一匹の病み呆けた星

土曜日、大掃除の日だが、クイックルのハンディ取り換え用が切れていたので、これ幸いと高いところや台の下の奥の方の掃除を手抜きする。
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朝食後、買い物に出る。
薬局が午前中でおしまいだし、少しでも涼しいかと思った。
図書館によって読んだ本を返し、あたらしく借りる。
僕は障害者だから一ヶ月の貸出期間なので、9月5日までにお返しください、と書いた貸出票をもらう。
9月かァ、ずいぶん先の話だなあと思っていると、ときどき読み切れずに返すことになる。
今日返した「9条の戦後史」がそれだ。
読み始めれば面白いのに、読み始めることが少なかった。
本を読む時間がとれると、こっちよりも「星のなまえ」のほうに手が出てしまう。
じっくり考えながら読むのに必要なまとまった時間が取れなかったことと、時間はあっても、しんどい気分が先に立ってしまった。
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図書館から坂道を上がり薬局により、さらにまた坂を歩いてスーパーマーケットで、桃やバナナ、ジップロック、ラップ、クイックルハンデイ、トマトなどなどを買う。

図書館に併設のワクチン接種会場は、僕の時より若い人たちがいっぱい注射後の休憩を取っていて、薬局も三人も客がいて、スーパーも結構人が入っていた。
家に帰って、パソコンを開いたら、きょうはバナナの日だった。
とくにセールなんかしてなかったなあ。
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「星のなまえ」から、丸山薫のこと。
丸山は「海の詩人」といわれるが、けっこう星の詩が多いそうだ。
大分生れ、官吏の父の転勤のために、長崎、東京、京城、松江など各地を転々としたから、どこにいても「エトランゼエ(異邦人)」の思いがはぐくまれ、「いつも近くに在るものを無視して遠方だけをあこがれる子供になっていた」。
東京商船学校に入学したが、脚気になり退学、三高、東大国文へと進む。
東大の時に「新思潮」同人となって「病みたる王とその王子」という詩のようなものを発表する。
その作品のⅡで、王子が宴会が果てた部屋で目にした奇怪な光景。
何処から忍び込んだものでせうか。一匹の病み呆けた星が爛々とした燐光を放ち乍ら、今しも、王子の飲み残された杯の縁に降りとまって、その朱肉色に澱んだ酒を音もなく啜ってゐるではありませんか。
高橋は、星を一匹とかぞえたのは、古代の人びとのように、星を蛍の種族のようにとらえたのかもしれない、という。

怒った王子が拳銃で撃つと、杯が砕かれ、星は外に飛び出し、こんどは「カタリと微な音をたて乍ら、その下の庭園の上に消え落ちたのです。」
星のすがたは見あたらず、
唯、其処には宮殿の甍の上を幾千万の星が静かに黎明の額から滑り落ちて行くのをご覧になるばかりでした。
丸山は商船学校で練習船に乗り、沖へ出て、灯りといっては船のランプだけという闇の中で、息を吞むほどに美しい星空を見上げた。その感動と郷愁がこのような星の荒唐無稽な物語となったと高橋。
僕も練習船に乗ってそんな星空を見たかった。
船酔いはなんとか克服するとして。
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昨日の午後の空、夕立を期待したが空しかった。

Commented by at 2021-08-08 06:44 x
丸山薫というと、まんさくの花について書いた詩を思い出します。
今回調べてみて、疎開先の代用教員時代の作品だと知りました。
子供たちに絵を描かせている教師と生徒たちとの魂の交流。
史上の麗しい景観ですね。
Commented by saheizi-inokori at 2021-08-08 09:54
> 福さん、山形でしたっけ、高い山腹の崖に住み、「手を突き出すと 私の掌のひらは星と同じ空間に在り 足を伸ばせば 足のうらは星を蹴りそうになった」と書いているそうです。

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by saheizi-inokori | 2021-08-07 13:08 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(2)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


by saheizi-inokori
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