「民主主義国家」とは形容矛盾

きのうは皮膚科、ほとんどよくなったけれど五週間に一度の経過観察、保湿液と内服薬も一種類だけになった。
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病院のアプローチとなる暗渠・北沢川緑道沿いには高度処理水をつかった「せせらぎ」が流れている。
まるでおままごとのように可愛らしいせせらぎには鯉が放流され、両岸にはいろんな草花が植えられていて、僕はカイカイで憂鬱なときも百メートル足らずのこの道を歩くのが楽しみだった。
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きのうは塩からトンボがすいすい、前夜眠れないままに、赤トンボの群れ飛ぶ長野のことを想っていたので、とても嬉しかった。
僕はほんとの川や池を遊び場にして育ったから、そのほんとの自然の姿を知っている。
おままごとのような「せせらぎ」を見る喜びには、かつて身の回りにあった川や野原を思い出すよすがとしているということがあるのではないか。
なかなかじっとしていてくれないトンボに向かってスマホをかまえるときに、無意識、潜在意識のうちに捕虫網を構えた子供の頃の自分の姿を重ねているのかもしれない。
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今の都会で育つ子どもたちは、
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このせせらぎを見てどう感じているのだろう。
そんなに喜ばないのかもしれない。
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「くらしのアナキズム」の続き。

前に書いた「主権在民」や「公僕」を想起させる
平等社会は国家の出現とともに失われた。国家の根底には、一部の者のために多くの者が働くことを強制する力がある。それが当たり前になると、労働を拒否して余暇を楽しむよりも、蓄積をしようとする欲望が膨らんでいく。それをうながしてきた力こそが、国家の「拘束する威力、強制の能力、政治権力」なのだ。
江戸時代の百姓が一家総力を挙げて夜もろくろく休まずに働いたその結実の白米はほとんど彼らの口には入らなかった。
そこには「過剰な労働を強制し、その余剰を一部の者の所有物にする暴力としての国家」があった。
職責を果たさなくても低い投票率のもと(本来の人々の同意を越えて)「エライ」とされ続け、あまつさえ、そのことをもって「国葬」が強行されるのは、民主主義を機能不全に陥らせている国家の仕組み=強制装置があるからだ。
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(初めて入った「大阪王将」のモヤシソバ、うーむ)

民主主義は古代アテネで発明されたものではなく、人類社会の「政治」に普遍的にみられた思想である。しかも、その実践は、「国家なき社会」にかぎらず、さまざまな国家からはずれた場所にみられた実践である。
グレーバーは18世紀の「海賊船」の例をあげる。
船長は選挙で選ばれ、有事には全権を与えられるが、平時には一般の乗組員と同格になった。
海賊船の究極の権力は全員参加の総会がもち、挙手による多数決で運営された。
海賊船のような異文化の集まる即興空間、解放奴隷、水夫、船上娼婦、背教者、反律法主義者、反徒といった国家から逃れた異文化の者が北大西洋世界の港町に集まり革命につながる民主主義への衝動が生れた。
グレーバーは、
ある集団が国家の視界の外でどうにかやっていこうと努力するとき、実践としての民主主義が生れる。むしろ民主主義と国家という強制装置は不可能な結合であり、「民主主義国家」とは矛盾でしかない。
という。
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アナキズムから民主主義を考える所以はそこにあるのだ。
現代、民主主義を求めて、国家のあるなかで、どのようにアナキズム的なエッセンスを掘り起こしていくか、が課題となる。(続く)

アナキストになるまでもなく追放したい!根性の腐った連中。




Commented by baobab20_z21 at 2022-09-15 13:10
こうしてみると国家って民主主義ではないんですね!
ほんとだ、相容れないものだ。ってことは国家はなくてもいいんじゃないのと思えてくる。
Commented by unburro at 2022-09-15 17:15
「くらしのアナキズム」
ミシマ社らしい、良い本ですね。

自称アナキストの私ですが、
自分で買っても、きっと、読みきれない、と思うので
毎日、佐平次さんに読み聞かせをしていただいている気分で、
楽しみにしています。

がんばって知識を漁り、自分の為だけでなく、他人の境遇を想像して、
自分の頭で考えることが、アナキストへの道かなぁ〜と
常日頃、思っています。

海賊船の話も、面白いですね。
自公や維新、アベスガ、オリンピックや国葬が好きな人たちは、
自分たちが沈みかけている船に乗っている事に、気づいていないのでしょうね。
嵐の中なのに、自分の利益しか考えていない、無責任で馬鹿な船長に、
どうして命を預けられるのか…
理解不能です。
Commented by rinrin1345 at 2022-09-15 18:58
皮膚科、良くなられて安心ですね。ちょっと虫に刺されても痛かったり痒かったりして寝れないですし、とにかく良かったです
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-15 21:55
> baobab20_z21さん、とはいえ国家を打倒しようとしてもっとひどい独裁政治を招いたのではどうにもなりません。
国家のなかで国家をはずれた隙間に民主主義をつくる営為を探るのが本書の後半です。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-15 22:01
> unburroさん、短い、読みやすい本です。そこに落とし穴があるかもしれませんが。
一等船室にいれば大丈夫だと思っているのかもしれない、沈没したら全員助からないのにね。
それにしても国葬に招かれたいと思う人の気持ちも理解不能です。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-15 22:04
> rinrin1345さん、ありがとう。いっときは命に関わるのではないかとまで思った痒いだけでない湿疹、ほんとに治ってよかったです。
Commented by tona at 2022-09-17 10:13 x
痒い湿疹がそこまでよくなって良かったですね。
山際、土井議員、酷すぎです。
私は疎開先(東松山市)にかなりいたので、もう小川や山で遊び通しでした。
そういう景色を見るのは好きでホッとするのはそれが原点なのかもしれません。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-17 10:56
> tonaさん、都会育ちの今の子どもはどういう原点をもつのかなあ。
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by saheizi-inokori | 2022-09-15 12:41 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(8)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


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