敗戦の日に

けさもアタフタと仕度をして、まず循環器内科の月例検診に。
受付番号は16番、誰もいない一角の片隅に座る。

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持参した新聞の「平和の俳句」特集を読む。
一面に載ったのは、
「機銃掃射逃れ九十路の終戦忌」
川崎に住む90歳の藤原日出さんの句だ。

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12歳の藤原さんが防空壕から出ようとしたときの体験だという。
目の前で何人もの人が倒れた。
近くの目黒不動尊の延命地蔵にも機銃掃射の跡が残っている。

12歳の自分に重ねて、その恐ろしかっただろうことを、想像する。
機銃掃射、防空壕という言葉の意味から教えなくてはならない幼き人たちのことも考える。
逃げまどう人たちに向かって機銃掃射をした若い米兵の気持ち、その後の人生も想う。

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これだから早く来るのだ、予約時間より早く呼んでくれる。
さいきん少し血圧が上がりつつあるようでと血圧手帖を見て貰う。

135以下、まあこのくらいまでは、、かつては150で良いとされていた、JRの頃はね。

JR病院にいらした頃にペースメーカー移植をしていただいて、そのまま先生の転勤にくっついて今の病院に通っている。
右心房ブロックで倒れたときに近所のかかりつけ先生に尋ねたら、JR病院を薦められたのだった。

JRじゃなくて国鉄病院でしよ、と軽口をたたくとニヤッと笑って、そうそう国鉄でした。
んなワケない、まだ中年の先生。

先生はお盆休みはないのですか?
国鉄と同じでお盆休みはありません。
毎年日帰りで北見に出張診療に行くのです、百人からの患者が待っているから大変です。
(JR東日本の会長をしていた)松田昌士さんが北見の出身ということで、ああ、このあたりで松田さんが育つたんだ、と想ったりしてます。

僕がJRを辞めると告げたとき、一瞬真面目な顔をして、それは後悔することになりませんか、と心配してくれた先生だ。
けさはなんだか話したい気分らしく、立ち上がってお礼をいうのに、いろんな話をしかけてこられた。
次の患者が待っていなければ、座り直して四方山話をしたいところだ。

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待つ間もなく、こんどは呼吸器内科で、ここはふた月にいちどのCOPDのチェック。
循環器内科の先生が推薦してくれた先生だ、いつもテキパキと問診に聴音器で検診。
変わりなしで薬を処方してくれた。

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30年前のこの日に亡妻がホスピスであっけなく逝ってしまったのに、僕はこんなにまで生きてしまって、ホラご覧、病院病院の日々だけど、こうしてブログなんか続けていられるし、お陰様で子供たち孫たちはみんな元気だ。

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昨日はカミさんの慰労で近所の店で晩飯。
キャパオーバーの入りで注文した料理の出方がチグハグだったり、お目当ての地鶏の炭火焼きがあまりに遅いのでキャンセルしたり、トウモロコシのかき揚げの揚げ方がまずかったりしたけれど、久々に二人で外食出来たことを感謝しよう。

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感謝しつつ、今日はこれからもう一軒、歯科にも行くのだ。
午後2時予約、ぼかっと空いた時間、うろうろするのをやめて、病院の患者さま休憩室(ずっと以前は食堂だった)に入りこみコンビニで買ったモカを啜りながらこの記事を書き上げた。
がらんとした部屋の壁に音のしないテレビがかかって台風の状況を知らせている。

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Commented by たま at 2023-08-15 16:12 x
 甲子園の高校野球を観戦していない限り、正午にサイレンが鳴って一堂起立のうえ1分間の黙祷をささげた記憶がすっかり過去のものになってしまいました。
「終戦記念日」がいつの間にか「終戦の日」になったようで…。
 from「戦争を知らない子供たち」(byジローズ)
Commented by saheizi-inokori at 2023-08-15 16:31
>たまさん、そうですね。敗戦記念日は甲子園野球とイメージが重なりますね。
Commented by touseigama696 at 2023-08-16 00:08
何故だか空襲警報のサイレン(?)の音とか
空襲の飛行音だとか防空壕の入り口からの
低い景色とか微かな記憶が残っているのですが
終戦時3歳の私そんな記憶があったろかと
今でも不思議です
灯火管制の黑暗幕で遮蔽された部屋の暗さ
そんなのも思い出されるのです
あんな景色はゴメンですね

約束より早や目に出向くと
早めに声の掛かる外来
ほんとにそうですね
私も30分早く行きます(笑)
Commented by saheizi-inokori at 2023-08-16 10:55
> touseigama696さん、私は壁土を食べた記憶があると母に云って、まさかそこまではなかったよと言われたことがあります。
病院で時間を潰すのも、診察の終わった後の方がずっと気楽です。
Commented by dokkkoi at 2023-08-16 15:20
お暑うございます。

JR病院→国鉄病院→鉄道病院

わが家ではいまだに鉄道病院と言っています。
新宿の鉄道病院で夏休みに扁桃腺の手術をしたのが思い出となっています。
おばは「省線」と言っておりました。「省線」に乗って「かつどう」を見に行く。
ひと昔も二昔も前の世代の人間でしょうかね。
Commented by saheizi-inokori at 2023-08-17 09:49
> dokkkoiさん、国鉄病院というのはなかったですね^^。
さいきん妙に国鉄という言葉が懐かしくてしょうがないのです。
長女が生まれたのは新宿の鉄道病院でした。
私の先輩は鉄男、道子、省子の三人兄妹、父親が鉄道省のエライサンでした。
道子さん、省子さんは、それぞれ国鉄改革三人組の嫁になりました。
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by saheizi-inokori | 2023-08-15 10:43 | 外食 | Trackback | Comments(6)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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