カルトの淵源

ひょっとしたら、雲だけで済むかと思ったが、けっこう激しい雨が降り続く。
部屋干しで蒸し暑さに耐えかねてエアコンをドライにする。

なんだか、やる気が出ないので、ちょっと高校野球を見てぼんやりしていた。
僕の高校時代の野球とちがって、選手層が厚いというのか、ピッチャーをどんどん変えて、それがみんな一流に見える。
僕の高校なんてエースが打たれたらもうおしまいだった。
球種は直球とカーブとドロップだけ、今の球種の多いこと、僕にはその違いがよくわからない。
あれを相手に応じていろいろ投げ分けるのは、かなりバッテリーの頭が良くないとダメだな。
バッテリーが頭を使えばバッターも頭を使って攻めるということ、えらいもんだぜ。

羽原清雅「ある新聞記者がみたお客様50年の現実 沖縄「格差・差別」を追う」を読了。
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そのなかに「朝日新聞に見る戦時下の著名人の戦争観」として、四元義隆、加藤完治、山岡荘八、火野葦平、川田順、高村光太郎、山口青邨、坪田譲治、高見順、川端康成、、などの言葉が記録されている。
軍国主義華やかなりし頃の、厳しい統制下の発言であることを差し引いても、あの人がこんなことを言っていたのかと驚く。

そういうなかでも、自ら軍国精神を鼓吹した指導者でもあった安岡正篤の文章を読むと、その非科学性と無責任さに改めて驚く。
「生者の招魂をこそ」と題した文章。
戦敵は今後愈、日本の死命を制せんとして肉薄すれば肉薄するほど、逆に日本国民は激昂して続々けつ起し、神秘的な猛威を触発することを知るであらう。たとへば琉球における特攻隊の猛撃のごとき、敵は一歩本土に近接する毎に一段とその凄愴を加へることに戦慄せねばなるまい。また敵はこれ以上帝都の中央諸官庁を爆破し、交通の要衝を破壊すれば、全国の政治機能は停止し、国民生活は混乱に陥るものと思つてゐるであらう。しかるに事実は中央機関がたとひ機能を停止しても、地方自治機能はそのために却て勃然として活動を盛んにするであらう。、、この未曽有の国難危局に天長節を迎へて、何人も先ず自ら臣節といふことを、大臣たる者(必ずしも現在大臣大官に限らぬ)は果たして輔弼の責に恥なきやといふ事を、名もなき民も各々匹夫責ありといふことを真剣に反省し奮発したい。(1045年4月29日付け)
陽明学者として私塾「金鵄学院」を設立、大正デモクラシ―に対して伝統的日本主義を主張、一部華族や統制派系軍人、右翼などに影響を与え、1944年には大東亜省顧問となり、終戦の詔勅にも関与した。
戦後も、追放解除後、政財界とのつながりを復活、岸信介などと「新日本協議会」を結成、改憲、安保改定などに努め、政界の黒幕、首相指南番、精神的指導者など言われた。
彼の葬儀は岸信介が葬儀委員長、副委員長稲山嘉寛、大槻文平、、委員に江戸英雄、平岩外四らが並び、中曽根康弘、田中、福田、鈴木の歴代首相も参列した。

亡国の危機における、天長節という節目の文章にはなんの科学的展望も示されず、読む者をして奮い立たせるような力もない。
ただ、国民それぞれにもっと頑張れというのみ。

こういう人を精神的指導者として仰ぎ、佐藤、福田、大平のごときは施政方針演説の推敲も依頼したという。
この無責任な精神主義がそのまま、今の自民党政権にも「しっかりと」受け継がれているのではないか。
これはカルトとも親和性のある精神だ。
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玖村敏雄という文部省教学官は、沖縄陥落直後に「皇国民の大信念」と題した文章の中で、
神国日本に生を享けた人は皆神民であり、神兵であるべきに、さはなくて地上国家に有りがちな堕落した形相をあらはし、あさましく汚く悲しむべき事象が充満するとき国家は衰へる。今戦争のさ中にあつて一人々々の日本人のしてゐる事が、実はこの衰へ行く方向に拍車をかけてゐないといへるであらうか。「こんな事で勝てるであらうか」といふ疑惑を生じ、「こんな事で国は亡びはせぬであらうか」といふ心配が起る。
と書いている。
「地上国家に有り勝ちな堕落した形相をあらはし」、しかも国民にはナンセンス・無責任な精神主義を押し付ける自民党政権の存在は、まさに「こんな事で国は亡びはせぬであらうか」と危惧される。

Commented by kogotokoubei at 2022-08-18 12:31

マスメディアは、統一教会と政治家の次に、日本会議と政治家について、追及すべきです。
統一教会も、日本会議の歴史の中で、前身組織の重要な構成団体。

日本会議の持つカルト性は、戦中、非科学的な言論をしていた右翼と同質と言えます。

とはいえ、メディアは、官邸の圧力と忖度で、日本会議について取り上げることはないのでしょうね。

やはり、カルト政治集団、自民党から政権を奪うしかないのだと思います。
Commented by eblo at 2022-08-18 13:03
後世の人間、傍で見ている人間、同じ傍でも違う立ち位置、それぞれで同じ事象の見え方感じ方が違うんですね。
歴史で確定するしかないんでしょうけど、80年くらいではその確定を受入れられない人も多い。今はそういう人が歴史を作り変える時代、侵略戦争ではなく聖戦だったとか。
Commented by saheizi-inokori at 2022-08-18 21:29
> kogotokoubeiさん、つまるところは自民党のインチキを正面から叩くことなんでしょうね。
Commented by saheizi-inokori at 2022-08-18 21:34
> ebloさん、確定されたはずなのにひっくり返そうというのですね。そういう企みをはねかえすためにも、とうじの指導者の馬鹿げた発言などを、とくに若者に知ってもらうことが大切だと思います。
Commented by めぐ at 2022-08-18 22:40 x
国を挙げて国民を蝕むモラハラをやっていたという事ですか?
次男に嫁ぎましたが姑 (この言葉も嫌い)が義兄のお嫁さんと折り合いが悪くて合うたびに愚痴不満を言いました。何とか取りなして美味しいものを届けたりして仲良くやってほしいと思いましたがある時
その義姉の事を「嫁のくせに!」 と言います 気に入らなければ里に帰ればいいとか。唖然として返す言葉もなかった。心の中で、「あなたも嫁の立場だったのに」と呟いていた。今ならはっきり言えたのですが。夫に言うと、ああいう実家のプライドだけで生きてきた人だからと。
何だか気持ち悪くなりました。
お国のため  家の恥だから 波風立てずに我慢しなさい あの頃美徳とされていたものに絡みつかれていたように思います。今の若い人はそういう苦労は無駄だと知っているので次の世代のための幸せを求めて行くようにと願います。
ああ 気持ち悪い!
Commented by saheizi-inokori at 2022-08-19 09:48
> めぐさん、イエ意識、統一教会は根っこにそれがあるようですね。
実の家庭で不幸な人たちに朝鮮の父母を親とせよ、そうすればあなたも幸せな家族の一員となって先祖の霊を救うことが出来る、だからそのために献金せよと。
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by saheizi-inokori | 2022-08-18 12:13 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(6)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


by saheizi-inokori
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