芋煮会

まいとし今頃になると「芋煮会」のニュースがとどく。

山形は牛肉で醤油味、宮城は豚肉味噌味、福島は両方入れたかな、よく覚えていないけれど、仙台見習いだったからなんども食べた。
忘れられないのは、猪苗代駅の助役をしていたとき、磐梯高原スキー場の草っぱらで、食べた芋煮。
もろもろの支度を下から担ぎ上げたのか、スキー場で調達したのか、夏の終わりの青空のもとで、猪苗代湖を眼下に眺めて、高原をわたる涼風に吹かれて非番の駅員たちで囲んだ鍋のうまかったこと、楽しかったこと。
もしかしたら、三か月の見習を終えて帰京する僕の送別会だったかもしれない。
一升瓶を何本か空にして、ひと夏を共に暮らした人たちと、へんな方言をまぜながらいろんな思い出を語り合った。
芋煮会_e0016828_11533722.jpg
口の重い会津の人たちはお世辞はいわないけれど、笑顔は人懐っこい。
会津磐梯山は宝の山よ~、民謡も歌って、麻雀をやる人たちもいた、青空麻雀だ。
呑みつかれて草の上にあおむけになると、まっさおな空を白い雲が流れていった。

仙台の独身寮の仲間たちと仙山線の面白山にも行った。
駅を降りると、ずらっと芋煮セットが売られている。
でも僕たちは具材は自分たちで持っていたような記憶がある。
ここも冬はスキー場になるところだった。

河川敷でやったこともなんどかあるのだが、それが誰とどこでだったかが、思い出せない。
楽しくてうまくて楽しかったことだけが忘れられない。
芋煮会_e0016828_11490341.jpg
鉄道会館に来て、若い人たちが芋煮会を知らないので、秋川渓谷にみんなを誘った。
ところが、あんな簡単なものでも、たとえば里芋を先に茹でておくというようなレシピがあるのに、みんなは知らないし、僕も昔のこととてきちんと教えられない。
いくつかの鍋のどれも思っていたあの味にはならなかった。
それでもみんな「うまいうまい」と言ってくれて、楽しいことだけは昔通りだった。

僕は東京駅の構内に地方の鍋を取りそろえた飲食店をつくり、そのひとつに「芋煮鍋」を考えていた。
そういう店は実現できなかったのは残念だった。

もっとも、芋煮会はやはり青空の下で、たくさんの仲間とワイワイやるのがうまいので、部屋の中で小ぎれいに出されたものを、大人しく喰ってもあのうまさ・楽しさは味わえないのだ。

ああ、もう一度懐かしい仲間たちと芋煮会をやりたいなあ。
こんやの夢でみることができるかな。
Commented by たま at 2022-09-08 17:32 x
 季節がサルスベリ(百日紅)からススキに移る頃が芋煮会の時節だったかしら。
 冷凍庫のない時代、保存の難しい”里芋”を手っ取り早く費消するには芋煮会は格好だったのかもしれませんんね。
 盛岡の北上川河川敷では、豚肉に味噌、そしてたっぷりのネギと油揚げだったかと。
Commented by kogotokoubei at 2022-09-08 18:50
芋煮会 所変われば 肉変わる
変わらぬものは 人の情けか

お粗末でした。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-08 18:57
> たまさん、秋の北上川で芋煮会!最高だなあ。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-08 19:00
> kogotokoubeiさん、座布団三枚!
北海道にもありますか?長野にはあったのか、経験しないままに上京してしまいました。
Commented by kogotokoubei at 2022-09-08 19:10
北海道には、なかったですねぇ。
キャンプなどの定番は、豚汁とカレーライスでした。
全国の鍋を味わえるお店、採算は取れないかもしれませんが、あれば行ってみたい^_^
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-09 10:08
> kogotokoubeiさん、石狩鍋が北海道代表かな。
Commented at 2022-09-09 14:18 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-09 15:36
> 鍵コメさん、そうでしたね、豚肉ですき焼きでした。私は坂下では芋煮会の記憶がないです。若宮のホルモンの方が駅員の好みだったのかな。馬肉も坂下にいる間は食べなかったかな。亡妻は苦手だったかも。
なんとかして只見線には乗り納めしたいと思います。もう車も免許証もありませんが。
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by saheizi-inokori | 2022-09-08 12:01 | 人生の御馳走帖 | Comments(8)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


by saheizi-inokori
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