父親は理解されなくて当たり前 「ダブルオー・バック」

毎週金曜日の朝、NHK衛星「キャッチ世界のニュース」にマイケル・マカティアというアメリカ人が登場して、ダジャレを交えて達者な日本語でNYのタウン情報を伝える。
マイケルが出てくると、ちょっと憂鬱になる、というのも「もう金曜日か」、明日はまた大掃除をしなければならないのだ。
しかし、番組はけっこうおもしろくて、きょうは手作りのパイを他人と物々交換する男のルポ。
ベジタリアン、でっかいモッツァレラチーズを乗せたのなど、いかにもうまそうな創意あふれるパイ。
普通に売るほどたくさん作れないから、というわけで、人の作った料理などと交換する。
なかには彼のテーマソングを作詞作曲してくれるアーティストも。
僕なら、なにを持って行こうか、トイレ掃除でもやらせてもらおうか。
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この間、ことしの薔薇はイマイチと書いたら、そんなことないわよ、といわんばかりに美しい薔薇が咲き出した。
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そうかそうか、すまんこってした。
美しい花をありがとう。
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きのうは稲見一良「ダブルオー・バック」を読了。
一挺の猟銃が、四つの異なる人生を遍歴する連作短編集。
コミカルな一遍を挟み、癌に冒されたり仕事につまずいたり妻とうまくいかない、ストイックに自分流の生き方を貫く男たちの話。
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稲見が、完治できない肝臓がんであることを知って、記録映画の仕事を辞めて作家に専念して初めての作品集だ。

献辞に息子と娘の名を書いた。
あとがきで、子供と一緒に過ごす時間がなかったことにふれて
父親はちょっと離れた所で背を向けているもの、という考えがあった。父親は子供に理解されなくて当たり前で、理解などされたくないと思ってきた。
自分たちの父親は、出世も金もうけも人づきあいも下手だったが、よく働き、いつも何かを作ろうとしていた、というイメージを残せばいいと思ってきた。二人が誠実でやさしくしっかりした若者に育ったのは、まことに幸運だった。気もちを伝えるのに無器用だったお前たちの父親は、こんなところもあったのだ、とこの本を与えたい。
遺書みたいなあとがきだ。
作品の主人公は、まさに、そんな父親の分身のような男たちだ。

00-BUCKとは、鹿撃ちの猟銃に使われる弾のこと。
野生動物への愛情、銃や武器への執着、野外自然への憧憬をこめて、ぼくは狩の話を書いていきたい。
とも書いている。
9冊遺して逝った、そのうちの4冊を読み終わったわけだ。
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Commented by jyariko-2 at 2021-05-07 13:52
子どもを見る目が父親と母親とは違うことを
今更ですがこの年になってつくづく感じています
子供と向き合いかたがちがうきがします
子供に理解されないだろうな~って思うことよくあります
出世も金儲けも下手でよく働く父親 その背を見せることが
何よりなのかもしれないですね
Commented by unburro at 2021-05-07 14:02
父親って、大変ですね…
理解されないのに、頑張らなきゃならない…

まあ、母親だって、似たようなものかもしれませんね。
理解されたい、褒められたい、感謝されて当たり前、とか思っていたら、
やってられない…
どうして、こんな面倒臭い、割に合わないことを始めちゃったんだろう。
と、よく思ったものです。

しかし、その割には、子どもは親のことを理解していることもあります。
不思議ですね。
Commented by saheizi-inokori at 2021-05-07 17:09
> jyariko-2さん、父親は理解もされないし子供に対する理解も浅いかもしれません。
接する機会が少ないから。
でも最近の家族は一概にそうとはいえなくなっているのかも。
Commented by saheizi-inokori at 2021-05-07 17:11
> unburroさん、おっしやるように、親の情愛は見返りを求めないのが普通じゃないのでしょうか。そうとも言えないのかな。
Commented by okanouegurasi at 2021-05-07 23:21
親の愛は見返りを求めない>ー無条件の愛ーunconditional love .よく犬の忠実さや愛を表現するときに使っています。幼い子供たちにも当てはまりますよね。
私に蘇るのは臭いオムツの匂い。あんなこと、嫌だとも思わず嬉々としてできたなんて(笑い)
Commented by ginsuisen at 2021-05-08 08:28 x
マイケル見てまーす。
あと、映画情報も。ニュースは国際報道中心の我が家。総合NHKとスタンス違う気がするけど、結局NHKかしら?女性アナも知性ありそうで、お洋服も総合のようにデレデレしてなくて、きちっとしているのが好感持てます。
Commented by saheizi-inokori at 2021-05-08 09:42
> okanouegurasiさん、亡妻の看病で下の世話を手でやりましたが、あのときも汚いとは感じませんでした。
喜々としてはいませんでしたが。
Commented by saheizi-inokori at 2021-05-08 09:45
> ginsuisenさん、エイ、せいでしたか。
へい、さいでしたか、のつもり、マイケルの方がうまいね。
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by saheizi-inokori | 2021-05-07 11:59 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(8)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


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