半藤一利と中村哲の遺言 「墨子よみがえる」

きのう、せっかく親切に人事のあり方を教えてやったのに岸田のやつ、まったく聞く耳をもたなかったようだ。
はやいとこ、選挙で追い出すしかないようだ。

敵基地先制攻撃について、岸田は「ひとつの選択肢」といい、政調会長になる高市は、「敵基地を先に無力化」するといっている。
その彼らが、コロナ後に対する経済復興のために数十兆円の予算を組むという。
東北大震災復興の予算で九州の道路の改良に金を使う自公政権だから、とんでもないことに金を使って、名実ともに戦争のできる国を作り上げることも大いに考えられる。
五輪の金、広島の1億5千万円、森友の闇、、闇の中でつかわれる税金とは桁違いの金が軍備に費やされるかもしれない。
内部留保を増やすことしか考えない大企業にとって、最大の成長分野は軍事産業だろう。
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半藤一利は、2011年東北大震災の後に書いた本書のあとがきでこう言っている。
このあと注意しなければならぬのは、これからの長く頼りない迷走と全体的な無力感と不安感のつづくなかで、国民のこころのうちに醸成されてくるのは力への誘惑である、ということです。大正の関東大震災おあと間もなく軍靴の音が高くなった、という歴史的事実がそれを証明します。
そのときにこそ、墨子です。われら日本人はひとしく、これまでの文明謳歌のキンキンギラギラをやめて、昔ながらのつつましい生活に戻って、義の貴さをしっかり守りつつ世のため人のために奮闘努力する。これです。それがよき日本再建のための捷径である、これ以外にはない、と考えます。
PR誌に連載中、体調不良となり、「日は西山に傾くとき」というのに、スポンサーのための仕事なんかちょこちょこやって生命をちぢめるなんてアホの骨頂である、これからはもうおのれがやりたいことだけに打ち込んで、奮闘努力しなければならないときだ、と思い定め、それからは、やたらと「余談ながら」を連発して、自分の書きたいことを委細構わず書き込んでいって、みずからが大いに楽しんだ。
それを主体に出来上がった本だから面白くないはずがない。
時のリーダーたちの冷酷無責任無能に対する憤怒、にもかかわらず彼らの大言壮語に騙されて散っていった特攻隊の青年たちに対する哀惜が繰り返しのべられる。

「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」を信条として、誰しもが「出来っこない」「現実的ではない」としたアフガニスタンの戦場における荒地の灌漑事業をやり遂げようとする中村哲のことを知り、彼こそ「今の日本にいる墨子だ」という。

半藤が引く中村哲の言葉を孫引きする。
「戦争もつきつめれば、外交手段の一つです。9条の主旨はつまり、武力による外交手段を放棄する、というものですね。ということは、武力に頼らない外交手段を、あらゆる手をつくして模索する、という宣言でもあるんです。それを(日本人は)きちんと果たしてきただろうか。それがまず、大きな疑問ですね」
「よく、理想だけではやっていけない、ちゃんと現実を見なければ、と言いますが、それこそが”平和ボケ”の最たるものです。それは、マンガや空想の世界でしか人の生死の実感を持てない、想像力や理想を欠いた人の言うことです。
現実を言うなら、武器を持ってしまったら、必ず、人を傷つけ殺すことになるのです。そして、アフガニスタンやイラクで起こっているように、人が殺し合い、傷つけ合うことの悲惨さを少しでも知っていたなら、武器を持ちたい、などと考えるわけがありません」
「これまでのどんな戦争も『守るため』に始まった。『自国を守るため』という名目で外に行って、非道なことをしているんです。悪いことを始めるときに本当のことを
言って始めるわけじゃないんです。大義名分を押し立てて始める。それが現実なんです」
「まだいまは、日本に憧れ、尊敬してきてくれた世代が(中東の)社会の中堅にいますが、この次の世代からはもう、日本の見方が変わります。おそらくアメリカと同様に攻撃の対象になるのではないか、と思わざるをえません」
日本は半藤と中村の予言通りになりつつあるように思えてならない。
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Commented by miyabiflower at 2021-10-01 12:25
父が遺した半藤氏の「昭和史」を1年以上前に読み進めていたのですが
戦前のメディアや世の中の様子があまりにも「今」に似てたので
なんだか怖くなって読むのをやめてしまいました。
でもまた読み進めようと思います。
戦後編もあるのでそれも・・・。

総裁選のおかげで「論功行賞」という四字熟語を覚えました。
功を論して賞を行うと。出典は三国志だそうですね。
表紙だけ取り換えた本をまた買わされた、と言ったところでしょうか。
Commented by saheizi-inokori at 2021-10-01 14:21
> miyabiflowerさん、総理大臣(になる)人が政治家の「功」を誉めるなら、それは国に、国民に対する「功」を誉めるべきであって、おのが権力奪取に対する貢献ではないのじゃないか、なんて考えたりしてます。
「昭和史」、読もうかな。
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by saheizi-inokori | 2021-10-01 10:18 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(2)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


by saheizi-inokori
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