ＡＩはまだ存在しない 「ＡＩvs.教科書が読めない子どもたち」

むかし、ちょっと古くなったものを食べるときに「キショウダイキショウダイ」とお呪いを唱えた。
気象台の天気予報は当たらないのが相場だったから、古いものを食べても「当たらない」ということだった。
今の天気予報は、人工衛星のおかげもあって、とてもよく当たるから、そんなお呪いは逆効果になりかねない、、はずだったが、梅雨に関する限りでは記録的に早い梅雨入りというのが、当たらなかったようで、今日もカンカン照りではないか。
短期予報は当たっても長期予報は難しいということかもしれない。
洗濯にはありがたいが、農家は困っているだろう。昨日は、都立大学へパンを買いに行った。
バスに乗る前に、ワクチン接種会場を兼ねている図書館（区民ホール）によったら、ずいぶんたくさんのジジババがいる。
なんとなく晴れがましいような明るい空気が流れていた。
受付のスタッフが、僕のときと同じ人だと思うが、明るく大声で「こちらにどうぞ」とかやっている。
耳の遠い人が（僕もだが）多いからしょうがないのか。
図書館で借りた「ＡＩvs.教科書が読めない子どもたち」をカフエで読んだ。
「東ロボくん」と名づけたロボットで東大合格のチャレンジを続けていた（2016年凍結）、1962年生まれの数理論理学者の問題提起の書。
といっても、僕は「心を病んだらいけないの？」で本書のことを知ったのだ。

ＡＩは神に代わって人間にユートピアをもたらすことはないし、その能力が人智を超えて人類を滅ぼしたりすることもありません、当面は。当面と言うのは、少なくともこの本を手に取ってくださったみなさんや、みなさんのお子さんの世代の方々の目の色の黒いうちにはということですが、ＡＩやＡＩを搭載したロボットが人間の仕事をすべて肩代わりするという未来はやって来ません。それは、数学者なら誰にでもわかるはずのことです。ＡＩはコンピューターであり、コンピューターは計算機であり、計算機は計算しか出来ない。それを知っていれば、ロボットが人間の仕事をすべて引き受けてくれたり、人工知能が意思を持ち、自己生存のために人類を攻撃したりするといった考えが、妄想に過ぎないことは明らかです。

AI技術はあっても、AI(人工知能)そのものは、まだ存在していない。

とはいえ「東ロボくん」は、東大には合格できないけれど、ＭＡＲＣＨレベルの有名私大には合格できる偏差値には達している。
人間の強力なライバルになれる実力はあるから、人間の仕事の多くがＡＩに代替される社会は迫ってはいる。
でもしかし、人間でしかできない仕事があるから安心せよ、、とは新井はいわない。
彼女は日本人の読解力について大がかりな調査と分析を実施した。
そこでわかったのは、

日本の中高生の多くは、詰め込み教育の成果で映画の単語や世界史の年表、数学の計算などの表層的な知識は豊富かもしれませんが、中学校の歴史や理科の教科書程度の文章を正確に理解できないということがわかったのです。

ＡＩは、英語の単語や世界史の年表を覚えたり正確な計算をすることは赤子の手をひねるようなものであるが、教科書の文章の意味を理解するのは苦手だ。
つまり、ＡＩで仕事を失った労働者が、ＡＩの苦手な仕事を引き受けるということは、言うべくして、現実には難しいということになりそうなのだ。
チャプリンの「モダン・タイムス」の時代に、ベルトコンベアの導入で失業した労働者が、ホワイトカラーとして働けるようになるには、大学教育の普及のためのタイムラグを必要として、それまでの間は、社会に失業者があふれたのと同じことが起きかねないのだ。（ゆうべ、録画を見た「チャプリンの殺人狂時代」）

ミステリだと、ネタバレになりそうな前書きにつられて、読み始めて40分、もっと読みたかったが席をたってバスに乗った。
朝寝坊のつけがこんなところに出てくるのだ。
きょうは党首討論があるそうだが、さて、またあのブッコレテープを聴くのも、なんだかなあ。

さあ、どうする！？スガ―リン
これでも逃げ回って国民の安全を脅かすのか！https://t.co/V6FH2X1jpL

— 佐平次 (@saheiziinokori) June 8, 2021