カッカソウヨウ

予定になかったけれど、爽やかな秋晴れなので洗濯をする、昼過ぎから崩れる予報崩れて欲しい予報。
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料理番組のおばさんシェフ、鍋の豚肉の薄切りをへらでかきまぜている。
一枚だけ、手前の内側に張りついたままになって、なかなかその他大勢にまざらない。
正面をむいてしゃべりながらやっているから、手前が死角になっているのだろう
水を注いでもまだそのまま、見ている僕は隔靴搔痒、いや隔鍋搔痒の感。
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隔鍋は何と読むのだろうと、漢語辞典を引いて見たら、やはり「カッカソウヨウ」だった。
「閣下そうよう」、俺さまは閣下か。
でも、このダジャレはヘンだ。
ほんとは隔画搔痒のほうが当たっているのかも、(テレビ)画面越しでは声が届かない、と。
こうすると「カッガ搔痒」となんだか訛ってしまう。
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落語家の三遊亭圓窓が亡くなったことについての小言幸兵衛さんのブログを読んで、僕が圓窓を聴いたのはいつだろうとブログ内検索をかけたら、2008年9月9日の記事「シャレってなんだい?」が見つかった。
窓輝の父親として圓窓の名前を書いているだけで、彼の高座の様子などは書いていない。
なんどか聴いた記憶はあるけれど、ブログに書かなかったのか、検索機能が不十分なのかもしれない。

14年前のブログを読み直してみると、「若かったのねあの頃は」感横溢の幸せな時代だったと思う。
記事の下にたくさんのコメントの応酬があって、あの頃「ふんどし」と呼んで、面白がっていた。
今でもコメントを下さる方もいるし、そうでない方もいらっしゃる。
お元気でいらっしゃるといいのですが。
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「くらしのアナキズム」の続き。
「もれる社会」、ガス漏れとか水道管の破損ではない。
歴史家の藤原辰史は「縁色論」のなかで、安藤昌益の「もれる」という概念に注目し、それが「自治」の問題にもつながっていると指摘する。
他人の問題がつねにもれでている。だから、それぞれが手にした富を独り占めすることも難しくなり、必要な人へともれだしていく。富が独占されず、他人の困難が共有されるためには、問題が個人や家庭だけに押しつけられ、閉じこめられてはいけない。くらしのアナキズムには、きっとその「もれ」をうながし、うまく「すくいとる」技法がいる。
日本でよく耳にする「他人に迷惑をかけてはいけない」という言葉。エチオピア(松村のフイ―ルド)の人びとのふるまいをみていると、その言葉が、いかに「もれ」を否定し、抑圧してきたのかがわかる。人間は他人に迷惑も、喜びも、悲しみも怒りも、いろんなものを与え、受けとって生きている。それをまず肯定することが「もれる」社会への一歩だ。
エチオピアの言葉に「タチャウト」という言葉があるそうだ。
日本語には訳しにくい言葉で、しいて訳せば「なにか話して」くらいの言葉、動詞の「マチャウト=遊ぶ・楽しむの命令形でもある。
見知らぬ人とバスで同席したときに、「タチャウト!」といわれ、とくに話すことがなければ「イシ!(オーケー)」と返し、それがなんども繰り返されることもあるという。
じっさいに中身のある話をするかどうかは問題ではない。目の前に人がいる。それなのに、なにも言葉を発することなく、互いの存在を無視しあうようなことが、とても礼儀に反するような、居心地が悪いような、そんな空気があるのだ。
森鷗外の「澁江抽斎」は、困った人に遇うと住まいを提供し、書物を読ませ、私財の多くが他人のために投じられた。
漱石の「三四郎」には、汽車のなかで遇った人との会話が生き生きと描かれる。
いや、そんな遠くの例をひかなくても、僕だって子供の頃に西宮の祖父や山梨の祖母の家に行くときなど汽車に乗ると必ず、親切な人がいて、蜜柑をくれたりしながら、不安をなだめてくれた。
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いつからだろう、自ら世間を狭くして、つまらないプライドを後生大事に抱え込んで、沈黙の城に閉じこもるようになったのは。
エチオピアで出直しだなあ。

Commented by daikatoti at 2022-09-22 12:31
昔、汽車(電車かな)に乗ると、何やかやと隣の席の人が話しかけてきましたね。
蜜柑とかも見知らぬ人と分け合ったり、
鬱陶しいと思う時もありましたが、最近そのような事は考えられませんね。みな押し黙って下を向いてスマホ眺めてます。
Commented by eblo at 2022-09-22 13:38
知らない誰かにちょっとした親切をして、お礼を言われそうになると「いいの、いいの」と言いながら去って行く人、昔は多かった気がします、私も親切を受けた経験を覚えています。
今なら「怪しい人間」確定。
他人への親切は拒否されるか止められるかになるのが仕方ない社会になっています。
日本が貧しい国民・国・社会になった気がしています、古い人間ですので。
Commented by stanislowski at 2022-09-22 14:41
佐平次さんすごい!私のもやもやとか、ここ数日考え続けていることを、時を得たように言葉で見えるように具体化して下さった。
そこが私の欠けているところ。そこ!そこが抜けると説得力に欠ける。
私の目指したいのも”世話焼きばっぱ”
そして日本人ならではの”他人に迷惑をかけない”と、他人に頼れないで引き籠りがちになるのも、コレ本当。
その兼ね合い、ジレンマに悩んでたりします。
自分で出来ることを安易に他人に頼みたくないと頑張り奮い立たせようとする自己なくしてはなぁと思うのですが。逆に生きにくくしてるのか?
こちらでよくあるのは相乗り。誰かの負担の上に厚かましく乗っかってくる人もいますしね。
みな、其々時間や費用を割いていると損得考えてしまうのは器が小さいってか⁈
つまらないプライド捨てて「もれ」たり「すくいだし」たりすればいいのか?
Commented by stanislowski at 2022-09-22 14:52
と、続き。
ひとつの理由は中曽根、小泉前首相の仕業。
国鉄、郵政、民営化。
庶民がコツコツ真面目に積み上げてきたものが根底から覆され、「自己責任」という風潮がここ数十年で普通になってしまいましたから。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-22 21:50
> daikatotiさん、スマホを見ていても世の中は変わらないのですがね。
社会の活力は人びとの会話からうまれるような気もします。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-22 21:53
> ebloさん、下をむいてスマホを眺めているだけではますます貧相な社会になってしまうような気がします。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-22 22:00
> stanislowskiさん、プライドだけでは生きていけないのが多くの人間でしょう。人の世話になり、人の世話をし、迷惑もかけ、かけられ、が避けられません。ならば「おせっかい」を素直にやったり受けたりも必要なのだと思います。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-22 22:04
> stanislowskiさん、新自由主義こそ人びとを分断し孤立化させた犯人かもしれないですね。トリクルダウン=もらす、なんて嘘ばっかり、水も漏らさない一パーセントの人たち!
Commented at 2022-09-23 01:27 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-23 09:33
> 鍵コメさん、あ、そうでした!直します。
Commented by ikuohasegawa at 2022-09-23 14:50
一枚だけ鍋内側に張りついたままの豚肉、私も気にしてずーっと見ていました。
料理番組をあんなに集中したのは初めてです。
結局、豚汁の材料を揃えに町へ行きました。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-23 17:48
> ikuohasegawaさん、わは!他にも同じ人がいるかも。我が家も豚汁を所望しました。
Commented by at 2022-09-23 19:27 x
2枚目のショーウィンドーの写真に見入ってしまいました。赤いコートがパリのショーウィンドーかしら、と。見間違いました。左側には小鹿田焼の小鉢等がならんでいて、空瓶を全面に置いて、さりげなく素敵なお店ですね。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-23 21:42
> 竹さん、駒沢公園の近くにある店です。いぜんは中に入ることもありましたが、何かを買ったことはありません。
見るだけで楽しい店です。
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by saheizi-inokori | 2022-09-22 12:19 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(14)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


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