連休の一日
2022年 05月 03日
先週行ったばかりの皮膚科に、一ヶ月の処方量に限界があるので、月が替わるのを待って保湿クリームなどを貰いにいった。
見習いらしき若い男女も同席、ぼくの裸を見やがった。
せっかくだから、目の下の「加齢による皮膚のシミ」を液体窒素でとってもらった。
隆起するシミもあるのだ。
銀行のATMで、わずかばかりのお金を引き出して、やってきたバス「弦巻営業所行」に乗る。
松陰神社あたりで降りてぶらぶら散歩しようと思っていたら、そっちに行かないで世田谷警察の方に左折して、知らない町並みを見ることができた。
終点の手前で、降りてさっきバスの中からみた大きな白い花がいっぱいついた木を見に戻ろうとしたけれど。気が変わったり、道に迷ったりして、あれ?ここは行き止まりか、少し足が痛んできたというのに。 と思ったら、階段があって向こう側に抜けられた。
久しぶりに給水塔の前まで来たら、新しいカフエができている。
窓から覗いていたら、店の女性と目があって、ふらふらと入っていく。
ハワイアンのいろんなコーヒーがある、、はずだったが、一番高い一種類しかないとのこと。
かまわないけど、ランチも一緒にと思ってメニューをみると、ベーコンとチーズにハチミツとか、ベーコンとアボカドとか、三種類のホットサンド、どれもうまそうだが、きのう玉ねぎのかき揚げ饂飩を食べたら晩酌が進まなかったことを思い出した。
いつも納豆だけのランチなのに、こんなエネルギッシュなのを食ったら罰が当たる、値段も高いし。
そういうわけで、何も飲み食いしないで、店を出て桜新町まで出た。
夜は居酒屋になっている地下の店、いちども降りたことがなかったが、きょうは「うどん」の看板が出ているので、後学のために降りていく。
むっと地下特有のこもった臭いがして、引き返そうと思ったけれど、ここが我慢のしどころ、なんてまったく南西諸島じやない、ナンセンスなことを考えて店に入った。
暗い店、カウンターに一人、五つのテーブルのうち空いている一つに坐って「うどん」540円を注文する。
中年の男が料理番、それより若い女性がその手伝いや配膳、会計を受け持っている。
「いらっしゃいませ」「お待たせしました」「ありがとうございました」をびっくりするくらい明るい声でいうほかは、不機嫌なのかと思うくらいに無言でよく働いている。
ずいぶん待った挙句に食べた饂飩は、硬くて、昔新宿でよく食べた「黒うどん」を思わせたが、その量はまるで僕の心中を察したかのごとくに少なかった。
そして、まあまあ、の味だった。
カフエによるのは節約してバスで帰って、「現代イタリア短編選集」でジョルジョ・バッサーニの「一九四三年に一夜」を読む。
僕の生まれた年の12月、イタリアフェルラーラで、フアシストたちが反対の市民11人を銃殺した。
町中に知られている人たち、名前だけでなく肉体的、性格的な特徴まで知られている人たち、鼻眼鏡の小さなレンズのうしろで水色の目を細めて笑ったその表情、足を引きずるような歩き方、腕を振り上げ、遠くから「こんにちは!」と叫んだ挨拶の仕方、、ほとんどすべてを知り合い、ともに成長した人たちがなぎ倒されたのだ。
それを通りの向こうから目撃していた薬剤師(またもや!)が、戦後主犯を裁くべき法廷の証人になりながら、「寝ていました」と語る話だ。
ついで読んだのは、マンスフィ―ルドの「大佐の娘たち」。
雷親父だったらしい大佐が死んで遺された姉妹、このままでは「行かず後家」になりそうな、頼りない二人が父の死後一週間をどう過ごしたか。
大佐はどんな気持ちで死んでいったのだろう。
(ときどきサンチをくすぐったりして本を読む)
見習いらしき若い男女も同席、ぼくの裸を見やがった。
せっかくだから、目の下の「加齢による皮膚のシミ」を液体窒素でとってもらった。
隆起するシミもあるのだ。
松陰神社あたりで降りてぶらぶら散歩しようと思っていたら、そっちに行かないで世田谷警察の方に左折して、知らない町並みを見ることができた。
窓から覗いていたら、店の女性と目があって、ふらふらと入っていく。
かまわないけど、ランチも一緒にと思ってメニューをみると、ベーコンとチーズにハチミツとか、ベーコンとアボカドとか、三種類のホットサンド、どれもうまそうだが、きのう玉ねぎのかき揚げ饂飩を食べたら晩酌が進まなかったことを思い出した。
いつも納豆だけのランチなのに、こんなエネルギッシュなのを食ったら罰が当たる、値段も高いし。
そういうわけで、何も飲み食いしないで、店を出て桜新町まで出た。
むっと地下特有のこもった臭いがして、引き返そうと思ったけれど、ここが我慢のしどころ、なんてまったく南西諸島じやない、ナンセンスなことを考えて店に入った。
暗い店、カウンターに一人、五つのテーブルのうち空いている一つに坐って「うどん」540円を注文する。
中年の男が料理番、それより若い女性がその手伝いや配膳、会計を受け持っている。
「いらっしゃいませ」「お待たせしました」「ありがとうございました」をびっくりするくらい明るい声でいうほかは、不機嫌なのかと思うくらいに無言でよく働いている。
そして、まあまあ、の味だった。
僕の生まれた年の12月、イタリアフェルラーラで、フアシストたちが反対の市民11人を銃殺した。
町中に知られている人たち、名前だけでなく肉体的、性格的な特徴まで知られている人たち、鼻眼鏡の小さなレンズのうしろで水色の目を細めて笑ったその表情、足を引きずるような歩き方、腕を振り上げ、遠くから「こんにちは!」と叫んだ挨拶の仕方、、ほとんどすべてを知り合い、ともに成長した人たちがなぎ倒されたのだ。
それを通りの向こうから目撃していた薬剤師(またもや!)が、戦後主犯を裁くべき法廷の証人になりながら、「寝ていました」と語る話だ。
雷親父だったらしい大佐が死んで遺された姉妹、このままでは「行かず後家」になりそうな、頼りない二人が父の死後一週間をどう過ごしたか。
大佐はどんな気持ちで死んでいったのだろう。
夕方になって、洗濯物を取りこんだら、嬉しやほとんど乾いていた。
これが、僕の連休の一日でありました。
オマケ、けさ食べた「球貴」というどらやき。 北海道産の白いんげん豆をじっくり炊いた白餡に丹波の黒豆を重ねた豊かな味わい、と。
「重ねた」?その具合を確かめずにうまいうまいと食ってしまった。
これが、僕の連休の一日でありました。
オマケ、けさ食べた「球貴」というどらやき。
「重ねた」?その具合を確かめずにうまいうまいと食ってしまった。
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daikatoti at 2022-05-03 15:14
うどんが随分不思議なうどんで見入ってしまいましたが、
具はキャベツだけなんですか?
そもそもキャベツの入ったうどんというのを初めて見ました。
お汁はとろみがついているのかしら。
きっと手打ちのうどんなんでしょうね。
具はキャベツだけなんですか?
そもそもキャベツの入ったうどんというのを初めて見ました。
お汁はとろみがついているのかしら。
きっと手打ちのうどんなんでしょうね。
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saheizi-inokori at 2022-05-03 16:39
> daikatotiさん、そうなんです、ちょっと不思議ですよね。生のキャベツだけ、それに薬味のネギとアラレ。
とろみはないのです。しかし思いのほかダシは利いてました。手打ちなんでしょう、硬いのです。
とろみはないのです。しかし思いのほかダシは利いてました。手打ちなんでしょう、硬いのです。
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koro49 at 2022-05-03 19:48
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hisako-baaba at 2022-05-03 21:01
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saheizi-inokori at 2022-05-03 21:33
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saheizi-inokori at 2022-05-03 21:36
by saheizi-inokori
| 2022-05-03 12:03
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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