この打ち棄てられた世界に残された、知的洗練の最後の飛び地

月へのロケット打ち上げがまたもや不具合が発見されて延期されたという。
50年前のアポロはフエイクだという話を思い出す。
フアミコン程度の技術で0・1パーセントのミスも許されない月面着陸やドッキングができたとしたら、その半世紀後の現在、月面を人類は闊歩していてもおかしくないはずなのに、なんで無人ロケットの打ち上げすら難航しているのか。
この動画↓も、アポロの月面着陸は否定しないものの、なんだか奥歯にもののはさまったことをいう。



国家というもの、権力というものが常識では信じられないようなことを平気でやってのけるところを、日常目撃していると、アポロインチキ説を頭から笑い飛ばすことが出来なくなってくる。
日航123便の御巣鷹山遭難をめぐる自衛隊の誤射説などがいつまでも消えないのも、おなじ気持ちがあるからではないか。
まさかそんなこと、というようなこともやりかねないのが権力。
何といっても、先の戦争のときの大本営発表のフエイクがまだ日本人の集団の記憶として残っているのではないか。
とくにアベを始め、日本会議や統一教会系の右翼政治家たちが、血縁的にも思想行動的にもあの頃の嘘つき政権のイメージをまとっているような気がする。

ウソをついてその場を糊塗することを何とも思わない、それが「国益」だとする。
国益とは政権、政党、自分たちの利益のことでしかないのだが。
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なぜならあらゆる知と驚きは(驚きとは知の種である)、それ自体、喜びの刻印にほかならない。
                    ―フランシス・ベーコン
スマホの検索機能とわずかに残っている記憶を頼りに「重い本」を読み進めている。
きのうは、その重さに負けて小一時間も居眠りをしてしまった(モツアルトを子守歌にして)けれど。

彼女・司書・ジャン・オデイは、深夜初めてフランク・トッドとスチュアート・レスラーが勤務している古ぼけた建築規制をとことん無視したビルを訪れる。
蛇腹格子のついた業務用エレベーター、ボタンを押すと「大毒蛇の巣をつついたみたいに」ケーブルがぴんと張りつめ、釣合い錘がのろのろ解けていき、天井から四十ワットの電球をぶらさげた、開いた鳥かごのようなエレベーターが颯爽と降りてきた。
ここで二人は旧式のコンピューターのアルゴリズムの保守(ってどうするのか)をしている。
その奥の部屋にレスラーはいた。
私たちが窮屈な空間の中を近づいていくと、その姿が立ちあがってまっすぐになった。記憶にあるよりほっそりとして、背も低い。古典美とはまた違う顔立ちだけれど、マシンのダイオードに照らされたその顔に漂う諦念は、背後で細々と響いてくるピアノの音色と同じく文句なしに美しい。トッドの大学生風のだらしなさとは対照的に、ジャケットにネクタイを締めている。この膨大な集積チップの集まりのどこかに意識ある存在が潜んでいて、彼の服装を気にかけているとでもいうように、ちゃんとした格好、というだけじゃない、一分の隙もない。粋。
トッドが正式な紹介の労をとる間もなく、レスラーは実に魅力的な時代遅れの所作で握手を求めてきた。「私が誰かはご存じだね。ところがこちらは、公共図書館に勤めていること、かつてプロのダンサーを目指しかけたこと、そして名前がジャンであることを除けば、きみのことをまったく知らない」。アフガニスタンにいらしたことがおありのようですね(注・シャーロック・ホームズが出会ったばかりのワトソンにかけた言葉)。お見事、思わず吹き出してしまった。当の博士は、その薄い唇のかすかなまくれ具合を見て、即座に私は確信した。この打ち棄てられた世界に残された、知的洗練の最後の飛び地がここにある、と。知り合った瞬間から、彼のそばにいるのが楽しくて仕方なかった。
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あちたりこちたりの物語が少しづつ輪郭を示して来た。
僕もレスラーのそばにいるのが楽しいようだ。

Commented at 2022-09-05 04:03
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2022-09-05 08:40
>鍵コメさん、何もわからない子供ですので、よろしくお願いします。
今朝発ったのかな。AIをつかいこなせる人間(科学技術的にという意味でなく)を育てることがもっとも大事だと思うのですがね。
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by saheizi-inokori | 2022-09-04 12:30 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(2)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


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