藪蚊

わけあって大掃除は明日に順延、靴下と下着類、風呂マットなどを洗濯した。
はじめ１０時ごろ降り出すの予報、それまで風にふかれろ、と気にしながら見守ると、１１時、それが１２時となって、ずっと曇りだ。

きのうはＮＨＫに教えられて、水をガブガブ飲んだら、夜中のトイレに二回起きてしまう。
さいきんはずっと５時頃まで起きないでいられたのに、、まあ、８時間以上は寝転がっていたのだからよしとしよう。

コーヒーやお茶のようにカフエインの含まれるものは、利尿作用があるから水分補給には適さない。
しかし、腎臓を守るための水分としては、とりあえず役に立つのではなかろうか。
家で飲むのはデカフエに麦茶だから、問題ないとは思う。
思うけれど、水道の水もがぶがぶ飲もう。

祖母の歌から。

吾が一生師の君多くおはししが心にのこる尾上先生

尾上柴舟のことだろうか。
離れて暮らしていたとはいえ、ほんとに祖母や伯母の人生のくさぐさを知らないできてしまったのが悔やまれる。

僕の知っている頃は「美知思波（みちしば）」という会に入ったと、嬉しそうに言っていた。
韮崎出身の伊藤 生更が創始した、斎藤茂吉のアララギ派の流れをくむ会とある。
「ミチシバ」（道芝）とは「チカラシバ」のことで、道端にあつてしっかりと根をはり容易に引き抜けない丈夫な草であることから、会の名称とした。

その信条のなかには「万葉を宗とする歌道に生くる者のみの集ひとせむ。」とある。
昭和期には山梨県最大の結社だった。

母の句。

慶喜公夫妻対墓や藪蚊出づ

慶喜の墓は、谷中墓地にある。
最後の将軍にしては、簡素ともいえる円墳だというが、僕はみていない。
おなじ墓所にある高橋お伝の墓はみたけれど。

母は蚊に刺されると後が腫れて大変だった。
今の僕がすぐに発疹が出るのはその遺伝かもしれない。

母も祖母も山梨石和の葡萄畑のなかの墓に眠っている。
あそこも蚊がいたなあ。

母の師は山田みづえである。