漢字が読めないと笑われるわけ 「万葉集講義」(上野誠)
2021年 01月 18日
お嫌でなければBGMにどうぞ。
明るい曲にのって、きのうもスーパーに。
3時ころに入店、そのときは空いていたのに、五分ほど買い物をしてレジに並ぶ(三人目)ころには客が入り始めた。
飛沫のクラウドが出来ないうちに退散、もっとも喋ってる人はほとんどいなかったな。
もう一回楽しめるのか。
本書には、明確な主張がある。こんな書き出しで始まる「万葉集講義」を読み始めた。
それは、「『万葉集』は、素朴でおおらかな歌々を集めた歌集である」、という通説を打破することである。そういった言説は、多事多難な現代を生きるわれわれが、一方的に『万葉集』に求めるものでしかない。ここに、万葉びとがいるとしよう。彼らはたぶん、こう言う、と思う。とんでもない。私たちの時代だって、多事多難。それは、それは、漢字文化の大波が押し寄せて、、、。青い鳥なんて、どこにもいませんよ。
その万葉人の漢字の使用法を受け継いでいる私たちは、漢字抜きには思考できない。
漢字が正しく読めなければ笑われてしまうのは、前後の文脈を把握していないか、文脈を把握するために必要な漢字に対する知識が不足している、と判断されるからである。つまり、漢字が訓めるか訓めないかで、教養が測られてしまうのである。今日の大学入試においても、「国語」試験の一割から二割は、じつに漢字の読みに関わる出題である。さんざっぱら笑われた総理大臣を一人ならず頂いた私たちがコロナと戦わなくてはならない不幸!
僕は本文を読まないで、この問題だけを解こうとして、「ミンゾク」は「民族」であると思い、四つの選択肢を検討したのだが、「所属」「海賊」「良俗」「継続」であって、「族」はないのだ。
重大な出題ミス発見!ちと興奮したが、それにしては新聞社も予備校も問題にしていないのは変だぞ、僕の頭がおかしくなったのかと、答えを見たら「俗」が正解だった。
そこで本文に戻って、その「ミンゾク」が「日常的理解を超えた不可思議な現象に意味を与えようとするミンゾク的な心意」という文のなかの「ミンゾク」であること、それなら民俗が正解なのだろう、と納得した。
「江戸の妖怪革命」という文章を読んでから問題にかかれば、きっと民俗が正解だと分かったと思うが、ミンゾクだけを取り出すと「民族」しか頭に浮かばなくなっているのだ。
そういう経験をした後で、上野誠の文章に遇ったのもシンクロだ。
「江戸の妖怪革命」を図書館に予約した。
こんどはどんなシンクロが待っているのだろうか。
今朝は海外のコロナニュース(部分的‽)に心配した
日本の身内と互いに励まし合いました PCR検査拡充
機関病院へ財政投資、民間病院と役割分担戦略を急げ-
ありがとうございます^^。
折口によれば、相聞も挽歌も和歌に依る魂の機能に関わるもの。
例えば相聞は、異性の魂乞い(たまごい)のこと・・・
など、たしかに素朴・雄渾では割り切れません。
大津皇子、有間皇子などの御霊慰撫という側面は、梅原猛、井沢元彦などが説いてやまないところです。
楽しみにしています。