江戸っ子の負け惜しみ

志ん輔の一家はつぎつぎにコロナにかかっているし、ブログの友達にもそういう人が見られる。
ヤクルトの村上もそうらしくてしばらく欠場、せっかく調子が上がってきたのに、残念だろう。
新しいコロナの怖さが解らないが、勝ち残ってきたのだから、それなりの強さをもっているのだろう。
いちどマスクを外してみると、その楽さに慣れてしまって、なかなか、この暑さのなかでもう一度マスク生活に戻るのが難しいなあ。

村上といえば、プロ野球の選手は入れ替わり立ち代わり、コロナになるばかりでなく下半身故障などで登録を抹消される。
とくにヤクルトは、ずっと出てこない奥川に始り、塩見、山田、サンタナ、オスナ、山野、、ネットをみると「ヤ戦病院」という言葉がずいぶん昔からあるほど故障者が多いようだ。
ヤクルト1000を飲んでもダメなのか。
僕は大谷が痛々しく見える。
記録も大事だろうが、ぎりぎり限界まで酷使しつづけた身体を壊したら、若い時より直しにくいだろう、少し休んだらと余計なお世話をいいたくなる。

けさも汗だくで大掃除のあとシャワーを浴びて、うまい朝飯を食ったあと、ライ・クーダーの曲をパソコンで見つけた。



ゆうべ、スマホをシャットダウンしようとしていて、変なところを触ったらしく、「このデバイスはロックされました」、起動できなくなってしまった。
こうなると電話も受けられず、写真も撮れず、知らない言葉や漢字を調べるのもできない。
新しいスマホを買っていらい6か月以上、続けていた5千歩以上歩く記録も振り出しに戻る。
不便なようでも、身軽になったような気もする。
身軽になったようでも、やはり不便だから夕方Yモバイルショップに行ってこよう。
データの全消去になったら、面倒だなあ。

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「天皇の世紀」、江戸に帰って朝廷(官軍)に恭順の意を示す慶喜だが、周囲には断固戦うべしと息巻く連中が大部分だ。
とはいえ、彼らには確たる戦略もないし、まとまりもない、他になすすべがないから吠えているのも多いのだ。
徳川家と慶喜を救おうという動きもある。
廃仏毀釈を唱えた水戸烈公の子供のために動くのは嫌だという東叡山(輪王寺宮)の坊主たちに働きかけたなかに山岡鉄太郎(鉄舟)もいた。
山岡は勝麟太郎に会いに行く。
自分を殺しに来たかとすら思った勝は、山岡にあって、その気迫に打たれ、西郷への書簡を預けて、彼が駿府にいる西郷に会って、有栖川総督に江戸侵攻をやめ、徳川に寛大処分を行うことを請願に行かせる。
山岡もまた、その気迫と正論をもって西郷の気持ちを動かす。
西郷としても振り上げた拳をおろす場ができたのだ。

慶喜に疎んぜられていたが、今となっては余人がいないために陸軍総裁となっていた勝は、官軍と戦う気持ちは毛頭ない。
江戸を火の海から救い、諸外国に隙を見せず、徳川家の存続も図る、その一念だ。
西郷に手紙で、幕府にある軍艦を動員すれば、官軍の動きを抑えることができる、官軍は箱根を越えないでくれと官軍の弱点を突いてみせる。
それを読んで、無邪気な西郷は立腹する、弱いところをつかれたからだ。
怒らせた勝の方は、もともと戦争はしない肚である。どの程度の条件を認めて徳川の家を残すかであるが、それも勝は、どこまでもそうせねばならぬと考えているのではなかった。天下の幕府は、自分から崩れて破滅に一歩一歩近づいて来たもので、官軍が出て来たせいで、立って行けなくなったものでは決してない。その前から立って行けなくなっていたのだ。勝はそれを承知して諦めをつけていた。その無力を自覚することから勝ち誇って江戸に迫って来る官軍に、ひとこと、こういう手もまだあるのだよと言ってやりたくなった。事実は厳然としている。江戸人の負け惜しみの悪態に類したものだが、正直な性質の西郷は、これをまともに受けて、官軍にとっては大変のことなので、心から腹を立てたのである。
勝は西郷に言ったようなことは、決して味方には言わない。
孤立して命を狙われているのだ。
そうなることをなくすために、官軍が江戸に入る前日に西郷との談判に臨んだ勝は、江戸市中に火を放つ焦土作戦をおこなうための手筈を整える。
そうすることで、西郷との談判に臨む気魄が違ってくるからだ。

江戸無血開城にいたる、勝、西郷、山岡のやり取りは講談を読むように面白い。
Commented by stefanlily at 2023-08-19 15:11
村上選手は試合前練習にいなかったということでしたが。コロナとは。
ヤ戦病院、昨年の栗原の怪我の時はヤクルトファンでとても怪我に詳しい方が鷹速にコメントを。
「ちなヤクという名の名医」呼びされてます。怪我の状態、治療法、復帰の見立てなど、説得力あり過ぎて絶望しました…
今プレー出来てるのは奇跡。
スマホ、治りましたか?災難でしたね。
松本清張「西郷札」の印象があるので、西郷側を英雄視するのには懐疑的なんです。後に髪切れ同然になる藩札を買わされた人々が気の毒で。「或る小倉日記」もそうだけど、頭脳明晰だが裕福ではなく身体も不自由な主人公とその母…デビュー2作品で日が当たらない人々を書いた清張は凄い
Commented by saheizi-inokori at 2023-08-19 17:53
> stefanlilyさん、スマホ直りました。視覚障害者むけの補助なんやらを知らない間にセットしてしまったようです。
清張はえらいですね。執念を感じます。
西郷命みたいな先輩(尊敬してます)がいますが、私は彼について通り一遍の知識しかありません。
Commented by rinrin1345 at 2023-08-19 19:40
最近田舎でもお盆の帰省客のせいか、コロナが大流行り。私の周りでも何人か罹ってます。でも暑くてマスクするなら外出しない方がいい感じです。ワクチンしたおかげで軽かったという人は沢山居ますが罹りたくないです。
Commented by hanamomo60 at 2023-08-19 20:59
おばんです。
志ん輔さんのお宅全員コロナでしたね。
認知症にコロナ、彼も本当に頑張っていますね。

息子さんもいらっしゃるの知りませんでした。

今日は東北勢の甲子園を応援しておりました。
花巻東の佐々木君は将来有望ですね。
でももうちょっとスリムになってほしい。
Commented by kogotokoubei at 2023-08-20 09:53
大佛は、勝と西郷の池上本門寺での会談について何か書いているのでしょうか。
いまだに、13日、14日の会談場所や池上会談については、謎が残っています。
Commented by saheizi-inokori at 2023-08-20 10:21
> rinrin1345さん、マスクもしてしまえば、いつの間にかしていることを忘れてそのまま水を飲みそうになる程ですが、外すとその快感が大きいな。
やはりかなり流行っているようですね。
Commented by saheizi-inokori at 2023-08-20 10:23
> hanamomo60さん、家庭が大変なのに、落語の稽古や研究を欠かさないのがえらいです。
佐々木君はちょっとみオッサンですが、笑ったり泣いたりすると童顔が可愛いですね。
きのうはよほど悔しかったでしょう。
Commented by saheizi-inokori at 2023-08-20 10:26
> kogotokoubeiさん、その前からの手紙の事などもふくめてかなり詳しく筆を費やしています。
本書の山場のひとつかもしれません。
是非お読みください。
Commented by saheizi-inokori at 2023-08-20 10:37
> kogotokoubeiさん、追って、会談は薩摩藩邸で三回にわたって開かれたようです。
大佛次郎曰く、この会談で勝ったのは勝であり西郷は敗けた。
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by saheizi-inokori | 2023-08-19 12:55 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(9)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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