不思議な記憶

歯の間にはさまったものが取れないようなもどかしさ。
歯磨きをしていて思い出したX君のこと、まざまざとあの美しい笑顔や真面目な話しぶりまで思い出すのに、なんと名前が思い出せないのだ。
これじゃ、あっちで再会した時に呼びかけられないじゃないか。
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ときどき鮮明に思い出す風景、それはぶらり一人旅で歩いた場所の風景だ。
絶景とかうまい物を食った場所とかではない。
むしろ殺風景な道路際で、信号待ちをしていたときに見るともなく見ていた警備のオジサンの姿のようなものだ。
ああいう光景をいつまでも覚えているって、どういう脳の働きなのか。
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名前は最初に忘れていくものなのだろうか。
この間書いた「奇跡のレッスン」では、なんとかいう(ほらほら)作家が、子供たちに「モノに名前をつけてごらん」と教えていた。
公園の梯子に、ベンチに、名前を付けて、公園にも名前を付ける。
そうすると、「星の王子さま」(思い出した!)のように、そのモノが特別な者になって、そこからお話が始まる。
だから、逆に言えば名前を忘れると、物語が終わっていくのかもしれない。
たしかに終わらせたい物語も多いなあ。
でも、いつまでも覚えていたい物語もあるのだ。
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まだX君の名前が出てこない。
でもX君の物語は忘れたくないから、意識してあの頃のことを思い出そう。
そうすれば再びX君の名前も思い出せるはずだ。
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思い出すための記録です→「花も嵐も乗り越えて鉄道人生44年」
Commented by tona at 2021-12-12 15:06 x
お医者通いが忙しくて大変ですが、その合間にブログを毎日欠かさず、もう一つのブログもそのようで、感心するばかり。頭の回転がずっと今も変わらず早いのですね。
誤字もないし、同じことは書かれないし、メリハリがあって、だから頭が鈍化せずお若い頃と変わりないんですね。凄く反省しました。何だか忙しがって、大したこともやっておらず、もう頭の中がめちゃめちゃに壊れているのも、年取ったせいだけでなくメリハリのない怠惰な生活のせいもありますね。勉強もせず、努力という言葉も忘れていて、反省しても追いつかないです。
Commented by saheizi-inokori at 2021-12-12 16:32
> tonaさん、何をおっしゃいますやら、あれだけの街道歩きを細かくお書きになって、ひたすら敬服しています。
Commented by touseigama696 at 2021-12-13 08:43
そう云えばそうですね!
妙な事覚えているもんです
50年前 西海岸に取材した折り
ロスで乗ったタクシーがパトカーに
捕まったのです
どうやらスピード違反
暫くやり取りがあって何と
警官と運転手は手を握り 
幾ばくかの金を渡してチョン
全ては私の目の前でのこと
誰がいようとお構いなしの闇取引
流石に金額は見えませんでしたが
日に何度か繰り返せばいいお小遣いでしょ(笑)
ホント変なこと思い出しますね(笑)2

Commented by saheizi-inokori at 2021-12-13 09:28
> touseigama696さん、でもそれはかなりドラマチックな出来事です、覚えているのも当然かもしれないですね。
私は、なんの意味もない光景を思い出すのです、それが不思議です。
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by saheizi-inokori | 2021-12-12 11:08 | よしなしごと | Comments(4)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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