老人は、外でも内でも汗をかく

きのうは、顔に日焼け止めを塗りたくり、クビに保冷剤入りのタオルを巻き、おもちゃみたいな日傘をさして１２時半に家を出て、バスに乗って歯医者に向かった。

日盛り日照りである。

日曜日はホコ天で三茶からのバスが運休なので、どこかでタクシーに乗り換えようと思った。
三茶まで行ってしまうと戻らなければならない（ホコ天ゆえ）ので、一つ手前の中里で降りてみた。
なかなかつかまらない、スマホでチェックすると歩いて２０分、それなら歩いちゃえ。

すぐに木陰が多い緑道に入ったので、しめしめ、うまい道を選んだと思っていると、そこを抜けると、もろに日差しを受ける世田谷通りになる。
持っていった冷やしたペットボトルの水をごくごく飲みながら汗をかきかき、、スマホの案内が狼狽え始めて、僕も狼狽えて、何だ、あのバスは用賀行きだと？反対に向かっているじゃないか。
タクシーもつかまらない。
もういちど深呼吸をして、ようやく行き過ぎた曲がり角を発見する。
なんたるち～や！いつも三茶から歩く道に出る。

（八幡神社、ここなら三茶からものの６，７分なのに、中里から１０分以上歩いてしまった、坂道の３分は大きい）

こんなことなら三茶までバスに乗って歩いたほうがよかった。

「中里？」医師は診察室のおおきなパソコンの画面をだして、「ああ、このあたりはタクシーはきませんね。歩いたとは決死の覚悟でしたね」

もう毒皿で、帰りも三茶まで歩いて、きのうは９３６３歩、いやはやクレージーな老人だった。

気軽にタクシーを利用して欲しいと、近距離五百円というサービスはいまもあるのだろうか。
アプリで予約しなければタクシーが使えにくくなって、その近距離分くらいの予約料金がかかるのではないか。
調べてみたら、無料のアプリもあるようで、とりあえず火急の場合のために登録しておく。

けさはテレビで老人の医療費がかさんでいると、イヤなことをいう。
歳をとればあちこち痛かったり痒かったりするのはしょうがないだろうに。
過剰診療？誰がこの暑いなかを不要な診療にいくだろうか。

史上最高の税収入、その余剰金の１兆円以上が軍事費にまわされる。

バイデンに約束違反を謝って、俺たちの命を守って欲しいものだ。

おもしろくない気持ちでパソコンを開くと、楽天から「あなたのカードは不正に利用されているから、利用をストップしています。」というメールが昨日と今日と二通。
数日前にスマホにも「普段と違うアクセスがあったから、チェックして見ろ」とあって、これは面倒でもあるのでほっといたが、けさのメールはいかにも正規のもののようなので、そこに出ているのとは異なる、カードの裏の電話番号にかけてみた。
「２０秒ごとに１０円」だったか、「大変混みあっています」、、タクシーメーターがかちかち上がっていくような気分で待つこと久し、用件によって異なる数字を適当に押して、ようやくつながる。
やっと人間の声で、認定尋問の末、話しを聞いて「そちらのカードにはとくに異常は認められません」。
ほっとして、ふと、メールに書いてあった、問い合わせ電話番号をいうと「その電話はたしかに当社のものです。そちらに問い合わせてみてくれ」という。
やれやれ、かけてみると「福岡」で、またカチカチとメーターがあがる。
チャットなら時間がかからないというので、そっちに行くと、ログインしなきゃならない。

（歯医者のロビー、ユリの香と低く流れるクラシックにほっとする）

なぜか（僕に原因がある場合がほとんどだけど）楽天はそのたびに「入力が間違っている」とか何とかで、いろいろやった挙句に結局新しいパスワードを、汗をかきかき、設定する。

スマホからの英数字の入力のイライラ！
ようやく設定完了、それでアクセスすると、こんどは自宅の電話番号が違うって、そうさあ、俺は固定電話はやめたんだから。
そんなら設定完了なんていうなよ。

けっきょくまた福岡に電話、こんどは、ありがたや５分くらいで人間様がご出馬あらせられる。
ふたたび一通りのことを言って、結論はメールがフイッシング。
メールのなかに挿入されたアンダーラインした「ご利用確認」が釣針だった。

人間を捕まえたこの機会を逃してたまるか、と、おそらく以前登録した固定電話番号のせいでログインできないことを、訴えると、いろいろやり取りしたあげく、新たに設定し直すか、楽天を解約するしかないという。
簡単にそういうけれど、「あらたに設定し直す」ということが、どれほど老人には大変なのか、お分かりになっていないのだ。

老人は、外に出て汗をかき、さればとて家にいて汗をかく定めというわけか。

というわけで、今日はもういろいろ書く気になれないので、これにてまた明日。
おのおの方も熱中しすぎないように、ご注意あれ。