本さえあれば
2023年 06月 26日
けさは洗濯の日ではないのだが、明日崩れるというので、繰上げ興行、なんのかんのほとんど毎日興行中だ。
散歩の帰りに、大きな声で「渋谷行きバスは?」と尋ねる初老の男。
渋谷行きバスの停留所で訊くのだ。
あと15分できます、と教えてあげたら、ほんとに嬉しそうに、また大声で「ありがとうございます」といわれた。
二日続けてひとにものを訊かれた、これでもどこか頼りがいがありそうに見えるのか。
散歩の帰りに、大きな声で「渋谷行きバスは?」と尋ねる初老の男。
渋谷行きバスの停留所で訊くのだ。
あと15分できます、と教えてあげたら、ほんとに嬉しそうに、また大声で「ありがとうございます」といわれた。
二日続けてひとにものを訊かれた、これでもどこか頼りがいがありそうに見えるのか。
片足立ちを3分続けられるようになった。
これも進歩だ!
等々力駅の近くで新しい小さなカフェを見つけた。
一つはコインランドリーを併営している。
洗濯しながら香り高いコーヒーを飲むなんて贅沢なこったね。
72時間というテレビ番組を録画して酒の肴にしている。
きのうみたのは福島県浪江の小さな弁当屋の72時間。
除染に来ている人が多い。
大震災で家をなくしたり、人生が狂ってしまった人も多い。
震災さえ、放射能の被害さえなければ、今頃はゆっくりと子供や孫に囲まれて、うまい魚で福島の酒を楽しんでいただろうに、今はまったく一人になってしまった老人。
復興住宅に住んで、周りは知らない人ばかりで、引きこもりになって、憂鬱な日々を過ごす夫と暮らす妻が「わたしは買い物に来たりしてまぎれるんだけどね、男のひとはねえ」とこぼす。
原発再稼働どころか新しい原発も造る、軍備拡充のための増税にやっきになっている政府与党、野党もだ!はもうフクシマを忘れたのか。
「ラストチャイルド」で覚えている作家の2011年の作品。
孤児でストリートギャングをしていたのを、実の息子どうように育ててくれたギャングの大親分、世の中にその存在を知られない、凄腕の殺し屋として仕えていたが、心の底から愛する女性の妊娠を知らされ、組織を足ぬけすることを願う。
末期のガンで余命いくばくもない親分は、むしろ喜んでそれを支持するのだが、実の息子や殺し屋として育てた幹部たちは、それを許さない。
密告して当局の保護下に入るのではないか、という疑いもあるけれど、大親分が自分たちより彼を大事にしていることに対する嫉妬もありそうだ。
読み始めは、単純に追跡するギャングたちと、恋人を守る主人公のスリル満点の活劇ものかと思ったら、ギャングがなぜか、主人公の孤児時代に施設に一緒にいた虚弱な弟の存在を知っていて、彼をもターゲットにするというので、弟を救う兄弟愛の話になってくる。
富豪にして上院議員の妻が、施設にいた弟を養子にして、今や弟は世界的な童話作家になっている。
つぎつぎに現れる死体、おどろおどろしい人間たち、謎に次ぐ謎。
孤児が見る最もうれしい夢は、母親に会う夢、だがその親はどういう人間であるかはわからないのだ。
活劇もたっぷりあるけれど、児童虐待やら精神障害やら盛りだくさんの550頁。
「川は静かに流れ」「ラストチャイルド」に続いて三作連続の、アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞を期待した向きもあったようだが、それを逸したのは、やや冗長なことも禍したのではないか。
冗長であっても、本を読むことが好きだというのは、ほんとに有難いことだ。
何もすることがなくて、ひがな復興住宅の部屋にこもっている老人にも読書の楽しみを教えてあげたい。
きのうみたのは福島県浪江の小さな弁当屋の72時間。
除染に来ている人が多い。
大震災で家をなくしたり、人生が狂ってしまった人も多い。
震災さえ、放射能の被害さえなければ、今頃はゆっくりと子供や孫に囲まれて、うまい魚で福島の酒を楽しんでいただろうに、今はまったく一人になってしまった老人。
復興住宅に住んで、周りは知らない人ばかりで、引きこもりになって、憂鬱な日々を過ごす夫と暮らす妻が「わたしは買い物に来たりしてまぎれるんだけどね、男のひとはねえ」とこぼす。
原発再稼働どころか新しい原発も造る、軍備拡充のための増税にやっきになっている政府与党、野党もだ!はもうフクシマを忘れたのか。
「ラストチャイルド」で覚えている作家の2011年の作品。
孤児でストリートギャングをしていたのを、実の息子どうように育ててくれたギャングの大親分、世の中にその存在を知られない、凄腕の殺し屋として仕えていたが、心の底から愛する女性の妊娠を知らされ、組織を足ぬけすることを願う。
末期のガンで余命いくばくもない親分は、むしろ喜んでそれを支持するのだが、実の息子や殺し屋として育てた幹部たちは、それを許さない。
密告して当局の保護下に入るのではないか、という疑いもあるけれど、大親分が自分たちより彼を大事にしていることに対する嫉妬もありそうだ。
読み始めは、単純に追跡するギャングたちと、恋人を守る主人公のスリル満点の活劇ものかと思ったら、ギャングがなぜか、主人公の孤児時代に施設に一緒にいた虚弱な弟の存在を知っていて、彼をもターゲットにするというので、弟を救う兄弟愛の話になってくる。
富豪にして上院議員の妻が、施設にいた弟を養子にして、今や弟は世界的な童話作家になっている。
つぎつぎに現れる死体、おどろおどろしい人間たち、謎に次ぐ謎。
孤児が見る最もうれしい夢は、母親に会う夢、だがその親はどういう人間であるかはわからないのだ。
活劇もたっぷりあるけれど、児童虐待やら精神障害やら盛りだくさんの550頁。
「川は静かに流れ」「ラストチャイルド」に続いて三作連続の、アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞を期待した向きもあったようだが、それを逸したのは、やや冗長なことも禍したのではないか。
冗長であっても、本を読むことが好きだというのは、ほんとに有難いことだ。
何もすることがなくて、ひがな復興住宅の部屋にこもっている老人にも読書の楽しみを教えてあげたい。
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20070707open at 2023-06-26 13:37
片足立ち3分はすごいことですよ(驚)
夫は今それを訓練しているのですが、秒の単位です。
saheiziさんはやっぱり若い!
夫は今それを訓練しているのですが、秒の単位です。
saheiziさんはやっぱり若い!
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saheizi-inokori at 2023-06-26 14:03
> 20070707openさん、最初は三十秒がやっと、いまでも日によってすぐによろけることもあります。何よりも続けることだと思います。テレビを見ながらがんばりましょう。
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jyariko-2 at 2023-06-26 14:40
片足立ち3分は10000歩歩いたに匹敵するとか言います
1分ずつ3回でもいいそうですね
ひところ一生懸命続けていたのに今はすっかり忘れていました
何方がみても頼りがいのあるsaheiziさんなんです
1分ずつ3回でもいいそうですね
ひところ一生懸命続けていたのに今はすっかり忘れていました
何方がみても頼りがいのあるsaheiziさんなんです
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saheizi-inokori at 2023-06-26 16:22
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touseigama696 at 2023-06-27 08:05
二本足で立っても
3分の間よろめかずに立ってる
自信さえありません(トホホ)
コロナのせいで割り箸だった脚は
今や爪楊枝みたいな情けなさ
そのせいでしょうが妻用事の日々です
工房の中は日に日に深海の爆縮待ちみたいな
圧力に負けそうです(泣き)
3分の間よろめかずに立ってる
自信さえありません(トホホ)
コロナのせいで割り箸だった脚は
今や爪楊枝みたいな情けなさ
そのせいでしょうが妻用事の日々です
工房の中は日に日に深海の爆縮待ちみたいな
圧力に負けそうです(泣き)
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saheizi-inokori at 2023-06-27 09:42
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jyon-non3 at 2023-06-28 10:48
素晴らしい。3分も!私も今日からチャレンジしてみます。(^^♪
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saheizi-inokori at 2023-06-28 13:13
> jyon-non3さん、がんばりましょう!
by saheizi-inokori
| 2023-06-26 11:19
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
Comments(8)