マット・スカダ―は健在だった 「石を放つとき」(ローレンス・ブロック)

毎週、都立大学のタクパンに食パンを買いに行く。
一つ手前のバス停、目黒区民センターで降りて新緑の庭を楽しみ、子供たちの遊ぶ姿と声も楽しみ、だらだらと柿の木坂を下って5分くらい、きのうは休みの店が多かった。
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タクパンで火曜日は定休日なのかと訊いてみたが、どうも違うようだ。
コロナ禍の影響なのかもしれない。
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先週居た新人は、大学の入学式でお休みだと。
我が娘も高校の時にパン屋でアルバイトをしたのを思い出した。
「むすびガーデン」で納豆も買って、カフエで読書。
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図書館で予約した本が集中して届き、その多くが厚いので、一か月の貸与期間で読み切れるかどうか、ちょっと心配だ。
来る途中で借り出した三冊のうち、ローレンス・ブロック「石を放つとき」を読む。
探偵・マッド・スカダ―が出てくる短編集『夜と音楽と』と、同じくスカダ―・シリーズの最新作『石を放つとき』の二冊を、日本で独自にまとめた合本、500頁だが、字が大きいし、ミステリだからずんずん読めそうだ。
新刊を買っていただったら、一も二もなく買ったことだろう。
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二時間近くいた店で読んだのは、ブライアン・コッペルマンというコッペパンみたいな名前の人の「マシュウ・スカダーとともに育って」という序文、彼が14歳になったのを機に、マンハッタンのミステリアス書店に行って、カウンターの向こうで本を読みふけっている「どこかしら胡散臭く(いささか不穏な気配も漂わせている)、1970年代の著者近影のスティーヴン・キングに似ている男」に、「書かれてることがほんとに起きてるみたいに感じられる本が好き」といって「だったらハードボイルドっぽい本がいいかもしれない」と言われ、『過去からの弔鐘』『冬を怖れた女』「一ドル銀貨の遺言』を勧められ、帰りの電車で『過去からの弔鐘』を読み始めて、55分後危うく降り損ねそうになり、それから「私は今後書かれるスカダ―本はすべて読むことに決めた」男のスカダ―賛歌と、『窓から外へ』と『バッグ・レディの死』の二編だ。

「ずんずん読める」というにはスローペースだ。
加齢のせいもあるが、若いころより、意識してゆっくり読むようにしている。
NYの場末のホテル、居酒屋などの場景とか、登場人物の服装描写などもできるだけ丁寧に読むようになった。

ショッピングバッグレディが、殺される話『バッグ・レディの死』は、訳者の田口俊樹によれば、本邦初お目見えの作品で、1979年のハヤカワ・ミステリ・マガジンに紹介された。
現役真っ盛りの僕は話題になったミステリを追いかけて、いろんな文庫を買って読んでいたし、表題に見覚えがあるから、きっと読んでいるはずで、中身の雰囲気には既視感があるけれど、ストーリ―などはまったく記憶にありません、だ。

マットは警官のときに誤って子供を銃で殺してから、アルコールにおぼれ、警察も辞めて、妻子と別れて、ホテル住まい。
ニューヨークの下層社会の人びとの息遣いが、まじかに感じられるような、優しさのあふれるハードボイルドだ。

今の日本も銀座の隣で食料配布をしても、すぐに人々が集まってくる(田中龍作ジャーナル)ような貧困社会だから、この40年以上前に書かれたこの小説が、ほんとに「ほんとに起きてるみたい」なのだが、その下層社会に生きている人たちの人情には泣けるのだ。
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『ロッキード疑獄』(春名幹男)の肝心の、角栄を葬られた陰で、どんな巨悪が生き残っているかについて、まだ書いてない。
ロッキード事件の児玉誉士夫ルートの、21億円のその先は資料がないので、いろんな他の事実から、中曽根や岸などがCIAとつるんで戦後日本の日米安保関係に群がって構造的汚職を繰り返したことを推測するしかない。
キッシンジャーをはじめとするアメリカは、それを白日の下にさらすと日米安保体制そのものが土台をゆすぶられるのを危惧して、切っても大丈夫な・しかも憎い田中角栄を切ったのだろう。
そのあたりも、いろいろ書かれているが、紹介するのはまた今度にしよう。
けさは二時からずっと別の本を読んでいたので、それを書く元気がないのです。
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署名をお願いした、日本学術会議の「任命拒否」の件。
スガが態度を改めないので、苦肉の策で「連携会員」「特任連携会員」として学術会議の仕事に参画することにして、会議の活動に支障をきたさないようにしたという。
しかし、加藤陽子教授は、「菅内閣の十分な説明なしの任命拒否、また一度下した決定をいかなる理由があっても覆そうとしない態度に対し、その事実と経緯を歴史に刻むために、「実」を取ることはせず、「名」を取りたい」として、特任連携会員になることを断った。
まだ、問題は解決していないのです。
署名活動は続いています。
Commented by kuroguly18 at 2021-04-07 12:23
加藤陽子さん、さすがです。
しかし学術会議側も裁判に訴えてでも戦う気は無いのでしょうか。
なし崩しに現政権のような人たちにガタガタにされたら、学術会議の存在意義など低下するばかりだと思うのですが・・・。
助成金をもらうためには強くも出られないのか。
Commented by tsunojirushi at 2021-04-07 17:28
早速発注( ꈍᴗꈍ)
シリーズものは頭から読みたい性癖なので、弔鐘からゆきます。
いつも面白そうなものを、ありがとうございます。
Commented by saheizi-inokori at 2021-04-07 18:01
> kuroguly18さん、国民の怒りが支持率を脅かすくらいになれば、少しは考えるのでしょうが、どうも芳しくないですね。
Commented by saheizi-inokori at 2021-04-07 18:04
> tsunojirushiさん、このシリーズは登場人物も年を重ねてドラマがありますから、その方がいいでしょうね。
Commented by reikogogogo at 2021-04-07 23:50
saheizi さんは此の様に文章にして綴ってくれるのできちっと頭に残ります、我が家の夫は私に話して聞かせます。saheizi さんの読み返しができる、夫は語るので話題によっては私が納得してないと感じるのか?地図や写真や本まで持ち出してくるの。
Commented by saheizi-inokori at 2021-04-08 09:24
> reikogogogoさん、読む人のことを考えてもっと丁寧に説明しなきゃと思いながら、そうするとブログを書くこと自体がしんどくなって辞めてしまいそうで、ついつい分かっていながら独りよがりの文章を書いています。
申し訳ないと思います。
Commented by ikuohasegawa at 2021-04-08 17:16
ローレンス・ブロック「石を放つとき」
メモしました。

「菅内閣の十分な説明なしの任命拒否、また一度下した決定をいかなる理由があっても覆そうとしない態度に対し、その事実と経緯を歴史に刻むために「実」を取ることはせず「名」を取りたい」
其の言やよし!
Commented by saheizi-inokori at 2021-04-08 18:05
> ikuohasegawaさん、チンケな実にこだわって、大事な名をないがしろにすることが、ままあります(私は)。
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by saheizi-inokori | 2021-04-07 11:22 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(8)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


by saheizi-inokori