒軒の焼き飯のうまさには及ばないが、とてもうまい。

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(八幡さまの境内、子供たちの歓声)

歯科が三時からなので、駅の近くのカフエで、本の続きを読む。
485頁読み終えると、ちょうど良い時間になった。

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歯科を終えて、スーパーストアで菜の花を買って帰る。
気づいたら、リュックにつけた身障者マークの赤十字がなくなっていた。
もうつけるのは止めよう。
まだまだ席を譲ってもらう必要はないのだ。

風呂に入りながらラジオを聞いていたら、スカした感じの女性が、あら!もう梅が咲いてるんですか!だって。
若者よ!歩きなさい、歩いて五感を研ぎすましなさい。
そうすれば、町の梅も子供たちも見えてくるんだよ。

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バレンタインとかで、ケーキ↑とこいつをカミさんがくれた。

訳 加賀山卓朗
ハーバーBOOKS
Commented by stefanlily at 2024-02-14 17:22
こんにちは、
Happy Valentine's day

Roses are rosesで始まる?決まり文句(替え詩も人に依っては有り)を英会話のクラスで習ったけど、度忘れしましたw

ローマ法王の悪法(兵士に「結婚するな、戦意高揚に影響する」)によって、密かに結婚式を挙げさせていた聖職者が処刑された…が起源だったかな?

理髪店での会話というと、フォークナーの「Dry September」にもありました。「白人女性が言っているんだから、間違いない!」「そんな奴じゃないんだが」…後者の公平な意見の方がかき消されるという。
ホークスの左腕モイネロ投手が、キューバから亡命してMLBに挑む事もなく、福岡の街を愛してくれている…私は感謝しております。
Commented by saheizi-inokori at 2024-02-14 18:11
> stefanlilyさん、日本でも落語「浮世床」のように床屋は近所の仲間たちの雑談の場だったのですね。
アメリカの田舎には今もそういう床屋があるらしい。
そして床屋政談で集団思考を作り出す。
トランプの支持基盤でもあるのかな。
Commented by at 2024-02-15 06:48 x
炒飯を我が家ではかつて焼きめしと呼んでおりました。

ところで、やま彦という二つ目のドジなエピソードが超絶面白いのです。
ウイキペディアにありますが、
まさに「久々にすごいのが来たらしいな」(馬風)です。
Commented by saheizi-inokori at 2024-02-15 07:03
> 福さん、やま彦読みました。けつさく!
天然なんでしょうね。単なるアホではない?
楽しみです。
Commented by 佐平次ファン at 2024-02-15 21:36 x
生駒軒、まいばすけっとになりました。
すこし前までは営業していたのですが。
Commented by saheizi-inokori at 2024-02-15 21:47
> 佐平次ファンさん、え!そうでしたか。
寂しいな。
死ぬ前にもう一度行きたかったのです。
そういう場所や店がどんどん亡くなります。
Commented by ikuohasegawa at 2024-02-16 16:08
無性にチャーハンを食べたくなりました。
この前食べたのはいつだったろう。
Commented by saheizi-inokori at 2024-02-16 18:58
> ikuohasegawaさん、付き物のスープも嬉しいです。ビールを餃子で飲んで、焼き飯にいく人を羨ましく眺めていました。
Commented at 2024-02-17 02:58
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2024-02-17 10:38
> 鍵コメさん、なんとか、ね。
遅くまで起きているのですね。
Commented by hanamomo60 at 2024-02-17 11:48
こんにちは。
新華楼の海老焼き飯、美味しそう!
私もこれを注文しそうです。
お皿の金の縁取りがちょっとだけ薄くなっているのは、長い間この皿を食べて楽しんだ人が多い証拠ですね。
ぎょうざも安いんですね。
近くだったら行ってみたいな~。

病院お疲れ様でした。

>老化であちこちのバランスが崩れてこんな症状も出るのでしょうね。
お医者さんが何かしらいうべきなのにね。
こんな先生多いですね。
Commented by saheizi-inokori at 2024-02-17 14:00
> hanamomo60さん、仲良しの医師なんです。血液検査の結果はシビレの原因が判然しないものだから、困っていたので、私が助け舟を出したのです。
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by saheizi-inokori | 2024-02-14 11:33 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(12)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori