永平寺と蝗と西瓜

昨夜はしょっちゅう目がさめて、夢と現の間をさまよっていた。
なんだか歌とか俳句をやる人たちとワイワイガヤガヤやっていたら、突然「月明かり残りの西瓜食べにけり」という句が浮かんでバッチリ目がさめた。
なんでこんな句が浮かんだのか、作った本人もはっきりしない。
夕方スーパーで西瓜を切ったのを買っていくお爺さんがいて、ポリ袋を通して赤い身が透けたのが、頭のなかに残っていたのか。
そうだとすれば、もう美味い梨を堪能しているのに、意地のきたない夢だ。
本人としては、もう少し深い意味がありそうにも思うのだが。

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けさは、早起きして病院。
シャワーを浴びて、身体中に保湿剤を塗って朝飯を食べる、それすらカミさんの助けを得て、後は頼むよと出かけるのは、まことに楽チンカイテキだ。
カイテキ過ぎて、マスクを忘れ、スマホを忘れ、二度もマンションの玄関から戻って、ヨユウクシャクシャのはずのバスにギリセーフ。

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昨日のNHKクロ現は、ジャニーズ問題について、自己検証をしたのは一歩前進だった。
しかし当時の担当者たちの多くが、問題の重要性を理解していなかったと云うのは、僕のようなパンピー爺が云うなら、そういうことだったよな、あの頃は、で済むかも知れないが、卑しくとも第一線のジャーナリストのセリフとしては、チトおそ松君、そりゃ聞こえませぬ伝兵衛さんだ。

さらに、もしそのような、すっとぼけたウスノロ記者がいたら、それをチェックして叱り飛ばし、再教育するような内部システムが不在であることを、この際見直すべきだ。
そうすれば、政治経済社会あらゆる面での権力が関わる薄汚い犯罪や不祥事に対する忖度を減らし国際水準の報道が期待できるのではないか。
そこまで掘り下げて欲しかったよ、クロ現さん。

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祖母の歌から。

身を削り人に尽くせと書きてあり永平寺名物すりこ木羊羹
永平寺に行ったことはあるけれど、名物すりこ木羊羹というのは知らなかった。
調べてみたら、今もいろんなパッケージであるようだ。

祖母が手にしたときは、すりこ木らしいパッケージだったのか。
今の羊羹には、お坊さんのお説教みたいな文句はあるのだろうか。
こういう文句に、くすっと笑う祖母の顔が目に浮かぶ。
身を削り人に尽くして一生を終えたのは、祖母だけではないだろう。
日本のお母さんのほとんどが、そういう人生を送ったのだ。

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母の句。

電車の中蝗飛ばせて能登の旅
葛飾の一人暮らしから僕たち家族と暮らし始めた年の句だ。
登山靴の紐締め直す朝ぐもり
新たな暮らしに人生の張りを感じていたような句が見受けられる。
それから五年で逝ってしまった。
妻を亡くして、自分のこと子供と会社のことで精一杯だった僕のことだから、母にとってその五年が期待したような喜びに満ちたものではなかっただろう、と思う。

富山で育った母が能登に向かう電車のなかで、どんな思いで蝗の飛ぶのを見ていたのだろう、なぜ、そこに僕も一緒にいて、子供の頃の話などを聞いてあげなかったのだろう、とせん無いことを想うのだ。

小学生の頃、田圃を歩いて、弁当のおかずにする蝗をとったことも懐かしい。
蝗を見たのはいつが最後だろう。

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Commented by hanarenge2 at 2023-09-12 10:26
私も すりこぎ羊羹知りませんでした

食べたい!!!
Commented by saheizi-inokori at 2023-09-12 13:19
> hanarenge2さん、悟りに近づけるかも。
Commented by jyariko-2 at 2023-09-12 16:16
先日夫が プレバト(ご存知?)に出て俳句を作った夢を見たそうです
その俳句を聞かせてくれましたが私が忘れました
俳句など縁のない夫ですのに

お母様の能登の旅 お一人でですか
様々な思いを込めての車窓からの風景に浸っておられたことでしょう
お一人で十分満足されておられたのではないでしょうか
一人旅が好きな私だからそう思うのだったら
大変失礼な事ですが
Commented by saheizi-inokori at 2023-09-12 16:25
> jyariko-2さん、プレバト、見てますよ。
私となっちゃんの一致率は70%くらいかな。
彼女、ときどき癖玉がすきですね。
母はおそらく俳句の会の人たちと一緒だったかもしれません。
だからこの時は一緒には行けません。
亡くなる前に釜山に連れて行ったことや、九州の大分、由布院、京都などが、一緒の旅行です。
でももっと行きたかったと思います。
Commented by tanatali3 at 2023-09-12 18:56
書き遅れましたが、サンチ(様?)、頑張ってますね。こればっかりは言葉のかけようがありません。ウンチの件、偉いとしか言いようがありません。
Commented by at 2023-09-13 06:32 x
蝗の佃煮は子供のころから食べていました。
置いてある飲み屋があって、入るとよく頼みます。
思えば、食べ物は子供のころから食べつけていると平気になるようです。
クサヤも大好きなのはその所為です。

Commented by chikusai77 at 2023-09-13 07:16
覚せい剤に手を出すお坊さん(禅宗だったかな)
セクハラに精出す年寄僧(これも禅宗だったかな)
玄関にセクハラありと明記せよ(学習塾あるいは小中学校)
「葷酒山門に入る」
とかく世の中のエライ人は、言う事とやることがちゃうなあ
Commented by tona at 2023-09-13 09:42 x
マスコミ、新聞・テレビ・雑誌などジャーニーズに脅されて干されるのを恐れて言論に手が出なかったとありましたが、自分の利害、潰れるのを恐れてのことだったのかと。
これから先、こんなことは許されませんね。
>身を削り人に尽くして一生を終えた
今は身を持て余して、人に尽くされて最期を迎えるのですね。頭が垂れ下がります。
Commented by saheizi-inokori at 2023-09-13 10:00
> tanatali3さん、なぜてやると尻尾を振る、当たり前のことがとてもうれしく感じられます。
Commented by ikuohasegawa at 2023-09-13 10:02
じいちゃんちでの夏休み。
長い竹串を持って田んぼに行き串刺しを作り、醤油で焼いたイナゴの香ばしく美味しかったことを思い出しました。あれば60年以上前のこと。
Commented by saheizi-inokori at 2023-09-13 10:07
> 福さん、タイに行ったとき、駅頭で昆虫(ゲンゴロウや得体の知れないもの)を立ち売りしていたのを買って食ったら、ガイドが現地の人も気味悪がる人が多いのに、と驚いていました。
そう言われると、もう気が進まなくなりましたよ。
蜂の子はウジに見えるが苦手ですが、食べられます。
クサヤは大人になって覚えましたが大好物です。
Commented by saheizi-inokori at 2023-09-13 10:10
> chikusai77さん、カトリックの坊さんもね。
マイケルジャクソン、あれはどうなんだろう。
>言うこととやることがちゃう、凡人も同じ、だけで、振れ幅が小さいから目立たない、大きく振る力がないものね。
Commented by saheizi-inokori at 2023-09-13 10:17
> tonaさん、>これから先、こんなことは許されない
そう思いたいけれど、残念ながら、まだまだ続くのではないでしょうか。
とくに政治家に対する忖度、こんどの人事でも不祥事を知られながら、大手メデイアが問題にしなかった、小渕、高木、、何人か用いられるようです。
>今身を持て余して、、そうですね、さっさと逝きたいなあ。
Commented by saheizi-inokori at 2023-09-13 13:35
> ikuohasegawaさん、ああいうのを食って暗くなるまで外で遊んでいたのだから、カルシウムタップリ、丈夫な身体になりました。
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by saheizi-inokori | 2023-09-12 08:43 | ジャーナリスト | Trackback | Comments(14)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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