二重の「人間の家畜化」 「反穀物の人類史」

雨が降っていても、たまにはちょっと外に出て饂飩でも食ってカフエで本を読んで帰りたい。
そう思ったけれど、寝ていたサンチが出て来て、なんか食わせろ顔。
乾燥リンゴのひとかけ(小指くらい)をやっても、後をついて離れない。
このところ嘔吐などもあるので、けっきょく外出を諦めて、納豆を食って(これに飽きたのだが)ベッドで本を読み始めると、すばやく走ってきて膝の上に寝転がって「ここが俺の席」顔。
コロナが落ちついても、サンチをおいての泊旅行は出来そうもないな。
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ゆうべから急に気温が下がって、テレビじゃマフラーだのダウンだのとはしゃいでいるが、今朝のルーテインのあとは、半袖の薄いTシャツでもびっしょり汗をかいた。
着かえも長袖は暑いので半袖、そのときが14℃、今パソコンを見ていたら急に寒くなって13℃、上っ張りを着てちょうどよくなった。
今夜はタオルケットから上掛け布団に選手交代だ。
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住居・ドムス・domusを語源とするdomestication・《飼い馴らし》を「ドムス化」「ドムス生物化」ととる。
狩猟採集、遊牧のさすらいと異なり、農耕定住化したドムスには、耕地、種子や穀物の蓄え、人、そして家畜動物が前例のないほど密集し、すべてが共進化しながら、誰にも予想しえなかった影響を生み出した。
何千万という招かれざる生物がやってきて、この小さな生態系で繁栄した。
農民が作り出した培養変種、完全にドムス生物化された植物は、もはや人間が世話をしなければ滅んでしまう。
ドムス化された動物もまた、今までの野生の選択圧を免れた代わりに、人間から、ドムス複合体の全体から、新たな選択圧にさらされた。
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(一昨日)

ドムス化によって動植物は形質的にもさまざまな変化を遂げるが、それは主人である「人間」にも当てはまる変化だった。

ヘレン・リーチは、「家畜化」を人間と家畜動物との間の相似プロセスと見て、サイズ、身長、歯の縮小、顔や顎の短小化など、更新世以来の類似した傾向を指摘し、環境が急速に共進化することから生じる家畜化特有の症候群があるのではないか、といっている。

家畜化されたのは、植物や動物というより、人間だったともいえる。
作家のマイケル・ポーランは、庭いじりをしていて突然閃いたという。
ジャガイモが元気よく育っている周囲の雑草を抜き、鍬で土を掘りながら、ふと、知らないうちに自分がジャガイモの奴隷になっているように見えてきたのだと。自分はここで、手をつき膝をつき、来る日も来る日も、雑草を抜いたり、肥料をやったり、絡んだ蔓をほどいたりと、あれこれ守ってやりながら、周囲の環境を、ジャガイモという植物が期待するユートピアに作り変えてやっている。
作物化した植物がわたしたちの助けなしに繁栄できないのだとすれば、わたしたちもまったく同じように、種としての生き残りを一握りの栽培品種に依存してしまっているのではないだろうか。
牛もわたしたちの、たゆまざる献身的な世話によって、のんびり、だらだら、のろのろと一生を終えていく。
人間が『家畜化』されたばかりか、
野生の動植物を飼い馴らしたことは、わたしたちの種が自然界への注意力とそれに関する実践的知識を縮小させたこと、食餌の多様性が乏しくなったこと、空間が小さくなったこと、そしておそらくは、儀式生活の幅が狭まったことをも意味しているのだ。
そのうえ、以前、紹介した国家による「人間の家畜化」があって、多くの人間は二重に奴隷化されている、ともいえるのではないか。
たとえば、僕は目に見えない形で1パーセントの富裕層と産軍国家とその茶坊主どもの、思い通りになっているのかもしれない。

Commented by rinrin1345 at 2022-10-06 13:07
なるほど、自分は花とか野菜並みの環境を子供に整えてあげてないかもです
Commented by saheizi-inokori at 2022-10-06 21:23
> rinrin1345さん、人間はほつといてもなんとかなりますよね。
Commented by fusk-en25 at 2022-10-06 21:28
植物を世話しすぎると。ひ弱になるのだな。
と改めて思ったりします。人間も?
Commented at 2022-10-06 22:55 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2022-10-07 09:41
> fusk-en25さん、もちろん、人間も、でしよう。
あまり世話すると、環境(動植物)、国家にくわえ、親の家畜化してしまいます。
Commented by saheizi-inokori at 2022-10-07 09:43
> 鍵コメさん、すみません、自分が忘れてしまうので、復習のつもりも兼ねて、だらだらと。間に違う記事も入れたりするから、前後のつながりが(わたしも)わからなくなりますね。
そろそろ切り上げることにしましょう。
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by saheizi-inokori | 2022-10-06 12:03 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(6)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori