東京も悪くない 「東京の情景」(池波正太郎)
2022年 11月 11日
拭いても落ちない汚れ、夕方の近所や落葉の公園の散歩では目立たなかったが、降り注ぐ光の中で都会のペーブメントを歩くと、汚れだけでなく履き心地の悪さまで感じて気分がめいる。
膝が痛み、どうも靴の塩梅がよくないせいもあるのではないかと思っていたのだ。
薦められたフランス製の靴が、ぴったりで見た目もよかったのだが、それに僕に合った中敷きを入れると5万円にもなって、ちょっと買いきれずに口惜しい顔をしていたら、じゃあ、今履いている靴に中敷きを作って入れようということになって、それが2万円近くするのには驚いたけれど、それだけのことはあって、歩き方がかなり改善された。
それからもう4年以上も経って、僕の手入れがよくないせいもあって、こんな姿になってしまったのだ。
まっすぐ帰るのが惜しいので、散歩のつもりだったが、本屋を冷やかしたり、いつもと違う道を歩いて笹崎ボクシングジムなどを見ているうちに、なんとなくあの靴屋を探す気持ちになっている。
そうするとこっちだと思ったところになくて、だんだん本気になって、最後はスマホに尋ねたりして思っていたところの反対側に見つけた。
歯医者で治療用の義歯を作る話のときに、あと何年生きるか分からないから、新しく作るのはもったいないかな、と言ったら、先生が、「だれだって、新しい義歯が出来上がった途端に自動車事故にあうかもしれない、それこそ、一生もったってことです」といったのを思い出した。
膝の手術をする気になれば、靴代くらい、えいやっ!だ。
でも中敷きは新調せずに今使っているのをこっちに転用する(ちょっとすり減っているけど、靴の中だから見えないし)。
シンデレラ気分で、足が自然に前にでる。
蕎麦屋に入る。
セットものなんて品がないと思っていたけれど、蕎麦だけでは物足らない、あれもこれもの気分だ。
孤独の五郎になって、メニューをとみこうみ、「かつ丼と蕎麦」それとも日替わりランチの「茄子とイカの天ぷら、蕎麦、シラスご飯、味噌汁、小鉢、漬物」、迷った挙句に、後者にする。
しかも、ご飯を少なくとも言わず、食欲の秋だ。
向かい側の男に「かつ丼と蕎麦」が運ばれてくる、見る、勝った、こっち大正解。
「すみませ~ん」、手をあげて蕎麦湯を所望、弦楽四重奏の終わりを優雅にしめる。
「おいしかったです」「よかった」とおばさん。
待乳山聖天の山裾に生まれ、兜町の株屋に勤めた池波の懐かしい情景、浅草、上野、佃島、谷中、兜町、、などのスケッチ30点に、その情景を語る短いエッセイ。
ユーモアとペーソスを感じる。
1923年生まれの池波が1985年の東京で、失われた東京の名残りを探し、その変わりようを嘆く。
永井荷風が嘆き、池波が嘆き、、僕が嘆き、、東京は生きもののように変わっていく。
でも、長野で育った僕は荷風や池波のように、心に沁みついた東京はない。
そういう田舎者たちがよってたかって東京を変えてきた、東京が田舎者たちを餌にして変わってきた。
一万歩は何年ぶりだろうか。
自民党に押しつぶされる前に、せいぜい新しい靴で歩こう。
消費税は15%に、道路利用税を新設…岸田政権が狙う「大増税」が国民を押しつぶす!(女性自身)#Yahooニュースhttps://t.co/L27NmxWhzU
— 過客 (@MasajiEbiike) November 10, 2022
無理はなさいますな…。(自分に言っております)
フォーマルな靴でしょうか、膝が悪いなら、その投資はありですね、しかしドイツ製とは・・・。
アメリカは田舎者の集まりですから、結婚式以外は、もっぱらスニーカー。
東京はそうはいかないかぁ・・・ちょっと考えさせられました。
それに加えてそのランチセット。参りました。(~ー~;)
ボチボチとね。
ドイツの靴、病で足が痛み変形してゆく私にも救いの神でした。ヤコフォーム、ビルケンシュトック、フィンコンフォート、みんなドイツですね。高いけど、他の靴では足を入れることも出来ないくらい酷いときもあったので。
良い靴が見つかって良かったですね。
森喜朗が背後にいる神宮外苑の再開発と言う名の破壊が、始まろうとしていますね。
私も、愛想がつきます。
おや、蕎麦の横に熱燗がない(^^)
焼き味噌かなんかで、一杯やりたいものですね。
今日も散歩に履いてみましたが、軽々と歩けてルンルンでした。
大衆的な蕎麦屋の昼飯時でしたから、酒は控えました。
江戸とは川の近く、入口のこと。水の匂いがしないと粋じゃないんでしょうな。
でも、人工的に整序された東京の裏通りにある、
老夫婦で営む町中華、居酒屋、古本屋のある限り東京はいいんです!
そちらからみたら日本の定食は安いのでしようね。留学中の孫はさぞや悲鳴をあげているでしょう。