どうでもよいことの効用
2023年 10月 13日
暑くなく寒くなく、いい気持ちでいくらでも眠っていられる、秋眠なんてあるのだろうか。
はんぶん目覚めていながら、夢のなかにもぐりこみ、夢のなかを探し続けて、夢のしっぽをおいかけているのが心地よい。
ああ、いい天気のようだ、起きて動かなくては、という気持ちとの引っ張り合い、、ふっと、そうだ、金木犀だ。
起きて窓を開ける。
きのうの午後は、ずっと香りを楽しみながら本を読んでいたのだ。
散歩に出るときに、写真に撮ろうと思っていた玄関わきの金木犀、いつものようにとんと忘れて歩き出して、帰ったときに思い出して撮った。
起きぬけの金木犀は、でも匂わなかった。
けさもエアコンの掃除をした。
きのう僕の部屋のをやってみて、やりだしたら簡単だったので、きょうはカミさんの部屋のを。
同じときに買ったものでも、汚れ方が違うのは、よく使ったからだ。
気になっていたことをやりおえるのは、心を軽くしてくれる。
軽くなった気持ちで、洗濯物を干して、ストレッチをした。
自律神経が落ちついていくような気がした。
「ムラブリ」(伊藤雄馬)、読了。
コミュニケーションには、内容を重視するコミュニケーションのほかに、コミュニケーションをおこなう人々の「関係性」という「メタメッセージ」を伝えるメッセージもある。
親しい人たちに一人称を「僕」といい、あらたまった会合では「私」というなどがその例だ。
メタメッセージを重視するコミュニケーション、「あいさつ」みたいな儀礼的コミュニケーション。
「この匂い、いい匂いだね」「いい匂い」「ね~」、新しい情報が付け加わるのではなく、同じことを云い合っている。
いつも、意味のある、内容のあることを伝え合うのがほんとうの人間関係だと考えていた。
伊藤の言う「錯覚」をしたくなかったのだ。
それが、とっつきにくい、気難しい人間という印象をいっそう強めたようにも思う。
小津安二郎の「秋日和」などの中味は忘れてしまったが、野田高梧と二人で書いたという脚本が表現する、登場人物たちの、どうでもよいようなことを、同義反復のように言い交わす、ゆったりした会話が、創り出す空間がとても魅力的だったことを思う。
おや、ブログを書き上げたとたん、半袖の腕をなでて金木犀の風が流れていった。
はんぶん目覚めていながら、夢のなかにもぐりこみ、夢のなかを探し続けて、夢のしっぽをおいかけているのが心地よい。
ああ、いい天気のようだ、起きて動かなくては、という気持ちとの引っ張り合い、、ふっと、そうだ、金木犀だ。
起きて窓を開ける。
きのうの午後は、ずっと香りを楽しみながら本を読んでいたのだ。
散歩に出るときに、写真に撮ろうと思っていた玄関わきの金木犀、いつものようにとんと忘れて歩き出して、帰ったときに思い出して撮った。
起きぬけの金木犀は、でも匂わなかった。
けさもエアコンの掃除をした。
きのう僕の部屋のをやってみて、やりだしたら簡単だったので、きょうはカミさんの部屋のを。
同じときに買ったものでも、汚れ方が違うのは、よく使ったからだ。
気になっていたことをやりおえるのは、心を軽くしてくれる。
軽くなった気持ちで、洗濯物を干して、ストレッチをした。
自律神経が落ちついていくような気がした。
「ムラブリ」(伊藤雄馬)、読了。
コミュニケーションには、内容を重視するコミュニケーションのほかに、コミュニケーションをおこなう人々の「関係性」という「メタメッセージ」を伝えるメッセージもある。
親しい人たちに一人称を「僕」といい、あらたまった会合では「私」というなどがその例だ。
メタメッセージを重視するコミュニケーション、「あいさつ」みたいな儀礼的コミュニケーション。
「この匂い、いい匂いだね」「いい匂い」「ね~」、新しい情報が付け加わるのではなく、同じことを云い合っている。
どうやらわれわれ人間は、どうでもいい情報を交換し合うことで仲間意識を育むらしい。その最たるものが「あいさつ」なのだ。どうも僕は、この「どうでもいい情報を交換し合うこと」が、あまり好きじゃなかったようだ。
人間は意味のないことをやりとりするときにこそ、仲がよくなる。仲がよくなったから、意味のないことをやりとりするのではない。意味のないことをやりとりすることで、そんなことを言い合えるくらい仲がいいんだ、と錯覚するのだ。
いつも、意味のある、内容のあることを伝え合うのがほんとうの人間関係だと考えていた。
伊藤の言う「錯覚」をしたくなかったのだ。
それが、とっつきにくい、気難しい人間という印象をいっそう強めたようにも思う。
小津安二郎の「秋日和」などの中味は忘れてしまったが、野田高梧と二人で書いたという脚本が表現する、登場人物たちの、どうでもよいようなことを、同義反復のように言い交わす、ゆったりした会話が、創り出す空間がとても魅力的だったことを思う。
おや、ブログを書き上げたとたん、半袖の腕をなでて金木犀の風が流れていった。
今朝、窓を開けた時、私も同じことを感じました。今年は少し遅い気がします。
金木犀の咲くころ、会社を辞めました。香りで、その頃を思い出します。
金木犀の咲くころ、会社を辞めました。香りで、その頃を思い出します。
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saheizi-inokori at 2023-10-13 12:22
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daikatoti at 2023-10-13 17:11
どうでもいい情報の交換、つまり雑談ですね。田原総一郎が雑談というのが僕苦手でね〜、と言ってたのを思い出しました。
私は猫と喋るのは得意なんですが、saheizi さんはサンチくんとの会話はありますか?
あ、うちも金木犀じわじわきましたけど、まだはっきりしませんね、変です。
私は猫と喋るのは得意なんですが、saheizi さんはサンチくんとの会話はありますか?
あ、うちも金木犀じわじわきましたけど、まだはっきりしませんね、変です。
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saheizi-inokori at 2023-10-13 18:07
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たま
at 2023-10-13 22:50
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私の散歩がてらの道筋一帯も今日あたりから一斉に金木犀(キンモクセイ)の怪しい芳香が漂うようになりました由。それにつけても、「日生のおばちゃん自転車で今日も笑顔をはこぶふるさとよ…」だったかのフレーズで始まる、某生命保険会社のCMソングはもう過去のものでしょうか。
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saheizi-inokori at 2023-10-14 11:15
> たまさん、調べてみたら、デユークエイセスですね。聴いているうちに思い出しました。
よく覚えていましたね。いい歌だ!
よく覚えていましたね。いい歌だ!
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rinrin1345 at 2023-10-14 15:29
我が家も咲き始めました♪あまり香らないですけど
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saheizi-inokori at 2023-10-14 18:19
> rinrin1345さん、ちょっと離れたときなど、とつぜん香ってきます。散歩は香り探訪になりました。
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tanatali3 at 2023-10-19 15:05
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saheizi-inokori at 2023-10-19 18:49
> tanatali3さん、心のなかで思っていれば分かるだろうと、、独善ですね、私も。
by saheizi-inokori
| 2023-10-13 11:12
| 今週の1冊、又は2・3冊
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