イスラエルの民よ!

ことし最後の土曜日、いつものように大掃除をしているとピンポン、房州から餅が届いた。
ちょうど良いかたまり具合、いろんなサイズに切った。
切りながら、子供の頃の餅切りを思いだした。
もっと大きく、百人一首の札くらいに切っただろうか。
なまこも、豆入り、ゴマ入りとあって、柔らかいうちにつまんで食べた。
母はいくつ、弟は、僕はとそれぞれの数を火鉢で炙って、ぷ~っと膨れる、いい匂いが広がって、子供心にも目出度い気持になるのだった。

イスラエルの民よ!_e0016828_12471084.jpg

餅は、春先まで食べ続けた。
赤や青の黴が生えてくると水に浸して、こそげるだけこそいで食べた。
そのころには、もう、食い飽きて、感動はなくなっているのだ。

イスラエルの民よ!_e0016828_12481238.jpg

きのうの昼飯を食いながら、テレビでガザの現状を伝える番組を見た。
可愛い子供たちに絵を描かせると、全員が爆弾や死体などの戦争を描いて、「虐殺の絵、ジェノサイドの絵」と回らない言葉で説明する。
幼い子供たちのほとんどが餓死寸前、水すら十分に飲めない。
夜はわずかな時間しか眠れない。
子供のストレス解消のために尽力する保護センターの所長が拉致されて裁判も経ずに獄につながれ、スタッフたちもいつ拘束されるかわからない。

イスラエルの兵たちは、面白半分に人を殺し、水タンクを狙撃する。
警察の車が、意味もなく催涙ガスを打ち込んで走り回る。

イスラエルの民よ!_e0016828_12493283.jpg

貧しくても、命の心配をせずに、ゆっくり寝ることができて、たとえ黴だらけになっていても飽きるほど餅を食えたのは天国だった。

イスラエルの民よ!
人間としての心があるのなら、立ち上がってネタニエフに「ノー!」を突きつけよ。
日本の政治家もそれぞれに出来るだけのことをして、ネタニエフの狂気を鎮めよ。
僕は何もできないから、ひたすらツイッター(x)で、英語のアンチイスラエル、ジェノサイド阻止の記事の拡散ばかりしていた。

イスラエルの民よ!_e0016828_11145972.jpg

インカ帝国の皇帝兄弟が、帝位を争い、弟・アタワルパ(史実では王になる)は兄に追われて王妃や将軍たちにピューマや食糧などを持って脱出、キューバから船で新世界をめざす。
着いたところはポルトガル、そこからスペインに入り、カール五世に面会する。
彼らがサラマンカを見て驚いたのは、
町には立派な館が並んでいて、そこの住人は贅を尽くした暮らしをしていると思われるのに、舘の門前では飢えに苦しむ人々が物乞いをしているという事実である。これほどの不公平にもかかわらず、貧困にあえぐ人々が富める人々につかみかかることもなく、家に火を放つこともないというのは、ヒゲモナタ(グリーンランドからやってきてキューバの女王になったアナオアカの娘、アタワルパの通訳として同行した)はもちろんアタワルパにとっても不可解なことだった。
さて<しゃべる葉>(文字の書かれた紙)を読み解くことができるペドロ・ピサロは、この町に来てからある著作物を手に入れていた。どこかの修道士の手で密かに翻訳され、こっそり出回っているものだそうで、ペドロはその一部をインカ皇帝とキューバの王女のために朗読した。「すなわち貴族は、民衆を抑え込むことができないとわかると、自分たちのうちの一人を祭り上げて君主とし、その後ろに隠れて欲望を満たそうとする」
マキァヴェッリの君主論らしい。
今現在の日本にも通じるね。

イスラエルの民よ!_e0016828_12520094.jpg
(二三日前の写真)

アタワルパたちは、三位一体とかキリスト教を知らないから異端とされ審問官たちにつかまって火あぶりの刑にされかねない。
トレドでは明日にも逮捕されるというので機先を制して、キリスト教徒たちを皆殺しにして、審問官を晒し首にした。
胸で十字を切る人間たちがターゲットとしての目印だった。
遠征から帰ったカール五世は、トレドの殺戮の代償を払わせる、というのだ。
さて、インカの人々の運命や如何に?それは今日のお楽しみだ。

Commented by 20070707open at 2023-12-30 15:34
私は最近テレビのニュースを観るのが辛いです。
その時間になるとたわいのない録画番組を観て笑っています。
そうやって現実の恐ろしい事や悲しいことから目をそらし逃げています。
そんな一連の心持がストレスになっていて、こんなの私だけだろうかと思っています。
Commented by at 2023-12-31 06:55
「君主論」言い得て妙ですね。

今年も色々なことがありましたが、
一番驚いたのは、ユーミンこと松任谷由実が「ザワつく!金曜日」に出たことです。
若い姿で、一茂、良純、ちさ子と軽妙なトークを展開しました。

そんなこんなで今年も終わります。
いつもチャレンジングなお話、楽しく拝読しました。
ありがとうございます。

Commented by saheizi-inokori at 2023-12-31 09:32
> 20070707openさん、私もいつもはチャンネルを切り替えるのです。
このときはなぜかそれができなかったのでした。

Commented by saheizi-inokori at 2023-12-31 09:36
> 福さん、いつも刺激的なコメントをありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
Commented by めぐ at 2023-12-31 14:56
戦争をして領土を侵略するのは欲望のなせる技ですが、そこに薄汚い錦の御旗みたいなお墨付きの イデオロギー
それと 宗教的なアイデンティティという出自があります。それらを推進力としておかしな馬力を出させるガソリンみたいな嘘っぱちの歴史観ですね。
広島大学院に留学してきているアメリカ人女性 ユダヤ系の人が原爆ドームの前でイスラエルの行っている事はジェノサイドだと言ってパレスチナ人への支援を訴えています。
これまでに至る歴史を調べてこういう結論に至ったと。
資源の問題 気候変動を考えると戦争なんかやってる場合じゃない!
次の世代にはイスラエル人もロシア人もみんなが苦労するのは分かりそうなもんだけど、欲望と恨みに駆られていて見えなくなっているのですね。 普通のおばさんにもわかる事なのに。
Commented by saheizi-inokori at 2023-12-31 16:55
> めぐさん、イスラエルのユダヤ人はシオニストたち、民族浄化を企図する悪の集団だと思います。
Commented by めぐ at 2023-12-31 17:46
まあねー
ヤハウェという神がジャイアン気質だから
崇拝者もジャイアンになります。

それにしても読書家で  速いのでついていく事もままなりませんでした。学生の頃いつか時間がたっぷり出来たら読もうと思っていた本も解説してくださり有難うございます。
ご家族で良い年越しをなさってください。

Commented by saheizi-inokori at 2023-12-31 19:00
> めぐさん、昔はできるだけ早く多く読みたいと思いましたが、やつとゆっくり味わいつつ読むようになりました。
めぐさんも、良いお年を!
Commented by tanatali3 at 2023-12-31 19:46
針小棒大になる可能性があるため、ユダヤ人に関する実際の経験や見聞を、おいそれと発表できないのが残念です。アメリカ大陸の略奪の歴史や欧州・中東・ロシア・東南アジア・中国・アフリカ、南米の歴史を観れば如何に人間は過去に学べず、憎悪という感情を増殖させるかお判りだと思います。私が知るユダヤ人の多くは現政権の残虐行為に反対なはずですが、憎しみがその冷静さを黙らせています。差別や偏見は平和な状態では顔を隠しています。それは政治やメディアも同じです。
Commented by saheizi-inokori at 2024-01-01 11:58
> tanatali3さん、憎しみの増幅ですね。
それを差別意識が加速する。
平常心を取り戻して欲しいですね。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by saheizi-inokori | 2023-12-30 12:57 | 責任者を出せ! | Trackback | Comments(10)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori