時代思潮と戦う
2023年 07月 29日
大掃除を終えて、テレビを流しながらストレッチ&筋トレ、急に目玉焼きを食べたくなった。
半熟をトーストに乗っけてかぶりつく、たらっと黄味が落ちるのは野菜スープで受ける。
食べたいと思って食うものは格別うまいもんだ、しかも目玉焼きは永遠のご馳走だ。
テレビに出ている若い女性、「めっちゃ」「めちゃくちゃ」を一度も使わずに、街歩きをしてきちんと食レポをする。
たったそれだけで知性を感じさせる、「かわいい」と「すごい」の多用には目をつぶろう。
宮城谷晶光「三国志 第四巻」を読み始める。
曹操は黄巾の乱を鎮める。
百万の大軍を、情報を集めて少しづつ不意を突いては破り、降伏したものを長時間かけて説得して味方につけ、それを受け入れない者は釈放する。
黄巾軍に戻って、曹操の話を広めることを期待するのだ。
無駄なことをすると思ってみていた曹仁は「曹君は人が好きなのだ」とわかった。
劉備が軽蔑されたり冷遇されると、張飛は憤慨するが、劉備は怒りもしないし、悲しむこともない。
関羽は張飛に劉備には「大志がある」からだ、大志さえあれば、人はいかなる屈辱にも耐えられるという。
宮城谷は、劉備はこの時代の人には珍しく礼教に背を向けて老荘思想に関心があったのではないかという。
ものごとの正否を截然と示さない。
孔子が是としたことを墨子が非とするのであるから、論争に勝ったところで意味がないというのが荘子だ。
それを戦争に置き換えてみると、こちらの正義の戦は、あちらからみたら邪悪な戦いであり、その勝敗は正邪をわけることにならない。
そのことに気付いていた劉備が望んだ勝ちとは、絶対的な勝ちであり、対立する者のない勝ちでなければならない。
劉備がほんとうに戦っている相手とは、人ではなく、時代を覆っている思想、あるいは風潮であるのかもしれない、と。
似たような名前の役人や豪傑や悪党が入り乱れて、相関図でも作らないとなかなか全貌を把握しがたい。
しかし、場面の進行を追いかけて、いろんなエピソードを楽しんだり、合戦の行方にわくわくしたり、気が向くと難しい漢語の意味を調べたりして、気ままに熱暑の昼下がりを過ごしている。
半熟をトーストに乗っけてかぶりつく、たらっと黄味が落ちるのは野菜スープで受ける。
食べたいと思って食うものは格別うまいもんだ、しかも目玉焼きは永遠のご馳走だ。
テレビに出ている若い女性、「めっちゃ」「めちゃくちゃ」を一度も使わずに、街歩きをしてきちんと食レポをする。
たったそれだけで知性を感じさせる、「かわいい」と「すごい」の多用には目をつぶろう。
宮城谷晶光「三国志 第四巻」を読み始める。
曹操は黄巾の乱を鎮める。
百万の大軍を、情報を集めて少しづつ不意を突いては破り、降伏したものを長時間かけて説得して味方につけ、それを受け入れない者は釈放する。
黄巾軍に戻って、曹操の話を広めることを期待するのだ。
無駄なことをすると思ってみていた曹仁は「曹君は人が好きなのだ」とわかった。
劉備が軽蔑されたり冷遇されると、張飛は憤慨するが、劉備は怒りもしないし、悲しむこともない。
関羽は張飛に劉備には「大志がある」からだ、大志さえあれば、人はいかなる屈辱にも耐えられるという。
宮城谷は、劉備はこの時代の人には珍しく礼教に背を向けて老荘思想に関心があったのではないかという。
ものごとの正否を截然と示さない。
孔子が是としたことを墨子が非とするのであるから、論争に勝ったところで意味がないというのが荘子だ。
それを戦争に置き換えてみると、こちらの正義の戦は、あちらからみたら邪悪な戦いであり、その勝敗は正邪をわけることにならない。
そのことに気付いていた劉備が望んだ勝ちとは、絶対的な勝ちであり、対立する者のない勝ちでなければならない。
劉備がほんとうに戦っている相手とは、人ではなく、時代を覆っている思想、あるいは風潮であるのかもしれない、と。
似たような名前の役人や豪傑や悪党が入り乱れて、相関図でも作らないとなかなか全貌を把握しがたい。
しかし、場面の進行を追いかけて、いろんなエピソードを楽しんだり、合戦の行方にわくわくしたり、気が向くと難しい漢語の意味を調べたりして、気ままに熱暑の昼下がりを過ごしている。
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rinrin1345 at 2023-07-29 18:23
目玉焼き、半熟がお好きなんですね。ダーリンも焼きすぎると食べません。私はきっちり焼いた方が好きです
1
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saheizi-inokori at 2023-07-29 18:54
> rinrin1345さん、私は堅焼でも食べないことはありませんが、やはりトロ~リが好きだなあ。
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chikusai77 at 2023-07-29 21:45
saheizi-inokoriさま
初めてコメントします。私は卵も好きですが、文春文庫の『三国志』も大好きなんです。いろんな方の『三国志』邦訳を読みましたが、宮城谷晶光氏の訳が押しですね。そして卵は、大原「里の駅」で買った平飼いの卵!
これ味濃いし今まで食べた卵は何だったんだろう、って思いました。でも価格がネック。あっ、『水滸伝』もいいですよね。竹斎でした。
初めてコメントします。私は卵も好きですが、文春文庫の『三国志』も大好きなんです。いろんな方の『三国志』邦訳を読みましたが、宮城谷晶光氏の訳が押しですね。そして卵は、大原「里の駅」で買った平飼いの卵!
これ味濃いし今まで食べた卵は何だったんだろう、って思いました。でも価格がネック。あっ、『水滸伝』もいいですよね。竹斎でした。
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Solar18 at 2023-07-30 00:27
あー美味しそう!
とろーりが好きですが、 適切な柔らかさ、難しいです。
とろーりが好きですが、 適切な柔らかさ、難しいです。
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saheizi-inokori at 2023-07-30 10:16
> chikusai77さん、いらっしゃいませ。
宮城谷は、ちょっと読みにくい文章ですが、それがまた漢文を読むような感じで悪くないですね。
目玉焼きはめったに食べないので、とてもうまく感じられます。
なんでも飢餓状態にしておいた方がいいのかもしれません。
恐山にはとうとう行かず終いになります。
あの世に行ってから行ってみようかな。
宮城谷は、ちょっと読みにくい文章ですが、それがまた漢文を読むような感じで悪くないですね。
目玉焼きはめったに食べないので、とてもうまく感じられます。
なんでも飢餓状態にしておいた方がいいのかもしれません。
恐山にはとうとう行かず終いになります。
あの世に行ってから行ってみようかな。
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saheizi-inokori at 2023-07-30 10:17
> Solar18さん、これはうまくいきました、カミさん作ですが。
by saheizi-inokori
| 2023-07-29 12:18
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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Comments(6)