男は黙って
2021年 06月 21日
梅雨の合間、梅雨の最中、どっちにしてもセッセと洗濯、でも今日は乾きそうだ。
だるくて気力が充実しないのは、ワクチンのせいではあるまい。
老いのワクチンなんてないだろうな。

ワイオミング州、猟区管理官ジョー・ピケット、シリーズの第一作。
一日で読む。
ジョーと愛妻・メアリーベスはお腹の中に男の子、7歳になるシエルダンと3歳のルーシーが住む官舎は、
(長男の支援で買ったラジカセ)
ジョーは隣地区の猟区管理官・ウエイシーと保安官所助手・マクラナハンとともにエルク・キャンプに行く。
オートの仲間のレンゼグラブとメンデスが殺されてアナグマに食われていて、隣のテントから出てきた男がライフルを持ち上げたので、マクラナハンとウエイシーが、打ち殺す。
それで事件は一件落着、となるはずだったが、ジョーは、事件の真相を突き止めようとする。
先輩や上司たちが、陰に陽に「手を引け、お前のためにも家族のためにもならない」という。
絶滅危惧種が絡んでいるようで、絶滅危惧種を発見すると、自然保護団体などが押しかけてきて、いろんな規制をかけて地区の人々の生計が脅かされるのだ。
オートとレンゼグラブとメンデスは、それぞれ「あの世に持って行って欲しい」と遺族が望む神聖な品物ととともに埋葬される。
それは、

大事な面接の日付を間違えたり、新人研修の時に許可証を持たずに釣っていた知事を検挙したり、チョンボも多いジョーだが、仕事には誠実な正義漢で、いざ家族の危機となると別人28号に変身する。
ジョーの言葉についての考え方。
自然保護の連中に対するシニカルな見方。
訳者・野口百合子が、あとがきのなかで、ジョーが書評の中でしばしばゲイリー・クーパーに比せられていると書いているが、僕はクリントイーストウッドを思い浮かべていた。
もっとも、僕は映画俳優の名前をろくすっぽしりゃあしないのだが。
だるくて気力が充実しないのは、ワクチンのせいではあるまい。
老いのワクチンなんてないだろうな。

一日で読む。
ジョーと愛妻・メアリーベスはお腹の中に男の子、7歳になるシエルダンと3歳のルーシーが住む官舎は、
窓の向こうには夏からの緑がまだ残っている前庭があり、プラスティックのおもちゃが散らばっていた。その先には、最近塗り替えた白いフェンスが砂利道に沿って立っている。道の向こうで、大地はヤナギの茂った鞍部へと下っている。そこでトゥエルブ・スリーブ川は六本の流れに分かれ、あちこちにビーバーの池や蚊の天国のよどみをつくって、サドルストリングの町を通過する力強い奔流となる前に一息ついている。さらにその先で、谷は起伏を繰り返したあと急にせり上がり、トゥエルブ・スリープ山地の主峰の一つ、ウルフ山の切り立った前面へと続いている。その家のたきぎの山に血を流した怪物がいると、シエルダンが報告したが、それはアウト・フイッター(アウトドア・レンジャーのサポートを行うガイド)のオート・キーリーで、少し前にジョーが密漁現場を見つけて、取り締まり切符を切ろうとしているときに、腰のピストルを奪われるという恥辱を与えた男だったが、もはや死体となっていた。
前にはウルフ山がそびえ、後ろには丘陵地帯と峡谷が迫っているために、町から十三キロ離れたピケット家は長く伸びる深い影の中で暮らしている。

ジョーは隣地区の猟区管理官・ウエイシーと保安官所助手・マクラナハンとともにエルク・キャンプに行く。
オートの仲間のレンゼグラブとメンデスが殺されてアナグマに食われていて、隣のテントから出てきた男がライフルを持ち上げたので、マクラナハンとウエイシーが、打ち殺す。
それで事件は一件落着、となるはずだったが、ジョーは、事件の真相を突き止めようとする。
先輩や上司たちが、陰に陽に「手を引け、お前のためにも家族のためにもならない」という。
絶滅危惧種が絡んでいるようで、絶滅危惧種を発見すると、自然保護団体などが押しかけてきて、いろんな規制をかけて地区の人々の生計が脅かされるのだ。

それは、
アメフトチームのジャンパー、ハンテイング帽、スポッティングスコープ、ツール・ケース、肉用鋸、ゴアテックス製のブーツ、サドル・ケース、巨大なムースの角、テレビ、ビデオデッキ、なめした獣の皮、<幸せは血のしたたるはらわた>と書いたTシャツ、ポルノ雑誌の山、シュミット・ビールのケースなどであり、三つの棺はオートの遺言で四駆のフォードのピックアップの荷台につまれ、穴の中にフォードもろとも埋葬された。

ジョーの言葉についての考え方。
ジョーはつねに、個人の発言はかぎりのある流通貨幣のようなものだと考え、貯えを重んじてきた。言葉を浪費したり、不必要に使うのはいやだった。ジョーにとって、言葉は物と同じで、賢く使われるべきだった。自分が言いたいことを正確に表現するために適切な言葉を思いつくまで、彼は長い間黙っていることがあった。ときには人々は困惑したが(頭が鈍いと思われるのではないかと、メアリー・ベスはいらだっていた)、ジョーは平気だった。(略)
経験上、いちばん多くしゃべる人間は、言うべきことをいちばんもたない人間だった。生涯のあいだに言える言葉の数が決まっていたらいいのに、と思うことがあった。数が尽きたら、その人間は黙らざるを得ない。
自然保護の連中に対するシニカルな見方。
ほんとうは自分たちのためにやっているのに、動物たちのためにやっていると言う人間がいっぱいいるだろう。彼らは、動物の中に実際はないかもしれないものも見ている。ときには、それは結果的に動物を傷つけるし、ほかの人々も傷つけることになると思う。動物好きなシエルダンに言い聞かせるのだ。
訳者・野口百合子が、あとがきのなかで、ジョーが書評の中でしばしばゲイリー・クーパーに比せられていると書いているが、僕はクリントイーストウッドを思い浮かべていた。
もっとも、僕は映画俳優の名前をろくすっぽしりゃあしないのだが。

ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
ふーん。こういう本か。ハリウッドムービー向きですね。
もう殺されちゃった肉はもったいないから頂きますが、動物好き。絶対保護できるものは保護の手を差し伸べたい。ただし動物を人間の側に引き寄せて、擬人化するのは嫌いです。
コメントになっていませんね...すみません...
もう殺されちゃった肉はもったいないから頂きますが、動物好き。絶対保護できるものは保護の手を差し伸べたい。ただし動物を人間の側に引き寄せて、擬人化するのは嫌いです。
コメントになっていませんね...すみません...
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by saheizi-inokori
| 2021-06-21 12:21
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
Comments(6)