漢字が読めないと笑われるわけ 「万葉集講義」(上野誠)

きのうFMで聴いた懐かしい曲。
お嫌でなければBGMにどうぞ。



明るい曲にのって、きのうもスーパーに。
3時ころに入店、そのときは空いていたのに、五分ほど買い物をしてレジに並ぶ(三人目)ころには客が入り始めた。
飛沫のクラウドが出来ないうちに退散、もっとも喋ってる人はほとんどいなかったな。
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モモさんのブログに、東京はもう梅が散りはじめたとコメントしたのに、よく見ると小さな蕾がいっぱいついている。
もう一回楽しめるのか。
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本書には、明確な主張がある。
それは、「『万葉集』は、素朴でおおらかな歌々を集めた歌集である」、という通説を打破することである。そういった言説は、多事多難な現代を生きるわれわれが、一方的に『万葉集』に求めるものでしかない。ここに、万葉びとがいるとしよう。彼らはたぶん、こう言う、と思う。
とんでもない。私たちの時代だって、多事多難。それは、それは、漢字文化の大波が押し寄せて、、、。青い鳥なんて、どこにもいませんよ。
こんな書き出しで始まる「万葉集講義」を読み始めた。
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万葉学徒にして万葉集所載の漢字で書かれた歌の読み方は、「文脈によって訓みを決定するという、きわめて不安定で、まったく法則性のない方法で」、しかも「なんとなく」読んでいるのだそうだ。
その万葉人の漢字の使用法を受け継いでいる私たちは、漢字抜きには思考できない。
漢字が正しく読めなければ笑われてしまうのは、前後の文脈を把握していないか、文脈を把握するために必要な漢字に対する知識が不足している、と判断されるからである。つまり、漢字が訓めるか訓めないかで、教養が測られてしまうのである。今日の大学入試においても、「国語」試験の一割から二割は、じつに漢字の読みに関わる出題である。
さんざっぱら笑われた総理大臣を一人ならず頂いた私たちがコロナと戦わなくてはならない不幸!
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きのうの朝刊で大学共通試験の国語の問題、一番は、香川雅信「江戸の妖怪革命」の一節が取り上げられて、そのなかの「ミンゾク」の「ゾク」に相当する漢字を、「楽団にショゾクする」「カイゾク版を根絶する」「公序リョウゾクに反する」「事業をケイゾクする」の四つの「ゾク」の中から選ぶのだ。
僕は本文を読まないで、この問題だけを解こうとして、「ミンゾク」は「民族」であると思い、四つの選択肢を検討したのだが、「所属」「海賊」「良俗」「継続」であって、「族」はないのだ。
重大な出題ミス発見!ちと興奮したが、それにしては新聞社も予備校も問題にしていないのは変だぞ、僕の頭がおかしくなったのかと、答えを見たら「俗」が正解だった。
そこで本文に戻って、その「ミンゾク」が「日常的理解を超えた不可思議な現象に意味を与えようとするミンゾク的な心意」という文のなかの「ミンゾク」であること、それなら民俗が正解なのだろう、と納得した。
「江戸の妖怪革命」という文章を読んでから問題にかかれば、きっと民俗が正解だと分かったと思うが、ミンゾクだけを取り出すと「民族」しか頭に浮かばなくなっているのだ。
そういう経験をした後で、上野誠の文章に遇ったのもシンクロだ。
「江戸の妖怪革命」を図書館に予約した。
こんどはどんなシンクロが待っているのだろうか。
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食いしん坊のサンチ、飯が出てくるまで正座、それでも出てこないと、テレビに向かって吼えまくる。
Commented by りんご at 2021-01-18 17:06 x
サンチちゃんのお洋服のデザインに頬が緩みました⋆

今朝は海外のコロナニュース(部分的‽)に心配した
日本の身内と互いに励まし合いました PCR検査拡充
機関病院へ財政投資、民間病院と役割分担戦略を急げ-
Commented by saheizi-inokori at 2021-01-18 18:38
> りんごさん、サンチは年をとっても食欲は旺盛、これはユニフォームです。
Commented by koro49 at 2021-01-18 19:27
この曲のタイトル名、今知りました。
ありがとうございます^^。
Commented by saheizi-inokori at 2021-01-18 21:20
> koro49さん、曲は知っていても曲名を知らないっての、私は結構多いです。
聴けば、ああ、それそれ。
Commented by wawa38 at 2021-01-18 21:34
学校で、民族学と民俗学の授業があったことを思い出しました。どちらも単位を取ったのですが、内容はおぼろにしか覚えていません(^^ゞ
万葉集講義、おもしろそうですね。読んでみたいです。
Commented by saheizi-inokori at 2021-01-18 22:15
> wawa38さん、面白いですよ。
Commented by at 2021-01-19 06:50 x
「万葉集」を鎮魂歌集と定義したのは上野の遠い師・折口信夫です。
折口によれば、相聞も挽歌も和歌に依る魂の機能に関わるもの。
例えば相聞は、異性の魂乞い(たまごい)のこと・・・
など、たしかに素朴・雄渾では割り切れません。
大津皇子、有間皇子などの御霊慰撫という側面は、梅原猛、井沢元彦などが説いてやまないところです。
Commented by saheizi-inokori at 2021-01-19 07:18
> 福さん、万葉集ですらまともに学んでこなかったのです。
もっともだから今の楽しみがあるのかもしれません。
Commented by ikuohasegawa at 2021-01-19 07:56
「万葉集講義」「江戸の妖怪革命」Wポチッいたしました。
楽しみにしています。
Commented by saheizi-inokori at 2021-01-19 08:06
> ikuohasegawaさん、いまの受験生ってしゃれた文章が出題されるのですね。
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by saheizi-inokori | 2021-01-18 11:46 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(10)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori