お寺巡り
2023年 07月 26日
50年以上も前に一緒に仕事をした人から、ずしりと重い郵便が届いた。
開けてびっくり、彼が70代から80代はじめにかけて、訪ね歩いた千葉の名刹古刹四百寺を、それぞれ400頁の本、傘寿の時と米寿のときに一冊づつまとめたものだった。
見事な毛筆の挨拶状を拝見して、彼の人生がいかにも豊かなものであったことを知る。
さっそくお礼状を、と思ったら便箋がきれていた。
炎天下、近くのローソンに行ってみると、なんと便箋はおいてない。
そんなら、日体大のなかのローソンならどうかと大学のなかに、麦わら帽子にへんてこな短パンとサンダル姿で闖入、「おはようございます」と挨拶していったのは、あれはもしかすると学長ではないか。
ローソンにならんで三省堂書店があり、いつも変わらぬコクヨの便箋があった。
喜び勇んでレジに持っていくと、現金もしくは図書カードのみだと。
ローソンのつもりで、Dポイントですまそうと思ったから、現金不所持で飛び出した。
もいちど、ぎらぎら、熱いコンクリートの上のジジを木の上のセミが、あれはジジだジジだとうるさいったらない、今頃なにをこきゃがる、とっくの昔に爺だ、それが悪かったか。
家に帰って冷たい水をショモウ、カミさんにも軽蔑の目で見られて、また日体大に。
帰宅して、すぐに礼状を書く。
ボールペンの文字の汚さが、我が人生を象徴しているようだった。
(ザリガニ捕りの少年と話してみた)
夕方の散歩で、後ろから来て追い越して行った、お母さんと五つくらいの坊やと、その下の妹、「エジソンと言ったら電気」「電気と言ったらエネルギー」「エネルギーと言ったらビリビリ」「びりびりと言ったら紙」とほんとはお互いにリレーでリズムをつけて歌うように続けるのだろうが、なぜかお兄ちゃん一人でやっている。
さっき、後ろで女の子が「お菓子と言ったら美味しい」「おいしいと言ったらカレー」「カレーと言ったら楽しみ」「楽しみと言ったらパレード」のようなのが聞こえて、お母さんが笑いながら「食べもののことばっかりね」と言ったのが聞こえた。
いぜんよく行って休業になったまま、新しいビルが出来たので、もうやらないのかと思っていた銭湯が新規開店したというので、見に行ったら今日は休み、覗いてみたら入浴料金が520円になっていた。
さっそく区役所に入浴券の申し込みをしなくちゃ。
僕はお寺巡りでなく、銭湯歩きで八十八カ所巡り、スタンプ帳を完成させたこともあるのだ。
「万波を翔ける」続き。
太一が調役に昇進したときの、新婚間もない己巳子が近所に住む部下一人も招いたささやかな祝宴に用意したもの。
茄子の煮びたし、玉子のふわふわ、湯豆腐。
ひと皆その美貌を褒める己巳子は、太一が留守中に攘夷の乱暴者が来ても撃退するつもりで、長刀の稽古に余念がない、太一がみても驚くほど見事な腕前だ。
男の子が生まれると、もうその子のことで一日が明け暮れする。
近頃起き続ける家族の殺人事件、親殺し、子殺し、かと思えば家族が共同して人を殺す、どれもこれも、理解しがたい。
太一たち幕府の外国方が交易条件を少しでも有利にしようと必死になっている、その足を引っ張る薩長が憎らしくなってくる。
小説の力だ。
開けてびっくり、彼が70代から80代はじめにかけて、訪ね歩いた千葉の名刹古刹四百寺を、それぞれ400頁の本、傘寿の時と米寿のときに一冊づつまとめたものだった。
見事な毛筆の挨拶状を拝見して、彼の人生がいかにも豊かなものであったことを知る。
さっそくお礼状を、と思ったら便箋がきれていた。
炎天下、近くのローソンに行ってみると、なんと便箋はおいてない。
そんなら、日体大のなかのローソンならどうかと大学のなかに、麦わら帽子にへんてこな短パンとサンダル姿で闖入、「おはようございます」と挨拶していったのは、あれはもしかすると学長ではないか。
ローソンにならんで三省堂書店があり、いつも変わらぬコクヨの便箋があった。
喜び勇んでレジに持っていくと、現金もしくは図書カードのみだと。
ローソンのつもりで、Dポイントですまそうと思ったから、現金不所持で飛び出した。
もいちど、ぎらぎら、熱いコンクリートの上のジジを木の上のセミが、あれはジジだジジだとうるさいったらない、今頃なにをこきゃがる、とっくの昔に爺だ、それが悪かったか。
家に帰って冷たい水をショモウ、カミさんにも軽蔑の目で見られて、また日体大に。
帰宅して、すぐに礼状を書く。
ボールペンの文字の汚さが、我が人生を象徴しているようだった。
夕方の散歩で、後ろから来て追い越して行った、お母さんと五つくらいの坊やと、その下の妹、「エジソンと言ったら電気」「電気と言ったらエネルギー」「エネルギーと言ったらビリビリ」「びりびりと言ったら紙」とほんとはお互いにリレーでリズムをつけて歌うように続けるのだろうが、なぜかお兄ちゃん一人でやっている。
さっき、後ろで女の子が「お菓子と言ったら美味しい」「おいしいと言ったらカレー」「カレーと言ったら楽しみ」「楽しみと言ったらパレード」のようなのが聞こえて、お母さんが笑いながら「食べもののことばっかりね」と言ったのが聞こえた。
いぜんよく行って休業になったまま、新しいビルが出来たので、もうやらないのかと思っていた銭湯が新規開店したというので、見に行ったら今日は休み、覗いてみたら入浴料金が520円になっていた。
さっそく区役所に入浴券の申し込みをしなくちゃ。
僕はお寺巡りでなく、銭湯歩きで八十八カ所巡り、スタンプ帳を完成させたこともあるのだ。
「万波を翔ける」続き。
太一が調役に昇進したときの、新婚間もない己巳子が近所に住む部下一人も招いたささやかな祝宴に用意したもの。
茄子の煮びたし、玉子のふわふわ、湯豆腐。
ひと皆その美貌を褒める己巳子は、太一が留守中に攘夷の乱暴者が来ても撃退するつもりで、長刀の稽古に余念がない、太一がみても驚くほど見事な腕前だ。
男の子が生まれると、もうその子のことで一日が明け暮れする。
近頃起き続ける家族の殺人事件、親殺し、子殺し、かと思えば家族が共同して人を殺す、どれもこれも、理解しがたい。
太一たち幕府の外国方が交易条件を少しでも有利にしようと必死になっている、その足を引っ張る薩長が憎らしくなってくる。
小説の力だ。
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eblo at 2023-07-26 13:58
小説の力がなくても、私は薩長が憎らしい。
2
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saheizi-inokori at 2023-07-26 14:53
> ebloさん、まあね。
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jyon-non3 at 2023-07-26 16:57
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saheizi-inokori at 2023-07-26 18:23
> jyon-non3さん、九州の方は聞き捨てならないですか。
子供たちの言葉、もつとたくさん聞いて楽しかつたのですが、忘れてしまいました。お母さんに教わったのかなぁ。
子供たちの言葉、もつとたくさん聞いて楽しかつたのですが、忘れてしまいました。お母さんに教わったのかなぁ。
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20070707open at 2023-07-26 19:13
お母さんと子供たちの言葉遊びの内容を復唱出来るsaheiziさんの記憶力が凄い!
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hanakannzasi-716 at 2023-07-26 22:36
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vitaminminc at 2023-07-27 07:09
日体大のLAWSONに、麦わら帽子+短パン+サンダル姿のジェントルマン。こんな絵になる夏の一コマがありましょーか。麗しい。
ザリガニ捕りの少年は、何を餌にしていたのかな。会話を再現していただきたかった~!
先日の“不憫”問題。もしも私ごときが日経編集者(←若くて美人設定)であったなら─
「センセ。ワタシ、この息子の胸中を思うと“不憫”でなりません。“不遇”だった父親について語るシーン、父親がいかに無念の最期を遂げたのか、もう少し息子の気持ちに触れてみたいように思います……」
と、やんわりダメ出ししますです(笑)
ザリガニ捕りの少年は、何を餌にしていたのかな。会話を再現していただきたかった~!
先日の“不憫”問題。もしも私ごときが日経編集者(←若くて美人設定)であったなら─
「センセ。ワタシ、この息子の胸中を思うと“不憫”でなりません。“不遇”だった父親について語るシーン、父親がいかに無念の最期を遂げたのか、もう少し息子の気持ちに触れてみたいように思います……」
と、やんわりダメ出ししますです(笑)
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at 2023-07-27 07:58
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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saheizi-inokori at 2023-07-27 10:13
> 20070707openさん、もっといろいろ愉しいのがあったのに、覚えられないから、ご紹介も出来ないのが残念です。
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saheizi-inokori at 2023-07-27 10:15
> hanakannzasi-716さん、8円とか10円の時代が懐かしいです。
520円でも都の補助がないとやっていけないようです。
もっともこの栗の湯は資産家が経営しているので問題ないのでしょう。
520円でも都の補助がないとやっていけないようです。
もっともこの栗の湯は資産家が経営しているので問題ないのでしょう。
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saheizi-inokori at 2023-07-27 10:21
> vitaminmincさん、場所が日体大だけに学生たちもラフな服装でそれほど違和感はないと勝手に判断しました。
ザリガニ少年は、「お兄ちゃんは6匹飼ってるんだ」って、宿題かと尋ねる爺さんに呆れ顔で答えてくれました。
餌なしに釣ろうとしていたようです、細い枝の先に食いつかせようと。
それで釣られたらザリガニが不憫、お兄ちゃんから分けてもらえない坊やも不憫、夏は不憫に満ちている。
ザリガニ少年は、「お兄ちゃんは6匹飼ってるんだ」って、宿題かと尋ねる爺さんに呆れ顔で答えてくれました。
餌なしに釣ろうとしていたようです、細い枝の先に食いつかせようと。
それで釣られたらザリガニが不憫、お兄ちゃんから分けてもらえない坊やも不憫、夏は不憫に満ちている。
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saheizi-inokori at 2023-07-27 10:23
by saheizi-inokori
| 2023-07-26 12:25
| よしなしごと
|
Comments(12)