30年前

雨なので洗濯しない、今日までは雨でもやっていたけれど、もうやめた。
晴れた日に二度やってもいい、きょうはしんどいのじゃ。

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きのうは歯医者、もっていった写真を拡大して、瞳と瞳の位置(年を取っても変わらないそうだ)を基準に口角や顎の位置などを紙に写して、こんどは僕に口を開けさせて、今の寸法を取って比較をして今の顎の下がり具合を測り、新しく作る義歯の設計をする。
ところが、持っていった写真が、1989年、46歳のときのものだったが、自分じゃずいぶん昔の写真だと思ったのに、「このときまでに義歯を入れることはなかったか」と尋ねられて自信がない。
34年前って、遠いようで、じつはそんなに昔ではなかった。
もっと昔、20代後半くらいの写真を探すことにした。

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1989年の写真とは、JR東日本企画の入社式の写真だった。
11人の女性と2人の男性が、僕のつくった筆記試験となんども繰り返した入念な面接試験を経て、僕の創った会社に入ってきた。
埼京線の武蔵浦和駅ビルや高架下の開発をしていたら、とつぜん呼ばれて、広告会社のことなど何にも知らないのに、数人のチーム(JR出向)とともに3か月で就業規則(賃金規定)を創り、組織を創り、オフイスを探して新会社を設立、その後既存の媒体会社や広告会社の吸収合併を行い、その都度オフイスの引っ越しもして、一年後に求人広告を出して、新人を採用した。
ようやく!という思いだった。

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前列に椅子にかけているのが、日経からきた社長以下6人の役員と両側に一人づつ女性社員、後列に11人の新人が立っている。
女性がほとんどなのは、とうじのJR東日本が子会社プロパーの人事運用について、男性社員を採用するとJR本体の社員(ほとんど男性)との関係をどうするのか、などの定見がなかったので、とりあえず女性のみ採用せよ、ということだった。
今にして思えば、女性差別といわれてもしょうがないね。

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小さくても質において「世界一」の広告会社を創ろうと張り切ってはいたが、彼らをどう教育したらいいか、試行錯誤といえば聞こえはいいけれど、五里霧中だった。
ただみんなが可愛くて、なんとかいい会社にしようと必死だった。

毎晩何十万円もの金を使って宴会をするだけ(と僕には見えた)社長と衝突して、本社に戻されたために、彼らの教育が中途半端になってしまったことが、なにより心残りで、本社から千葉に転勤してからも、ことあるごとに彼らと連絡をとつたり遊んだりして様子をうかがっていた。
いつのまにか、みんなと疎遠になってしまったが、ひさしぶりに昔の写真をみると、いろんなことが思い出されてならない。

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あの娘たちが、いまでは50代半ばを越えたのだ。
やはり34年は長くて遠くもある。

30年前の日本と今。
どうも彼らのその後は必ずしも楽しいことばかりではなかったのかもしれない。


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by saheizi-inokori | 2023-05-23 11:51 | よしなしごと | Comments(0)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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