差別意識はなくならない? 「クラッシュ」と「力道山」

「クラッシュ」がアカデミー賞をとった?そんなご大層な映画だろうか?人種差別は今に始まったことじゃないが建国当時からすると「それは悪いことだ」という”良識”が一応確立されているアメリカの今。しかしその良識は頭の中の良識であってほとんどの市民の肌感覚は依然として差別意識が支配している。ナンも変わっちゃいない。変わったのは世の中の理想がなくなったこと。ただただ生きていくことしかない。だから”クラッシュ”だ。リアルな差別社会(それは白対黒という単純な構図にとどまらず有色人種相互も絡み合う)の描写で終わるのはあまりにも情けないからお伽噺を追加して気持ちを少しは楽にしたような映画だ。アメリカの悲鳴(監督はカナダ人でアメリカを覚めた目で描くのではあるが)みたいな映画だ。

「地ひらく」を読むと、第二次世界大戦に突入せざるを得なかった背景事情には米欧先進国の日本や中国に対する蔑視・差別(対等の人種と認めない・あいつらが中国や満州を治められるはずがないなど)があった。ルーズベルト大統領は日本人の肉体的特徴を劣等人種の特徴として日本人嫌いだった。その日本が朝鮮を・中国を一段低くみていた。
9・11で世界の終末のように嘆き悲しみ復讐に世界中を動員するアメリカ人。彼らはソ連を牽制するために長崎と広島に原爆を落とした。戦争終了後の米ソ対立を計算に入れていたのだ。冷酷な国家の計算には日本人市民たちの人権は入っていない。

そういう映画を観て、本を読んでアメリカのことを軽蔑していると冷や水をぶっ掛けられるのが「力道山」だ(朝鮮人差別だけがこの映画のテーマではないけれど)。
差別意識はなくならない? 「クラッシュ」と「力道山」_e0016828_23413399.jpg日本人だって差別意識の塊。それもアメリカなどに対する劣等感の裏返しの朝鮮人いじめ。本当は民族の先生ともいうべき朝鮮人をどうしてアアも差別できたのか。今こそ韓流ブームなんて浮かれているが心の底では一体どうなんだろう?インドネシア、フイリッピン、アフリカ、、白人たちには訳なく恐れ入って開発途上国や有色人種に対しては根拠のない優越感を持っているのではないだろうか。同じ日本人でも貧しい人とかホームレスとかに対してはどうなんだ?逆にろくでもない”セレブ”や肩書きを有難がる。

差別し差別され・・かく云う俺だって・・。
Tracked from no movie no .. at 2006-03-26 18:15
タイトル : 力道山(04・韓・日)
「負けてください、あなた、一度だけ負けてください。」 プロレスには全く興味がない。彼が活躍していた時代は生まれてないし、「日本人が一番、力道山を知らない」という予告編を見ても見る気はなかった。しかし、「負けてください」に予告編が変わったとき、突如として見る... more
Commented by antsuan at 2006-03-09 08:02
役人が庶民を見下す差別が一番許せませんね。そう言う連中のために三つ揃えのスーツと金縁眼鏡は欠かせません。しかし人種差別はほかのどの民族より酷くは無かったと考えています。日清戦争はもともと朝鮮を独立国として認めさせるための戦争であって、下関講和条約には第一条にそのことが明確に謳われていますし、朝鮮を併合したのは伊藤博文が暗殺された後のことであることはご存知のことと思います。
Commented by saheizi-inokori at 2006-03-09 08:39
アメリカの人種差別には建国当時の先住民族を殺して奪った経験・黒人奴隷の収奪の上に創りあげた国家という点など日本とは違う事情が大きいのかも知れませんね。アングロサクソンの特徴もあるといったら逆差別?
Commented at 2006-03-09 10:22
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by イネ at 2006-03-10 09:19 x
3月8日朝日新聞24ページに日韓の隣人交流のことが書かれていて、いいなと思いました。釜山の大学の学生と日本は立命館の学生が竹島の領有権についての討論会をしたのです。(釜山の学生は日本語を学んでいる人たちです。)立場を変えて、つまり日本人は韓国人として発言、韓国人は日本の立場から発言するのです。相手の立場の理解がすすむでしょうね。
また対馬では1996年から毎年「ちんぐ音楽祭」という日韓の歌手が参加するイベントが行われているそうです。小室等さんは毎年参加しているそうですが、こういうことを企画する人、参加する人、聴きに行く人がいることは素敵だと思いました。(小室さんは我が家のご近所のようでよくお見かけします。)
Commented by saheizi-inokori at 2006-03-10 10:00
イネさん、東シナ海の中国とのやり取りをみていると本当にそういう相互理解が必要だと思います。「地ひらく」を読むまでもなく民主主義政権は国民世論を気にして判断をする。言い換えれば”人気取り”から逃げられない。世論を作るマスコミも売らんかな、すなわち国民の顔を読む。学生たちから始まる相互理解がそのような世論形成に大きな力を発揮する。ウエブの役割もそういうところにあるのかもしれませんね。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by saheizi-inokori | 2006-03-08 23:50 | 映画 | Trackback(1) | Comments(5)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori