人新世は火の使用に始まった

10月のカレンダー、予定は三件、いずれもクリニックだ。
あと、図書館の本の借りだし期限が二冊、これはきのう受け取りに行った。
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9月10日期限の本を借りないままに過ぎてしまった。
というより、ほかの本もとりに行った時に渡されなかったのだ。
改めて申し込むと(ネット)、該当の資料はないとの返事、なんど繰り返しても同じ。
口頭で説明したけれど、判ってもらえなかったので、きのうはネットの通知場面を写メしたのを見せたら、変ですね、と内心は僕の不注意を疑う声、検索してくれて、ほら、ありましたよ、という。
変ですね、とこんどは僕が言って、改めて予約、28人待ちだという。
「僕、生きてるかなあ」「絶対生きてます!」とこんどは少し強い声でいう。
「円楽も死んだんだよ」というと、それがどうしたとは言わず「誰しも明日のことはわかりませんよね」。
あ~あ、面倒くせえ、いやらしい爺丸出しだった。
「反穀物の人類史」から。
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メソポタミアで最初の農業社会、農業国家が誕生したのは、わたしたちが種としてこの惑星に残してきた歴史のうちの、最後の5パーセントに入ってからだ。化石燃料の時代は、種としての歴史の1パーセントの、さらに4分の1にすぎない。
それなのに、私たちは地球環境に残してきたうちの、この最後の時代の足跡にばかり目を奪われている。

人新世(アントロポセン=人類の活動が世界の生態系と大気に決定的な影響を及ぼすようになった時代)の始まりを、産業革命、核実験、化石燃料の大規模使用などとする諸説に対して、スコットは「火の使用」という。
火の使用の証拠がみつかる40万年前より、もっと遥か昔、ホモ・サピエンスの登場(紀元前20万年)より前のことだ。
ホミニド(ヒト科動物)に焼かれ続けたことで、世界の動植物の多くは「耐火性」の種を含むようになった。人為的な原因による火の影響は甚大で、人間による自然界への影響を公平に見れば、同じ飼い馴らしでも、植物の作物化や動物の家畜化を圧倒するかもしれない。では、なぜ景観設計者としての人類の火は、歴史においてしかるべく記述されていないのだろう。理由はおそらく、その影響が数十万年をかけて広がったことと、達成したのが「未開人」ともよばれる「文明以前の」人びとだったことだろう。ダイナマイトやブルドーザーのある現代からすれば、とんでもないスローモーションでの環境修景だった。しかし、すべてを足し合わせた影響はとんでもなく大きかった。
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火を武器にして環境を作り変え、以前よりずっと多くの食物を得られるようになったことで、初期の人類は炉床に近い範囲に留まることができ、しかも同時に、それまで足を踏み入れられなかった環境に新たな炉床を作れるようになった。
ネアンデルタール人による北ヨーロッパへの入植がその好例だ。
わたしたちが繁殖に成功し、世界で最も成功した「侵入生物」となったことも火のおかげ、わたしたちは生活習慣、食事習慣、身体を火の特徴に適応させてきた。
そうすることで、火の世話をすることと火を絶やさないことに縛り付けられている。
全面的に火に依存することで、火はわたしたちを家畜化しているのだ。
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いやはや、読んで面白い本であっても、要領よく紹介するのは、難しい。
どこを読んでも面白いから、引用せざるを得なくなって、それは際限なく、ぜんぶを引用したくなるのだ。
これじゃ、「写本」だ。
少し考えなおさないと収拾がつかないな。

国葬におけるスガの弔辞、つっこみどころだらけで、なんでこんなものを一部の人が称賛するのか不思議だった。
この記事がうまくまとめている。


Commented by eblo at 2022-10-01 14:17
菅さんの弔辞は酷かった、クーデターか。
全額税金で行ったのだから「国民葬」のはず、
1億人以上いる国民の中から友人をひとり選ぶ必要がどこにあった。
今からでも遅くない、「いわゆる国葬」費用全額を「友人葬」を行った連中から返して欲しい。
Commented by rinrin1345 at 2022-10-01 15:21
ご近所の嫁いだお嬢さん、図書館から本を借りてきて実家で寝転んで読んでました。お金を使わなくて済むんですって。私はストレス溜まると本を買うので読むよりたまる量が増えます。
Commented by saheizi-inokori at 2022-10-02 09:26
> ebloさん、それにしてもあんなに幼稚な格調の低い弔辞、そこらのオヤジの葬式じゃあるまいし。
類は友を呼ぶの好例でした。
Commented by saheizi-inokori at 2022-10-02 09:28
> rinrin1345さん、税金を払っているのですから、せいぜい節約、それと本の置き場所対策にもなります。
>実家で寝ころんで、というのが実感があります。
Commented by urontei at 2022-10-02 10:15
銀座の焼き鳥屋で三時間・・・ 「その時、歴史が動いた」とでも言いたかったのでしょうか。

迷惑な話です (^^;
Commented by kogotokoubei at 2022-10-02 10:36
LITERAが、菅による、あの山県の伊藤への歌は、安倍が葛西の死について、葛西から勧めらりた山県の本からFacebookに引用したもので、菅のパクリという記事を掲載しています。
山県の国葬は盛り上がらず、1ヶ月前の大隈の国民葬の方が人手も多かった由。
民主主義への弾圧者であることを含め、山県と安倍には共通点が多いですね。
Commented by saheizi-inokori at 2022-10-02 13:08
> uronteiさん、ったく!どこや、その焼き鳥屋、どついたろか。
Commented by saheizi-inokori at 2022-10-02 13:11
> kogotokoubeiさん、長州閥、仲間閥もおなじです。
山縣は円朝を保護し鷗外の後ろ盾になっただけましかな。
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by saheizi-inokori | 2022-10-01 13:18 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(8)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori