同期会
2023年 11月 25日
きのうは三か月に一度の世田谷在住同期会、いつもの寿司屋にフルメンバー8人が揃った。
透析治療中の男も出てこられたのはめでたい。
鉤の手のカウンターに三人と五人で座る。
早生まれの僕がいちばん若い80歳、だから総計640歳以上が、元気に笑い、食らい、吞んだ。
58年前に丸の内の国鉄本社に入社した時、誰がこういう席があることを想像しえただろうか。
八人揃ったのはめでたいことだが、話をするには多すぎる。
それぞれ三つくらいのかたまりになって違う話題が進行する。
真中に坐ったぼくはどっちの話題についていこう、、どちらにもおいて行かれないようにするには自分が会話のイニシャテイブをとらなければならないが、そういうのはいやだから、けっきょく両側に曖昧にうなづいていた。
そのうち、端っこのひとりが、反対側の端っこの男の横に行って話し込む。
やむをえず、横の男は反対の端っこに席を移す。
だされた肴はどっちが食うのか。
話したとたんに消えて行くような軽い話だから、聞こえなくてもいいのではあるけれど。
昔、地方の人事課長をしていたころ、本社の指示で生産性運動という(不当労働行為をやって)国労脱退者を増やすことに夢中になって、組合と野党、メデイアに集中砲火を受けて総裁が陳謝して、一挙に逆行、現場で運動をした管理者を処分したときの、辛かった思い出を語る男。
そうだったろうな、と相槌をうっておけばよいのに、そのとき僕が本社の指示に逆らって、みんなと正反対の行動をとったことを、「だって労働法に反することをやるような運動が、長続きするはずがないだろう、なんのために大学に行ったのかと思った」などと、いわいでものことを云ってしまった。
どこやらの大学教授がJR貨物が旅客会社に過分な負担を強いていることなどを理由に、純然たる民間会社としては将来性がないようなことを言っている、という話を誰かがする。
そこでも、つい、「だから、あの時俺は運輸省やら再建監理委員会やらに日参して、そういうことを言い歩き、出禁扱いどうぜん、誰も話しを聞いてくれなくなった」と云ってしまう。
いつまでたってもおとなになれないのだ。
大人になりきれない、ということはその通りだが、それほど、僕の人生に国鉄民営分割は深い、敢えて言えば傷痕を残したのだ。
恩讐の彼方、すべてを流して、淡々と余生を過ごす、そういう心境にはなれない。
退職して二十年余、八十路をすぎた旧友が和気あいあいと酒を飲むためには、生産性運動や国鉄分割(とくに貨物会社)なんかなかったように、大谷や藤井の話をしていなければならないようだ。
そういえば昨日は病気の話がでなかった。
数年前まではかならず誰かが病気の話をしていたのに。
もう全員がなにがしかの病気持ちになっているから、いまさらということかもしれない。
感心に孫の話は昔からしない。
宮城谷昌光「三国志 第八巻」読了。
曹操が死に、息子の曹丕が皇帝になり、劉備も死んで劉禅が蜀の皇帝になり、孫権の呉と、いよいよ本当の三国志が始まる。
千八百年近い昔の中国の英雄たちの言動、志を追いながら、今の日本の指導者に欠けているものを思うことが多い。
その最たるものは、天が見ている、天に恥じない行動をとる、という志だと思う。
透析治療中の男も出てこられたのはめでたい。
鉤の手のカウンターに三人と五人で座る。
早生まれの僕がいちばん若い80歳、だから総計640歳以上が、元気に笑い、食らい、吞んだ。
58年前に丸の内の国鉄本社に入社した時、誰がこういう席があることを想像しえただろうか。
八人揃ったのはめでたいことだが、話をするには多すぎる。
それぞれ三つくらいのかたまりになって違う話題が進行する。
真中に坐ったぼくはどっちの話題についていこう、、どちらにもおいて行かれないようにするには自分が会話のイニシャテイブをとらなければならないが、そういうのはいやだから、けっきょく両側に曖昧にうなづいていた。
そのうち、端っこのひとりが、反対側の端っこの男の横に行って話し込む。
やむをえず、横の男は反対の端っこに席を移す。
だされた肴はどっちが食うのか。
話したとたんに消えて行くような軽い話だから、聞こえなくてもいいのではあるけれど。
昔、地方の人事課長をしていたころ、本社の指示で生産性運動という(不当労働行為をやって)国労脱退者を増やすことに夢中になって、組合と野党、メデイアに集中砲火を受けて総裁が陳謝して、一挙に逆行、現場で運動をした管理者を処分したときの、辛かった思い出を語る男。
そうだったろうな、と相槌をうっておけばよいのに、そのとき僕が本社の指示に逆らって、みんなと正反対の行動をとったことを、「だって労働法に反することをやるような運動が、長続きするはずがないだろう、なんのために大学に行ったのかと思った」などと、いわいでものことを云ってしまった。
どこやらの大学教授がJR貨物が旅客会社に過分な負担を強いていることなどを理由に、純然たる民間会社としては将来性がないようなことを言っている、という話を誰かがする。
そこでも、つい、「だから、あの時俺は運輸省やら再建監理委員会やらに日参して、そういうことを言い歩き、出禁扱いどうぜん、誰も話しを聞いてくれなくなった」と云ってしまう。
いつまでたってもおとなになれないのだ。
大人になりきれない、ということはその通りだが、それほど、僕の人生に国鉄民営分割は深い、敢えて言えば傷痕を残したのだ。
恩讐の彼方、すべてを流して、淡々と余生を過ごす、そういう心境にはなれない。
退職して二十年余、八十路をすぎた旧友が和気あいあいと酒を飲むためには、生産性運動や国鉄分割(とくに貨物会社)なんかなかったように、大谷や藤井の話をしていなければならないようだ。
そういえば昨日は病気の話がでなかった。
数年前まではかならず誰かが病気の話をしていたのに。
もう全員がなにがしかの病気持ちになっているから、いまさらということかもしれない。
感心に孫の話は昔からしない。
宮城谷昌光「三国志 第八巻」読了。
曹操が死に、息子の曹丕が皇帝になり、劉備も死んで劉禅が蜀の皇帝になり、孫権の呉と、いよいよ本当の三国志が始まる。
千八百年近い昔の中国の英雄たちの言動、志を追いながら、今の日本の指導者に欠けているものを思うことが多い。
その最たるものは、天が見ている、天に恥じない行動をとる、という志だと思う。
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umi_bari at 2023-11-25 13:04
本当に、皆様の元気に頭が下がるばかりです。
気の知れたお仲間さんたちと楽しい時間で、飲んで
食べて語って、良いですね。
お見事バグースです。
アラック、今は中学校と大学の仕事をさせていただいていますが、
公的年金がもらえるまで生きていないかもしれません。
世田谷区とは縁があるんです。
大学は日体大で深沢でしたし、新卒での学校が尾山台で5年間、
その後、もう一度、桜丘の中学校に5年いたんですよ。
今日から一気に寒くなりました。
お体を労わってお過ごしください。
気の知れたお仲間さんたちと楽しい時間で、飲んで
食べて語って、良いですね。
お見事バグースです。
アラック、今は中学校と大学の仕事をさせていただいていますが、
公的年金がもらえるまで生きていないかもしれません。
世田谷区とは縁があるんです。
大学は日体大で深沢でしたし、新卒での学校が尾山台で5年間、
その後、もう一度、桜丘の中学校に5年いたんですよ。
今日から一気に寒くなりました。
お体を労わってお過ごしください。
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saheizi-inokori at 2023-11-25 13:13
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jyariko-2 at 2023-11-25 13:37
子供の頃 よくお天道様に怒られるよ とか神様見てるよと言われたものです
saheiziさん 良いお仲間がおらであいがあり良いですね
高齢になると人との出会いが嬉しいですね
次回への期待感も持てますし
saheiziさん 良いお仲間がおらであいがあり良いですね
高齢になると人との出会いが嬉しいですね
次回への期待感も持てますし
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saheizi-inokori at 2023-11-25 13:59
> jyariko-2さん、今の政治家たちはそういう教えを受けなかったのでしょうかね。
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rinrin1345 at 2023-11-25 18:34
私の周りは介護で夜出れない人が多くて、東京で会った3人、2人は無理して来てくれました。仲間はありがたいですね
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eblo at 2023-11-26 01:33
上手に言えませんが面白いと思いました。
「組合と野党、メデイアに集中砲火を受けて」の部分、
全く部外者の私は「事故が増えそう」「人間を合理化対象にできるのか」「何でメディアは公平に伝えないのだ」そんな風に思っていたので、同じ報道を聴いても当事者の感じ方とは反対だったようで、メディアも大変なんだな、と。
私もsaheiziさんタイプでつい言ってしまいます、直す積りもありません。
「組合と野党、メデイアに集中砲火を受けて」の部分、
全く部外者の私は「事故が増えそう」「人間を合理化対象にできるのか」「何でメディアは公平に伝えないのだ」そんな風に思っていたので、同じ報道を聴いても当事者の感じ方とは反対だったようで、メディアも大変なんだな、と。
私もsaheiziさんタイプでつい言ってしまいます、直す積りもありません。
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saheizi-inokori at 2023-11-26 09:14
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saheizi-inokori at 2023-11-26 09:18
by saheizi-inokori
| 2023-11-25 12:55
| よしなしごと
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Comments(8)