炬燵の話

きのうの夕方の散歩は冷たい風が吹いて侘しさが募った。
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子どもの頃は、もうちょっと早い時期だったけれど、こんな木枯らしが吹きだすと、炬燵の用意をするのだった。
硬くなっている古い灰を捨てて、新しく稲藁を焼いて出来た灰を足す。
炬燵にあたっていると、冷たい足がジーンとしびれたようになって、足の先が湿るような感じがした。
霜焼けになると言われて、出してみても濡れてはいないのだった。

学校から帰ると、まっさきに炬燵の灰をかき分けて炭の様子をチエック、消えそうになっている炭を火吹きで吹いて熾し、あたらしい炭を注ぐ。
灰神楽になることが多かった。
パチパチ、炭がはねたりして、それでうまく熾きるといいけれど、ダメな時は竃で火を熾すのだ。
(カラオケの十八番)

恵比寿講という暮れの大売り出しで電気行火を買ったのは「喜びも悲しみも幾年月」を母と見た年だから1957年、中一だ。
幼い弟は近所のTさんのところに預けたのじゃなかったかな。
いまもある権堂の相生座で僕だけ先に見ていて、母は買い物をしてからきた。
満員になって母がなかなか来ないのでヤキモキ、スクリーンと入り口を交互に見ていた。
隣にとっておいた席も大人に取られてしまって、それでもようやくやってきた母の顔を見つけてほっとした。
通路に座ってみていた母が途中で座れた、あの時の必死な気持ちを覚えている。
あの頃は二本立てが普通で途中からでも入場させ、何度でも見る人もいたのだ。
もう一本がなんだったか、まったく覚えていない。

帰宅して、包みを解くのももどかしく、行火のスイッチを入れたらば、すぐ温かくなった!夢のような気持だった。
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寝転がって首まで入って、弟と炬燵の中の陣取りでしょっちゅう喧嘩になった。
今見れば笑い出したくなるほど小さな炬燵だったよ。
ぜったい、そっちの方が人の陣地まで張り出している、ほら、見てみろ、と起き出して布団を剥いだりしたもんだ(そんときゃ、さっさと引っ込めていたけど)。
炬燵にはいるときは足袋を脱げといってもついついそのままあたって、臭かった。
笑うな、サンチ。
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ブログを見ていると雪の便りに柚子の便り、いつも餅つきにお招きいただいて、ついでに柚子を貰ってくるのだが、今年はそれも諦めなきゃ、なんて思っていたら、向こうから柚子と山芋が届いた。
お礼かたがたしばしの電話、元気な声が嬉しいじゃないですか。
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読んだ本の話は今日はお休み。
雪国の人には申し訳ないようなお日さまであります。
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Commented by vitaminminc at 2020-12-20 15:13
あら本当に笑ってますね、サンチゃん可愛い。
18日の散髪サンチゃんのおすましポーズもたまらなくキュートでした。
クリスマスカラーのリボン(蝶ネクタイ?)がまたよく似合ってて❤️
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-20 15:47
> vitaminmincさん、またぼさぼさになるまで一ヶ月かな、とりあえずは別人サンチです。
Commented by urontei at 2020-12-20 18:06
柚子と山芋に、すこし熱めの燗酒があれば、このコロナ禍も乗り越えられそうな気がします (笑)
Commented by koro49 at 2020-12-20 22:12
あんか、私は豆炭あんかでした。
子どもたちが小さい時は、豆炭炬燵^^。
娘と息子が、足邪魔とかでケンカしてたのを思い出しました。
6畳の居間だから、ほんとに小さい炬燵だったのです。
懐かしい^^。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-20 22:33
> koro49さん、炬燵といえばおならが臭かったなあ!
Commented by doremi730 at 2020-12-20 22:35
映画館でお母様を待つお話、ドラマをみてるみたいで
想像してじーーーんとしました。
炭のお炬燵って、どうやってはいるのだろう、、
もしかして、足を置く台とかがあるのかしら?
小さい頃の素敵な思い出が一杯ですね♪
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-21 06:21
> doremi730さん、木枯らしから炬燵の思い出を書いているうちに映画館の混雑まで思い出してしまいました。
炭の炬燵には足をおく網がありました。
火が弱くなるたびに、中を覗き込んで炭を足したりもしたのです。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-21 06:25
> uronteiさん、こんやは柚子の風呂に入ります。山芋の香りも楽しめそうです。
Commented by j-garden-hirasato at 2020-12-21 06:41
自分は、風呂焚きが家の仕事でした。
薪が燃えるのを見ているのは、
楽しかったですね。
Commented by at 2020-12-21 06:50 x
柚子より酢橘、なんて申します。
馬生の柔らかい口調で聴きたいものです。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-21 09:23
> j-garden-hirasatoさん、風呂のある家が羨ましかったですよ。
焚火は大好きですが、今は東京ではできなくなりました。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-21 09:24
> 福さん、柚子も酢橘もぱっとしないカボスな人生なんて言ったら、カボスに叱られるかな。
Commented by みい at 2020-12-21 10:49 x
おはようございます!
 サンチ君おしゃれしてますね^^。
ネクタイ?似合ってる。
笑ってますね!かわいいなあ~♡
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-21 11:34
> みいさん、さいきん吼えることが多くなりました。
年をとって寂しくなったのかもしれません。
Commented by okanouegurasi at 2020-12-21 11:57
しみじみと読みました...
あら、本当だ。サンチ君が笑っている。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-21 13:03
> okanouegurasiさん、写真は真実を伝えま、、どうなんでしょうね。
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by saheizi-inokori | 2020-12-20 11:44 | よしなしごと | Comments(16)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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