海を見ながら

次男夫妻が初めて自分のマンションに住んで、もう一年半近くになるのに、訪れたのは昨日が初めてだ。
いくらコロナ禍だとはいえ、一時間もあれば行けるところなのに、冷たい親だと忸怩たる思いも噛みしめながら、サンチともども夫婦で出かけた。
カミさんは、何日も前からうきうき、お土産のケーキを買うからといって一時間も早く家をでる。サンチは久しぶりの外出ではしゃいでいたが、窮屈なバッグに押し込められて、勝手が違ったようだ。
この上からハットをかぶせてしまったのだ。
ゆりかもめに乗るのは何年振りか、窓から見える高層ビルや東京湾の景色にわくわくする。
一駅手前の竹芝で降りると次男とシイが迎えにきている。
シイは覚えていてくれて狐みたいな尻尾を大きく振りながらじゃれつく。
日の出駅まで岸辺を散歩する。
やっとサンチは外に出られて、あっちの匂いこっちの臭いとチエックに余念がない。
シイちゃんは相変わらず、おしりをくねらすモンローウォークだ。
マンションのリビング、すでに二匹のワンちゃんが座って海を見ている。
選手村、豊洲市場、ベイブリッジ、、、島通いの船、見ているこちらも船に乗っているような気分。
リビングやトイレにカミさんの絵が何枚も飾られているのは嬉しかった。
新しい部屋に額装で飾られると格別な味わいになっている。
今日は「和食」、僕は最初から「お父さんには特別にいいお酒」を飲む、たしかに特別。
「ジャコと茄子、アーモンド、カシューナッツの甘辛煮」、僕がこういうのスキだと次男が言ってくれた由、好きスキ。
「インゲンとほうれん草のゴマ和え」、こういうのも好き。
「タイのカルパッチョ　レモン風味」、和風といっても若者が作るとこうなる。
もっと食いたかった「スペアリブとルッコラ」、そして野菜サラダも「ミニトマト　モツアレラチーズ」となる。
オープンキッチンで、作りながらいっしょに話をし、こっちにきてワインを飲むＭちゃん。
会うたびに料理の腕が上がるなんて上から目線が恥ずかしくなるほどの境地に進んでいる。
みんなと話していると、僕だけの考えが違うこともあって、寂しいような、そういうことか、もう老いては、、なのかとも思う。
これからの次男の生活が大きな変化・飛躍を迎えているようだ。嬉しいような誇らしいような、ちょっと不安でもある。
さらに「白菜と挽き肉のグラタン」を食い、ひとしきり飲み、話したところで、Ｍちゃんが立って、今度は「皮付きレンコンの蒸し煮」と「鶏むね肉のハム／手製　ローズマリー」。
シイとサンチにも食事をさせ、みんなで遊んでやる。
シイがサンチの飯を奪おうとするのでサンチは戦々恐々、大急ぎでかっこむ。
ひとりでさっさと歩いて行って、敷いてあったおしっこシートの真ん中におしっこしたのには一同拍手喝采。
「鰻とシソと茗荷の混ぜご飯」とお澄まし。
御持たせのケーキ。
うまいのでグイグイ飲むのを次男が微妙に制御してくれて二本目を開けずにビールで調整。
おかげで無事に帰宅、今朝もストレッチと筋トレができた。