夕焼け

二日ばかり涼しかったが、今朝はまたかっと暑い、えっさえっさと資源ごみを捨てて、帽子をかぶってもじりじり首筋を焼かれながら物干し。
起き抜けに干したタオルケットがカラっと乾いているのが嬉しい。
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ブドウを送っていただいて、さっそく食べる。
子供の頃、山梨の本家に墓参りに行って、門を入ると、玄関の前に掘り抜き井戸があって、滾々と湧き出る冷たい水中に、ブドウやスイカが冷やしてあった。
それを見ると、駅から子供にとっては遠い道を汗をかきながら歩いてきた疲れもすっかり忘れてしまうのだ。
「ブ」にアクセントをおいた発音で「ぶどう、たくさん食べろし、て、大きくなったじゃん」と大人たちがちやほやしてくれるのも、嬉しかった。
幼くして父を亡くして、母と健気にがんばっている子という位置づけを子供心に感じとって、ふだんにはあり得ない注目の的になっているのを意識していた。
ブドウの多くはデラウエアで、一粒づつ摘まむようなケチなことをせずに、ガブっと噛みついて、皮だけぷっとほきだす。
種などは平気で飲みこんでしまうのだ。
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祖母の歌から、
おのづから芽ばへし露地の箒草みどりすがしも
夏休みに、弟と二人で日下部で部屋借りをしていた祖母と伯母を訪ねていき、そこで何日か暮らしていると、後から母がやってきて、みんなで揃って、石和の本家にいくことが三年も続いただろうか。
祖母が日下部の家の近くの万力の林や差出の磯に連れて行ってくれて、笛吹川の河原を歩きながら「来年もおばあちゃんが生きていたら、、」と言うのを聞いて、あ、おばあちゃんも死ぬのだと思った。
その子がとっくに死んでいるのに、祖母はいつまでも生きているように思いこんでいた。
あの頃の祖母の歳は、今の僕よりずっと若いのだ。
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母の句。
夕焼のただならぬ色東京港

ただならぬ色の夕焼けが世界を包み、人々の悔悛を促しているのかもしれない。


Commented by kogotokoubei at 2022-08-08 17:59
お祖母さんの歌、そして、あ母さんの句には、いつも心が和みます。
ありがとうございます。
Commented by saheizi-inokori at 2022-08-09 06:15
> kogotokoubeiさん、せめて俳句でもやるのだったかと、無趣味な人生を反省しています。

Commented by maya653 at 2022-08-17 09:21
美味しそうなぶどうの写真ですね
うちは巨峰が大好きなんですが
なぜか最近スーパーで見かけるのは種無しばかり
種ありのほうが甘い気がするのは我が家だけでしょうか
Commented by saheizi-inokori at 2022-08-17 09:47
> maya653さん、もう種ありなんて作らないのかな。
あの甘さは砂糖の甘さとは違う、健やかな甘さですね。
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by saheizi-inokori | 2022-08-08 11:16 | わが母と祖母の遺したまいしうた | Comments(4)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


by saheizi-inokori
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