喰いたいものばかり
2022年 03月 27日
「春の郷土料理」と題して各地の春の美味しいものが写真入りで載っている。
愛知の「黄いないおこわ」(クチナシの実と黒豆を入れて炊いたおこわ)、名古屋の人たちは黄色のことを「黄いない」というのだ。
秋田のmomoさんのブログでいつも涎を垂らしてみているフキノトウは島根ではそのまま「ふきのとう味噌」として載っていて、秋田の「バッケ味噌」のような土地独特の呼び方はないのかな。
山梨では「せいだのたまじ」というのも載っている。
江戸後期の飢饉を救った代官、中井清太夫の名前が入った味噌味のジャガイモの煮っころがし。中井は九州から取り寄せたジャガイモの種イモを配ったそうだ。
たまじ、とは小さなジャガイモのこと、小さくとも無駄にするなという教えらしいが、今の僕には大好物だ。
そういえば、山形の「わらびのたたき」が載っているが、わらびは中学の学校行事で菅平に遠足に行って、わらびを刈って来た。
それを売って学校の予算に充当したのだ。
それで、わらびをおひたしにしたり味噌汁の具として食べたことを、少しづつ思い出した。
あれは郷土料理というのだろうか。
わらびや野蒜など、きっと子供の頃も食べたはずなのに、うまいうまいと、眼の色を変えて食いたくなったのは、大人になってからだ。
あれは、食いものそれ自体より、郷愁の味を求めてのことかもしれない。
天保期に作られたものだというが、ここに載っているものは、ほとんど全て僕の今一番食いたいものばかりだ。
切り抜いてキッチンの壁に貼っとこうかな、カミさんが作ってくれるかもしれない。
きのうは、きんじょの花の様子をうかがいに出たら突然の雨、早々に引き上げた。
今日、満開になりそうだ。
「春」の部の《わらびがんもどき≫以外は、食べたことがあり
なんか訳も無く嬉しい気分になってしまいました。
食欲があって、食べたいものが食べられる歯や内臓があって、材料が調達できる環境で、作ってくれる・あるいは作れる環境、それらのどれもが大切。「感謝」しかないです。