うまい五目ソバを食った
2023年 10月 27日
歯科医が二時からなので、とちゅうでランチにしよう。
前から狙っていて、前回は時間内に行ったのにもうしまっていた中華の店だ。
12時10分頃に着くと、案の定4人ならんでいる。
とりあえず後ろにつくと、すぐに感じのいい奥さんが出てきて、お待たせしました、お二人の方どうぞ、と中に呼び入れる、行列のできる店にありがちな「食わせてやる」感はまったくない。
この分ならそんなに待つこともないだろうと、覚悟を決める。
ところが、そのあと、何人か食べ終わった人が出てくるのに、お呼びがない。
常連らしきオッサンが二人出て来たのを、厨房から大将らしき男が呼び止めて「久しぶりだったじゃない」とか「今ランチしかやってないんだ」などと話している。
オッサン二人は自転車に乗って帰っていく。
覚悟があるから、スマホを見ながら待つ。
けっきょく30分ほど待って入れる。
4人がけのカウンターと小さなテーブルが三つ、そのカウンターに4人揃って呼び入れられる。
どうやら、席があいたらどんどんいれることはしないようだ。
細長い厨房には男が二人、奥さんも料理を手伝っている。
料理の匂いが香ばしくて食欲をそそる。
ランチメニューというのが置いてある。
細かいけれど読める大きさで、麺類、お料理(単品)、ご飯類とわけて、そう50品目もあるだろうか。
ラーメン700円、お料理(単品)は餃子(5個)500円のほか肉野菜炒めなどすべて700円。ご飯類はやきめし800円、安いじゃないか。
奮発して五目そば1000円を頼む、これだけ待ったんだもの。
頼んだはいいが、眼の前で、ばあッと焔をあげたりして忙し気につくっているのがみえるのに、料理はなかなか出来上がらない。
常連の雰囲気をまとう男はビールを飲んでいる。
マネしたいけど歯医者だものね、餃子もうまそうだけど。
見るともなく見ていると、客の食べているものがうまそうだ。
やきめしの方がよかったか‥と思ったりする。
やっと丼がでてきたのは、そろそろ一時になるころだ。
待っただけのことはあった。
ウエーブのかかった麺の腰がほどよくあって、のど越しもいい。
豚肉をきちんと焦げ目をつけて炒めてある。
汁も品がある。
見た目より野菜がたくさん入っている。
ゆっくり食べて、余は満足であったぞよ。
外に出ると、まだ行列ができていた。
木田元が長谷川宏の訳した、ヘーゲル「精神現象学』を推奨していたので、図書館で検索したら、そのものはなかった代りに予約した「格闘する理性」が届いた。
学園闘争の直後に開設された市民・学生のための私塾で、長谷川がヘーゲル「精神現象学」の原書購読の講師を受け持って、その後四年かけて、読み終えたという。
中学教師、自営業者、労務者、会社員、大学院生など雑多な参加者は、二週間に一度の読書会とそのための数時間ないし十数時間の予習をして集まり、毎回五、六ページ、重箱の隅をほじくるように語句を穿鑿しながら、ヘーゲルの真意を探り続けた。
(新装開店だろうか、料理の写真をバズーカのようなカメラで撮っていた)
(トマトが安いと思ったけれど、よけいな買物は自制した)
それで、次の論文「反近代はいかにして可能か―ニーチェをよむ」に移行する。
冒頭で小林秀雄の「ニイチェ雑感」という、「ニーチェへの傾倒ぶりを独特の反語的な文体でつづった」小品をコテンパンにやっつけているのが面白くて、こんどは二十ページほど読めた。
うまいラーメンを食って喜んでいるのと、あまり変わらないレベルの喜びなのだ。
まあ、それでも、もう少し読みつづけてみよう。
前から狙っていて、前回は時間内に行ったのにもうしまっていた中華の店だ。
12時10分頃に着くと、案の定4人ならんでいる。
とりあえず後ろにつくと、すぐに感じのいい奥さんが出てきて、お待たせしました、お二人の方どうぞ、と中に呼び入れる、行列のできる店にありがちな「食わせてやる」感はまったくない。
この分ならそんなに待つこともないだろうと、覚悟を決める。
ところが、そのあと、何人か食べ終わった人が出てくるのに、お呼びがない。
常連らしきオッサンが二人出て来たのを、厨房から大将らしき男が呼び止めて「久しぶりだったじゃない」とか「今ランチしかやってないんだ」などと話している。
オッサン二人は自転車に乗って帰っていく。
覚悟があるから、スマホを見ながら待つ。
けっきょく30分ほど待って入れる。
4人がけのカウンターと小さなテーブルが三つ、そのカウンターに4人揃って呼び入れられる。
どうやら、席があいたらどんどんいれることはしないようだ。
細長い厨房には男が二人、奥さんも料理を手伝っている。
料理の匂いが香ばしくて食欲をそそる。
ランチメニューというのが置いてある。
細かいけれど読める大きさで、麺類、お料理(単品)、ご飯類とわけて、そう50品目もあるだろうか。
ラーメン700円、お料理(単品)は餃子(5個)500円のほか肉野菜炒めなどすべて700円。ご飯類はやきめし800円、安いじゃないか。
奮発して五目そば1000円を頼む、これだけ待ったんだもの。
頼んだはいいが、眼の前で、ばあッと焔をあげたりして忙し気につくっているのがみえるのに、料理はなかなか出来上がらない。
常連の雰囲気をまとう男はビールを飲んでいる。
マネしたいけど歯医者だものね、餃子もうまそうだけど。
見るともなく見ていると、客の食べているものがうまそうだ。
やきめしの方がよかったか‥と思ったりする。
やっと丼がでてきたのは、そろそろ一時になるころだ。
待っただけのことはあった。
ウエーブのかかった麺の腰がほどよくあって、のど越しもいい。
豚肉をきちんと焦げ目をつけて炒めてある。
汁も品がある。
見た目より野菜がたくさん入っている。
ゆっくり食べて、余は満足であったぞよ。
外に出ると、まだ行列ができていた。
木田元が長谷川宏の訳した、ヘーゲル「精神現象学』を推奨していたので、図書館で検索したら、そのものはなかった代りに予約した「格闘する理性」が届いた。
学園闘争の直後に開設された市民・学生のための私塾で、長谷川がヘーゲル「精神現象学」の原書購読の講師を受け持って、その後四年かけて、読み終えたという。
中学教師、自営業者、労務者、会社員、大学院生など雑多な参加者は、二週間に一度の読書会とそのための数時間ないし十数時間の予習をして集まり、毎回五、六ページ、重箱の隅をほじくるように語句を穿鑿しながら、ヘーゲルの真意を探り続けた。
その結実であろう「格闘する理性―ヘーゲル『精神現象学』をよむ」が、冒頭に載っているのだが、「はじめに」とその先を少し読んだだけでギブアップしてしまった。
難解ホークスだった。
難解ホークスだった。
それで、次の論文「反近代はいかにして可能か―ニーチェをよむ」に移行する。
冒頭で小林秀雄の「ニイチェ雑感」という、「ニーチェへの傾倒ぶりを独特の反語的な文体でつづった」小品をコテンパンにやっつけているのが面白くて、こんどは二十ページほど読めた。
ニーチェは小林秀雄のいうような明察の人ではない。おのれにたいしても世界にたいしても、好悪いずれの場合にも、つねに過剰に反応し、そこに生ずる剰余の感情を糧として現在の自分を持続していくような思想家なのだ。(略)「ツアラトゥストラはこういった」を失敗作とこきおろすのも面白く読めたけれど、肝心の「ツアラトゥストラ」を読んでいないのだから、その面白さは高名な評論家や作品が批判されるという、ただそれだけの点で面白いにすぎないのだ。
自己をもてあまし、世界をもてあますニーチェは、表現者としては、もてあましの感覚をたえず維持し強化していかねばならなかった。
偽悪者ニーチェの印象はそこからくる。反応の過剰を論理によって秩序づけるのではなく、さらなる過剰へと押し出していくために、ニーチェはあえてみずから悪意の人たることを選びとったのだ。(略)
悪意をもって過去の自分にはげしくぶつかることで、ニーチェは現在の思想をもちこたえようとしたのだった。
こういう思想家に(僕註、小林秀雄がいうように)善意をもってたちむかうことは、わたしには一種のセンチメンタリズムにすぎないようにおもわれる。
うまいラーメンを食って喜んでいるのと、あまり変わらないレベルの喜びなのだ。
まあ、それでも、もう少し読みつづけてみよう。
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hanamomo60 at 2023-10-27 12:29
こんにちは。
美味しそうな五目ソバです!
小さな伊達巻までのっているんですね。
家でこれだけの食材を用意するのは大変だし、麺類はやっぱり外で食べたいものです。
あんがかかった焼きそば 久しく食べておりません。
美味しいお店も閉店してしまい、これからリサーチすればいいのだけど・・・・。
並んでまでは行ったお店が美味しかったって嬉しいですよね。
美味しそうな五目ソバです!
小さな伊達巻までのっているんですね。
家でこれだけの食材を用意するのは大変だし、麺類はやっぱり外で食べたいものです。
あんがかかった焼きそば 久しく食べておりません。
美味しいお店も閉店してしまい、これからリサーチすればいいのだけど・・・・。
並んでまでは行ったお店が美味しかったって嬉しいですよね。
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takoomesan at 2023-10-27 12:40
サワディ〜カ〜
最近、平家物語と格闘しとります。
最近、平家物語と格闘しとります。
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tsunojirushi at 2023-10-27 13:27
わ、これは美味しそうです♡ 伊達巻ののった五目そばって、東京のソウルフードと思っていますが、近年は絶滅危惧種で寂しいです。
ここ、今度行ってみたいです。踏切のほんとにそばですね。(地図で確認しました)
ここ、今度行ってみたいです。踏切のほんとにそばですね。(地図で確認しました)
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20070707open at 2023-10-27 15:38
五目そば、美味しそうですね~
こういうの食べたい!
こういうの食べたい!
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saheizi-inokori at 2023-10-27 18:28
> hanamomo60さん、めつたに並ぶことはないのですが、きのうは楽しく待ちました。店の外でも内でも。
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saheizi-inokori at 2023-10-27 18:29
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saheizi-inokori at 2023-10-27 18:31
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saheizi-inokori at 2023-10-27 18:32
> 20070707openさん、そちらのご手製の麺もいつも美味そう、Мさんが羨ましいです。
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kogotokoubei at 2023-10-27 18:49
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jyon-non3 at 2023-10-27 20:23
見るからに美味しそうな五目蕎麦・・・待たれた甲斐がありましたね。(^^♪
私の思い出のお蕎麦は長野で頂いたお蕎麦です。
家族で行った初めての長野で頂いた信州のお蕎麦。。。今でも語り草になってます。
私の思い出のお蕎麦は長野で頂いたお蕎麦です。
家族で行った初めての長野で頂いた信州のお蕎麦。。。今でも語り草になってます。
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pallet-sorairo at 2023-10-27 22:53
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福
at 2023-10-28 06:28
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saheizi-inokori at 2023-10-28 10:18
> kogotokoubeiさん、タンメンの方が好きですが、たまにはこういうのを食いたくなります。
お子様ランチみたいで楽しいです。
夕方駒沢公園に行ったら、ラーメンフエスをしていました。
若い連中がきれいな十三の月を見るともなくラーメンをすすっていました。
お子様ランチみたいで楽しいです。
夕方駒沢公園に行ったら、ラーメンフエスをしていました。
若い連中がきれいな十三の月を見るともなくラーメンをすすっていました。
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saheizi-inokori at 2023-10-28 10:20
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saheizi-inokori at 2023-10-28 10:21
> pallet-sorairoさん、そういわれたら、買うんだったなあ。リュック背負ってたし。
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saheizi-inokori at 2023-10-28 10:22
> 福さん、お子様ランチそば編、楽しいですね。
by saheizi-inokori
| 2023-10-27 11:54
| 気になる店・ひと皿
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