成熟をめざして 「考える人」(坪内祐三)
2022年 07月 26日
彼らはしっかりした軍装に身を固め、我々はシャツ一枚だ。
中村哲さんがアフガニスタンの人たちと、汗と泥にまみれて地面を掘っている、その上を米軍のヘリが飛んでいくのだ。
武力によらない平和の構築が、一介の医師によって成し遂げられようとしていたのだ。
今朝のNHK衛星で藤原帰一が紹介した映画、見に行きたいなあ、でも老いぼれには東中野は遠くなった。
坪内祐三「考える人」読了。
雑誌「考える人」に連載された16編、
私の世代、そして私よりひと廻り上の団塊の世代の人たちが、自分はまだ若いと思い続けている内に、きちんと成熟する機会を失い、いま、日本は、とてもひどい国になってしまいました。だから、私は、私なりの成熟を確認するために、そのことを考えてみるために、この連載を引き受けることにしました。「私が生きていたこの同時代に同じ空気を吸っていた人たち」を、選んで「彼らと共振したい」と思ったという。
「単なる作家論や人物論ではありません。取り上げた人の作品を読み返して、彼らのキー・コンセプトをつかむのだ。
「考える人」としてのその人を考える論考です。
経験知の達人・色川武大は、「フォーム」であり「キャッチボール」、たとえば「『生家へ』について」の中のこの言葉。
この国の作家は、古来から、多くは感性地獄におちいっている。言葉を空に投げているだけで、キャッチボールができにくいのである。武田百合子は「エロスとタナトスを同時に見てしまい、しかもそれを考え原語化してしまう」。
唐木順三は「途中」であり「形(型)」、
書こうと思ったものを、ちゃんと書いてしまう人には、私はあんまり興味をもちません。意図したものとは、だいぶちがったものが出来上がって自分もおどろくというところに、作品のおもしろさがあるように思います。と書いた長谷川四郎。
まさに、「きちんと成熟する」ことが出来なかった。
神谷美恵子が若い頃の日記に、ベルグソンの思想がプラトンや聖書の思想に近いことに気づき(彼女は原語で読むのだ)「私も小さいながら、かの世界を垣間見るを許された者だ」と書いているそうだが、僕は許されなかった者なのだろう。
せめて本書で興味をもった本を少しでも読むことにしよう。
「考えるヒント」(小林秀雄)「モナドは窓がない」(田中小実昌)「新編沓掛筆記」(中野重治)「中野重治評論集」(中野重治)「途中の喪失」(唐木順三の『光陰』の中か)「生きがいについて」(神谷美恵子)「鶴」(長谷川四郎)「遥かなノートル・ダム」(森有正)「崩れ」(幸田文)「乞食王子」(吉田健一)「私の旧約聖書」(色川武大)「人間・この劇的なるもの」(福田恆存)
読めばまたそこから次の本が目の前に示されるだろう。
そうして生きている間、読む気力のある間、本の森を彷徨うのだ。
鈴木エイト氏「連綿とした関係が見えてるにも関わらずそこに蓋をして検証しないままこの事件の幕引きを図ろうと、もし仮に自民党がしてるならばまた必ず同じ事が起こると思う」
— こむぎ (@mugichoko1616) July 24, 2022
国葬などより、二度とこういうことが起きないようにすることが、安倍氏に対する最良の供養なのではないか、え?自民党よ。
#サンデーステーション pic.twitter.com/zkafU3SBxy
統一教会の内部文書。摘発されないために警察に力を持っている議員への工作や裁判対策費用が「毎月1億円」。これらは霊感商法や信者たちからの献金です。カルト宗教は一般の宗教とはちがいます。「宗教と政治」ではなく今のテーマは「統一教会と政治」。そこを曖昧にしてはいけない。#とことん現場主義 pic.twitter.com/QzGZOIhCkp
— 有田芳生事務所✒️ (@arita_office) July 25, 2022
これについて田中龍作のブログ→統一教会、警察に強い国会議員への働きかけ等に月1億円
ありえんひどい pic.twitter.com/tPzkbhftIM
— 中野 昌宏【世耕氏尋問?月?日?:?〜 東京地裁610号法廷】 (@nakano0316) July 24, 2022
みどりのコンサート、次回は娘と行くつもりです(チケットが取れれば)。