五輪はいいから「はじめ」に行きてえ 「憂鬱な10か月」(イアン・マキューアン)
2021年 03月 22日
きのう見たのは、裏日光の人たちの話。
陽明門にも負けないような精妙な彫刻を施した神輿を支える車輪を作る職人は、設計図もなしにやり直しのきかない手練の持ち主だ。
あんちゃんと呼ぶ若い弟子にしか、秘伝は教えない。
そりゃあ、全国に広めたらお金が儲かるだろうが、あんちゃんの仕事がなくなってしまう、お金じゃないんだ。
せっかく作った神輿も、コロナで出番がなくなる。
しょうがねえよな、と諦める。
きのうも書いてしつこいようだが、なんで五輪関係者は諦めが悪いのだろう。
お母さんが聞くポッドキャストを通じて、世界情勢やワインの知識など、登場人物の中で一番の物知りだし、なかなかの論客・哲学者だ。
なんと28歳のお母さんは、お父さんの弟と不倫のただ中、お父さんを亡き者にして、今住んでいるお父さんの家や財産を横領しようとしている。
人の好い詩人(パッとしない)のお父さんは、自分の家から追い出されて、ときどきやってきては、追い返されている。
お父さんはお母さんを愛しているのだ。
お父さんが殺されたら、私は施設に入れられてしまいそうだ。
殺人計画が失敗して、お母さんが刑務所に入ったら、私も刑務所育ちになる。
どっちも嫌だけれど、私にできることはお母さんのお腹を蹴ることくらいだ。
母親、恋人の「叔父」、父親、それぞれに対するシニカルな描写が面白い。
さいごに刑事コロンボを彷彿させる女警部が登場するのも楽しい。
この作家にしては軽く滑稽でちょっとセクシャルな”ミステリ”だ。
ポッドキャストってのを僕もやってみて、昨日の午後はずっとジャズをBGMにしてこの小説を読んでいた。
喋りがないのはいいなあ。
村松潔 訳
カミさんに、毎日いろんなご馳走を作ってもらって、うまいうまいと食べている。
カツオ、マグロ、ヒラメの刺身、ハマグリの酒蒸し、鰆の包焼、鯵や鮎の開き、イカと里芋の炊いたの、冷奴と春の野菜のもろもろは欠かさず、、いつも山盛りだ(それでも体重は62キロ以下をキープ、BMIは22,6くらい)。
ソラマメもさやのまま焼いてもらった。
ほんとにうまくて感謝感謝だ。
でも、やっぱり「はじめ」に行きてえ~。
これはお酒が進むでしょうね🍶。
憂鬱な10ヶ月、
最後のくだり、笑っちゃいました。
お腹を蹴ることくらい、ささやかな抵抗、最高ですね^^
結構、痛いのですよ。
う〜〜ん、なんだかホッとしてーーザンネン。
、面白そうなミステリーですね。検索してみます。