まぐろ
2022年 06月 25日
それでも仏壇のお位牌を拭いて、あちこち埃を払ったり、ベランダで首筋を焼かれながらガラス窓を拭いたりしているうちに、気持も体もシャキッとしてくる。
首からかけたポシェットに入れたスマホから流れるピーターバラカンがぼそぼそと紹介してくれる音楽とサンチがついてくるのが後押しをしてくれる。
昨日、重い腰をあげてエアコンのフイルターの掃除をしておいたのを幸いにつけっぱなし。
去年までは、掃除は窓を開け放してやるからエアコンをつけるなんてなかったけれど。
二時間余、トイレ掃除をさいごに歯を磨いて顔を洗って洗面所の掃除でホントのおしまい。
FMラジオはゴンチチに変わるのが毎週土曜日のルーティンだ。

ところで、君は「以上です」と言ったことがあるか?
言ったことはないけれど、言われたことはある、「以上です、もうありません」って。
そんな会話を聞いて思い出したのは、清水だったかの寿司屋の思い出。
とうじ、食の勉強と称して、今は亡き料理研究家の小山恵子さんの企画で、有名シエフに特別注文で料理を作ってもらい、それを賞味して、ああだのこうだの言うツーツー会というのに僕も大きな顔をして参加していた。
ある師走の朝、6人もいたかな、ミニバンにぎゅうぎゅう詰めで清水に向かった。
その寿司屋は、うまいこともさりながら、高いことでも有名で、10万円とか30万円とかの勘定にびっくりした客との間で何件も訴訟沙汰になっているという。
そういう店を小山先生のツテを頼って、特別にひとり一万円だったか一万五千円だったかで、食べさせてもらうことになったというわけだ。

豪華なトイレ・化粧室や殿様がお喰い遊ばされるような眩しいお座敷などに、一同へ~と感嘆符をばらまいた。
そのとき出たのだ、「以上です」が。
ああ、終わりか、ちょっとがっかりしたが満たされてはいたのだ。
ここに行く前に昼飯で、お茶をつかったイタリアン(その店のシェフが寿司屋に口を利いてくれたのだ)を賞味していたし。
並みいる諸兄も、声をそろえて「ご馳走様でした」といいかけたところ、「以上です、まだなにか召し上がりたいものがありますか」と大将が、これは御愛想のつもりで付け加えた。
その言葉にすかさず反応したのが僕のなかの悪魔だ。
「じゃあ、あれをもう一つ」と、一番うまかったものを指さした。
太いマグロの胴体を丸切りにしたものが、ひとつひとつ布でくるんである。
いったんしまったその一つをもう一度取り出して、ひとつだけ握ってくれた。
同行の諸兄は怖いような沈黙で見守っていた。
今もそのときのことを思い出すと、顔が赤く火を噴いたような気持になる。

そういうことを頭ではわかっていながら、もう一つと言ったのは、食い意地だけではない、僕のなかのひねくれた悪魔なのだ。
その悪魔はまだ健在のようだ。
しかし、うまかったなあ、あのマグロ、とくに以上の次のが。

ぱーん! 読ませて頂いてるだけで気が揚がりました
其々の写真も全く也と肯いているようです
以上の次は皆さんの視線も加味されて、特に美味しかったでしょうね~!
悪魔というより、やんちゃ坊主のいたずらっ子笑顔がうかびました♪
美容室でのシャンプーの時、泡立てて2回ほどゴシゴシ洗って「以上です」のタイミングで
「痒いところはございませんか」とか言われます。普通は「ハイ」「大丈夫です」とか
いうのが、お約束になっていますが、私は時々「ちょっと、耳の後ろ」「真後ろの首筋」とか
気になる所を言う時があります。変な人と思われているかな、と思います。
でも、終わったら「ありがとう。気持ち良かった!」と声をかけます。
佐平次さんの超高級寿司店のお話とは、レベルも価格も雲泥の差ですが、
「まだ何か〜」と言ったなら、追加もアリ、と覚悟するのがプロだと思います。
これは、佐平次さんとこの寿司職人との勝負ですね。双方の中に悪魔がいる(笑)
「以上の次」の鮪の一貫で、「以上まで」の十貫と同じくらいのお値段を請求されたら
この勝負は引き分け、でしょうか。1人分の会費のままだったら、佐平次さんの勝ちかな?

「以上」は、喫茶「謎」でのやりとりですね。
会社のレストランでは、ランチ時間が5分も経過すると、3つのランチメニューの一つはなくなります。
もう5分で、もう一つも「以上です」になります。
腹立ちます^_^
委託業者が、五輪であれだけのフードロスを出した会社です。
私のアルバイト先では、ありえません!