日本の少子化を助長する直系家族的価値観
2021年 12月 29日
今日もいい天気、窓ガラス拭き、毎週簡単にしているからそんなに汚れてはいないけれど、例年の暮れにしたようにピカピカにはなっていない、まあ、いいとしよう。
餅をいただいて、カミさんは餅きりに持ち切りだ。
年末になると、必ず子供のころの一家そろって(といっても三人)のいろいろを思い出す。
のし餅を切るのは僕だった、なまこも薄くかき餅にして一冬食いまくり、カビが生えても水に漬けて食った。
畳をあげての大掃除はもっと早い晩秋にやったな。
障子紙を破るのが楽しかった。
藁を焼いた灰を炬燵に足して、初めての火入れ、温かく、足先に湿り気を感じた。
ラジオで「思い出の映画音楽特集」なんてのをずっと聞きながら、石油ストーブの上でゴマメを煎ったり、さやえんどうの筋を取ったり、よく働いた暮れ、母が会社を休んで家族そろってやるということが嬉しかった。
きのうは都立大学・タクパンで全粒粉食パンとクルミパン、栃木屋でトンカツと大山鶏ささみカツを一枚づつ買った。
ちょっと覗いたら空いているので、カフエラミルで本を読む。
揚げたてのカツを包んだ袋の口を開けたままにしているので、カツの匂いが漂ってコーヒーのそれと年の瀬の円舞曲を踊った。
トッドの「老人支配国家日本の危機」を読み終えた。
人口動態や家族形態を通して長いスパンで、先入主をもたずに歴史と未来予測をする。
いわゆる一般常識から外れた観方にとまどうこともあるが、なるほどと首肯することも多い。
白人男性の自殺が増えていることからトランプの当選を予想し、乳児死亡率の高さからソ連の崩壊を誰よりも早く予想した男なのだ。
だってトッドは次のようにもいうのだ。
餅をいただいて、カミさんは餅きりに持ち切りだ。
のし餅を切るのは僕だった、なまこも薄くかき餅にして一冬食いまくり、カビが生えても水に漬けて食った。
畳をあげての大掃除はもっと早い晩秋にやったな。
障子紙を破るのが楽しかった。
藁を焼いた灰を炬燵に足して、初めての火入れ、温かく、足先に湿り気を感じた。
ラジオで「思い出の映画音楽特集」なんてのをずっと聞きながら、石油ストーブの上でゴマメを煎ったり、さやえんどうの筋を取ったり、よく働いた暮れ、母が会社を休んで家族そろってやるということが嬉しかった。
ちょっと覗いたら空いているので、カフエラミルで本を読む。
揚げたてのカツを包んだ袋の口を開けたままにしているので、カツの匂いが漂ってコーヒーのそれと年の瀬の円舞曲を踊った。
人口動態や家族形態を通して長いスパンで、先入主をもたずに歴史と未来予測をする。
いわゆる一般常識から外れた観方にとまどうこともあるが、なるほどと首肯することも多い。
白人男性の自殺が増えていることからトランプの当選を予想し、乳児死亡率の高さからソ連の崩壊を誰よりも早く予想した男なのだ。
欧州はユーロと共に死滅しつつある。アジアで、日本、中国、韓国、台湾、インドネシア、フイリピンなどが「アジオ」とでもいう単一通貨を作った時のことを考えてもみよ、まず台湾、そして産業力の弱い国から順に崩壊していく。
ユーロで独り勝ちをしたのはドイツ一国だ。
統計と比較を統合したピケティの方法の力は驚くべきものだ。(略)いささか間抜けな先達の同業者とは異なり、欲求についての単純な公理系から始めることを拒否した。つまり、経済学の教科書の冒頭にあるような「経済人」(なつかしいなあ)を前提に置かなかった。『経済人』なる概念は、歴史のなかで観察される現実とは無関係である。ピケティの「21世紀の資本」について、この傑作のどこが優れているかを解き明かすのを読むと、もう一度あの大部な本に挑戦したくなる。
だってトッドは次のようにもいうのだ。
どのような突然の驚くべき危機が起これば、計器の針がゼロに戻り、我々年老いた先進国は民主的な再出発を果たせるのだろうか。この本を読んだ後に去来するのは、そんな思いである。あるいは逆に、豊かだが再び格差が非常に拡大した世界に、かつてなかったような、一見ソフトだが世界を包摂する支配形態が出現するのかもしれない。日本の問題については
結局のところ、経済という機械を暴力的に停止させる方が望ましいのではないだろうか。一握りの人々が支配する世界を子孫に押しつけないためには、その方がいいのではないだろうか。
私たちはすでに現状を変える針路をとる米国のリーダーを夢見はじめている。あまりに世襲財産的なヨーロッパは、自分たちがすでに「第三次世界大戦」—今回は経済戦争だが―の只中にいることを認識していない。本書を読めば、そのことが理解できるだろう。
移民をもっと受け入れるべきだとしても、根本的な解決にはなりません。今日の日本社会の最大の問題は、直系家族的な価値感が育児と仕事の両立を妨げ、少子化を招いていることです。家族のことを家族にばかり任せるのではなく、出生率上昇のために国家が介入すべきです。政府が真っ先に取り組むべきは、経済対策よりも人口問題だと考えます。
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ikuohasegawa at 2021-12-29 14:46
トッドの「老人支配国家日本の危機」
amazonから届いて列の後ろで並んでおります。
amazonから届いて列の後ろで並んでおります。
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saheizi-inokori at 2021-12-29 15:06
> ikuohasegawaさん、正月読み始めにはなりませんか。
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20070707open at 2021-12-30 18:24
餅きりに持ち切りが私的にツボ~(笑)
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saheizi-inokori at 2021-12-31 11:25
by saheizi-inokori
| 2021-12-29 13:23
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
Comments(4)