書評はあてにならない 「葬られた勲章」(下)
2021年 04月 16日
封筒の宛名を破って、中身は資源ゴミにする、めんどうだ。
一年以上ご無沙汰していると、なんだかもういいや、みたいな気持ちになってくる。
もともと、僕はこういう、生の舞台を楽しむなんて、縁のない世界だと思って生きてきた。
現役最後の頃から、先達のお誘いがあり、ある種の虚しさみたいな気持ちに押されるようにして、毎週のように、ホール落語だ能だ文楽だ、ときには歌舞伎だなんて、身の程も弁えずに遊んでいたけれど、コロナのおかげで目が醒めたように、あれはやっぱり僕には縁の遠い世界だったのだと思うのだ。
とはいえ、寄席には行きたいし能楽堂で感じる異界にも未練はあるのだが。
言葉が出てこない、病院で先生に何かを言おうとして、もごもごしてしまう。
ブログを書くのにも、言葉が出てこなくて、さなきだに、ポツポツ入力で時間がかかるのに、今までの倍もかかってしまう(パソコンの速度もメッチャのろくなった)。
図書館で借りる本がなければ、この世は闇よ、というわけで昨日読み終わったのは、
紀州の、ほら、中島じゃなくて中上健次だったか、いやそうじゃない、青森の寺山修司だったかもしれない。
その作家の名前と彼の「劣情」についての言葉が見つかったとしても、じつは意味はないのだ。
このミステリの、頻発するサディスティックな暴力シーンを読んでいて、ふと「俺は今、劣情を刺激されてるな」と思い、誰かが劣情について警句を言ってたような気がしたというだけのことだ。
何年か前の、ミステリベストテンに入っていた本がようやく順番が来て読めたのだが、上巻を読んで、ありがたくもまだ少し覚えているうちに下巻が届いたので、皮膚科の待合室で読んだ。
劣情を刺激されて、スカッとすることも多く、それで性懲りもなく、こういうのを読むのだが、本書はスカッとしない。
評判(書評)の割には出来の悪いミステリだ。
だいたい主人公の蘊蓄がうるさい上に、彼の推理が強引すぎて不自然だ。
それに主人公は、誰も彼も止めとけと言うのに、命懸けで悪人をやっつけるのだが、報酬は誰からもらうのだろう。
ボランティアのヒーロー?んなバカな。
あと何冊読めるのか分からない人生、ミステリと言えども厳選して読まなければならない。行動経済学でいえば下巻など読むべきではなかった。
まして下巻を1000円も出して買わなくてよかった。
ということはアクションスリラー。
読んで面白い本と、映画にしてヒットする本とは違うようですね。
前夫が大学院にいた頃、彼の友人がハリウッドのプロデューサーの[リーダー』というアルバイトをしていました。
とにかく面白そうなものを読みまくって、映画化できそうな内容なら提案するのです。
5カ国語くらいできる子だったので、片っ端からすごいスピードでいろんな本を読んでいました。
ハリウッドの重役は、自分でちまちま読んでいては間に合わないようですね。
私も読むのが遅くなりましたが、それどころか、一旦読んだ本も内容を忘れるという始末で、また読んで楽しめるという、喜んで良いのか分からない状態です。
でもそうすると、小説本来の主人公の心中の推理などは表現しがたくなりますね。もっとも私はそれを買わないので、しかるべきアクションスターの魅力で売るしかないかな。
「ノマドランド」は、ぜひご覧ください!
寄席、文楽、能、歌舞伎をそのように感じるようになったのですか。
コロナがなかったらまだ夢中になっていらしたでしょう。
中身のない云々、私はもっとひどくて、認知症なりかけかと怪しくなってきました。
ブログを書こうにも言葉が出てこないのですから文章が書けません。ネット検索で関係語をいろいろ並べて言葉を引き当てたときは嬉しいですが、よほど時間がないと出来ません。これじゃーもうブログも終わりねという感じになってきました。
まあ、そうなったらもっと楽な気持ちで駄文を数行か等と悩んでいるこの頃です。
本もあと限られた冊数になってきましたね。読むのが超のろいので。途中でストップも多くなりました。今日も本屋で買いたい本が10冊くらいあって、でもやめました。買った本を貯めているのですから。