不老不死温泉で食べた岩海苔

「ちゃんと」メモ帳につけておいたのに、メモ帳を見る習慣がなくなってしまっては、どうにもならない。
それでもキッチンのカレンダーに(面倒だなと思いつつも)書いておいたのが奏功、カミさんが教えてくれてドタキャンを免れた歯医者へ。
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(歯医者ロビーで)

ずっと続けている奥歯の歯根管の消毒治療。
今回は消毒液を流してその流れ具合をレントゲンで撮影して、炎症がなくなったかどうかをチエックする。
以前の写真に比べると、ずいぶんきれいになっているようだが、先生は満足しない。
専門書の写真をみせてくれて「この写真を載せている先生は、うまくいった事例として載せているのだが、これでは不十分、それでもここまでくるのに一年半かけています」。
普通の医者はせいぜい三度くらいの処置ですませて埋めてしまう。
それでうまくいかなきゃ抜けばいいという考え方。
治すのが目的ではなく、保険で決まっているステップとしてのアリバイ的治療。
その方が厚労省も喜ぶのだという。
なんどでも得心のいくまで治療を続けてくれる先生に感謝する。
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(アイスプリンセス、シクラメンの一種、医院の庭)

今、歯科医のことを書いていたら、脇のスマホに着信があって、なんとその歯科医院からだ。
余計なことを書くな、とお𠮟りかと思ったら、看護師さんから。
きのう僕に渡した保険証が、他人のものと重ねてあったのを気づかないままに持ち帰って、そのことは昨夜電話で確かめて、こんど行くときにもっていくことになっていた。
郵便で送ろうかといったけれど、間違いがあってはいけないと。
それがきっとその人の都合だろう、きょう医院から「車があるので」取りに行く、とのこと。
むかしの保険証は大きくて手帖みたいな感じだったが、今のは名刺より薄っぺらな紙一枚になったから、重ねても気づかなかったのだ。
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(太子堂 八幡神社神楽殿)
せんじつ何方かのブログでワカメを炙って食べる話が出ていて、それで思い出したのが、不老不死温泉の旅館で食べた岩ノリの炙ったの。

友人に連れて行ってもらった旅館、有名な海岸に温泉がある旅館(そこにも行ったことはある)ではなくて、すぐ近くの大きな水車がある旅館だ。
その名前を忘れて、昔書いた文章(紙だから検索ができない)を調べているうちに、昔のことが懐かしくて、あの頃は激務であっても、なんと明るく生き生きとしていたのだろう、と別人の自分を読むようで、つい読みふけってしまった。

見つからないので、パソコンでいろいろやって、もしやと「不老不死温泉 水車のある旅館 廃業」と打ち込んだら、ああ、残念!廃業になっていた「みちのく温泉」だった。
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行ったのが冬で、海岸べりの温泉からの夕焼けを楽しむことはできなかったけれど、ロビーのようなところで食べた夕飯のときに、宿の女将が、海岸で採ってきたという岩海苔を石油ストーブの上で炙ってくれた。
寒風ふきすさぶ岩にこびりつくようにして生っている海苔をこそげ集めるのは、辛くて効率の悪い作業だ。
その日、たった一組の僕たちのために、そうして採ってきてくれたということに感激しながら、土地の言葉を楽しみながら、食べた。
その頃から降っていた雪が豪雪になって五能線が止まってしまったら、女将は三沢空港まで車で送ってくれた。
旅館にしてみたら一銭の儲けにもならないどころか損なことをさせてしまったのに、その後お礼にも参上しないまま、廃業を知る始末だ。
せめて女将さんが元気でいてくれることを祈りたい。

そして旅館に連れて行ってくれた友人が、その後3・11東日本大震災のときに、弘前に出かけた僕を青森に迎えにきてくれて、その後列車が不通、停電の中を自宅まで連れて行ってくれて、三日目に青森空港まで送ってくれたのだ。
彼は元気でいてくれる。
会いに行きたいのだが、コロナの奴が。
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Commented by rinrin1345 at 2021-02-19 14:49
保険証、免許証ぐらい厚ければね。私も思います
Commented by saheizi-inokori at 2021-02-19 14:55
> rinrin1345さん、ケースに挟んではいるのですがね。
命綱にしては安っぽい。
Commented by 20070707open at 2021-02-19 16:25
不老不死温泉の大きな水車、子供たちが小さいころに何度か行きました。
懐かしいです。
五能線と沿って走る海岸道路が好きです。
もう二十数年行ってませんね。
saheiziさんのブログを読んで、急にいろんなことを思い出しました。
いつも日帰りで、夕日を見るためにおにぎり弁当を作って子供たちを乗せ車を走らせました。
私も若かったんだな~と思います^^
思い出させてくださってありがとうございます。
Commented by saheizi-inokori at 2021-02-19 19:08
> 20070707openさん、私は夏に黄金崎の方にも行きました。
あのあたりから白神山地とか名前を忘れましたがとてもいい風がふく岬など、思い出すと又行きたくて矢も盾もたまらなくなります。
みちのく温泉が廃業とは寂しいことです。
Commented by tona at 2021-02-19 20:47 x
何時もきれいな歯医者さんですね。
インテリアがステンドグラスとともに素晴らしいです。
本当に丁寧な歯医者さんですね。
娘が行っている駅ビルの中の新しい歯医者さんもとても丁寧です。抜かない方式がどうしても抜くことになって、消毒が凄く、次に仮歯を作ってそれに慣れさせて歯の抜けた筋肉を強化させて、まだまだ手続きを踏んでブリッジになるまで時間がかかりそうです。なんかもう半年も通っているような。土曜日か日曜日しか行かれないから余計でしょうが。私なんか歯を抜いてから1週間でブリッジでした。その歯医者はやめました。
Commented by doremi730 at 2021-02-20 00:34
不老不死温泉で夕陽を見ながらの温泉は
とても素晴らしかったので3回も行きました。
泊まったのは青森市内の息子(大学時代)の
アパートでしたから、市場で買った魚を私が料理でした。
Commented by ikuohasegawa at 2021-02-20 05:39
わたくしも旅の話題は思い出ばかり。
自由に出歩ける日は戻ってくるのでしょうか。
Commented by saheizi-inokori at 2021-02-20 10:28
> tonaさん、消毒をして中の骨が再生するのを待つのです。
いい歯医者に巡り合えるのは思った以上にだいじなことですね。
Commented by saheizi-inokori at 2021-02-20 10:30
> doremi730さん、新鮮で安い魚をさばいて親子で食べ、日本海の夕陽を眺めて温泉!
おもえば至高の楽しみですね。
Commented by saheizi-inokori at 2021-02-20 10:33
> doremi730さん、新鮮な(しかも安い)魚をさばいて息子さんと食べる、日本海の夕陽を眺めて温泉に入る、至高の楽しみですね。
Commented by saheizi-inokori at 2021-02-20 10:34
> ikuohasegawaさん、体が動くうちに戻って欲しいです。
Commented by koro49 at 2021-02-20 10:49
ずっと前、不老不死温泉に娘と泊ったことあり、沈む夕日が綺麗でいい思い出でした。

みちのく温泉、大きな水車見かけた気がしますが残念ですね。
泉質も良さそうで行ってみたかった。
採ったばかりの岩のリ、最高の贅沢ですね。
いかも五能線が運休で、三沢空港まで送って下さった。。。
今は数日でものんびり温泉に浸かって、ボ~ッとするのが夢です。

ほんといい歯科医に巡り合ったと、saheiziさんの治療の様子を見ると思います。
私の場合、2度治療して抜くしかないと言われ従いました。
今さらだけど、全て保険点数のため、国のためだったのか。
医師も色々ですね。

シクラメン、初めて見ましたが、これは外に地植えしてあったのかな?
綺麗♪
Commented by tocotoco-o3po at 2021-02-20 10:57
 そうでしたね!あの頃、こちらに来てくださっていたのをblogで拝見していました〜懐かしい。
 水車のある蕎麦屋さんが山形にあるんですよ〜(^-^)私もなかなか行けてないのですが…💦
 色々ありますが、最近本を読むのがまた楽しくなってきました!
Commented by saheizi-inokori at 2021-02-20 13:18
> koro49さん、不老不死温泉はたくさんの人にいい思い出を作ってくれたのですね。
イタタは少しは治まりましたか。
温泉でゆっくりすればいいのですがね。
シクラメンは鉢植え、門柱のわきにおいてありました。
先生は医院の周りの花を撮って診察室のモニターに流しています。
Commented by saheizi-inokori at 2021-02-20 13:47
> tocotoco-o3poさん、よく覚えていらっしゃいましたね。
わたしは本を読まないとどうにもなりません。
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by saheizi-inokori | 2021-02-19 12:51 | 人生の御馳走帖 | Comments(15)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


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