じゃあ俺も鴨ステーキといこう&「アメリカの世紀と日本」

今朝は朝飯抜きで歯医者へ、八時予約のところ30分前に到着、閉まっているのでしばらくあたりをウロウロする。
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上の歯茎の痛み・腫れの原因について先生が前回下した診たてがズバリで、超絶技巧(ふつうは治療不能とされる由)を駆使して義歯を壊すことなく細い穴を穿って、壊死した歯髄を除去し、炎症の消毒が始まった。
治療のあと、使用したこよりのようにした綿―はじめの方に膿がついている-をずらっと並べたのを見せてくれた。
達成感を共有できた。

アメリカの歯科は、訴訟を恐れてマニュアル化された施術しかやらない、結果はどうあれ。
と言いながら日本流で丁寧に少しづつ消毒していく。
消毒は液体(アメリカはペースト)で、それが体温で気化するときに体積が増えて歯根の方まで消毒薬が通っていくことを期待するのだ。
一つ一つの治療について内容を納得いくまで説明してくださるのはいつもの通り。
すぐ忘れる僕にはもったいないくらいのものだ。
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9時半、空腹に耐えかねて初めてのカフェに入り、ツナサンドを食べる。
ハードタイプが好きなのだが、このソフトタイプ、大葉も爽やかで、高くてもうまい。
「アメリカの世紀と日本」を二時間ほど読む。
とても面白いのは嬉しいことだ。
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(八幡神社)

ドラッグストアで買い物をして、蕎麦屋にはいる。
(広島の)牡蠣蕎麦を注文して、待っているあいだに食い意地に負けてしまった。
鴨の塩焼きと熱燗を頼んでしまう、情けない欲望の奴隷。
さきに牡蠣蕎麦が来たので、食べてみたら牡蠣の塩梅がよろしくない。
はっきりいって、広島の名が泣く。
牡蠣蕎麦だけで出てきたら、節約にはなるだろうが、不満の残る贅沢に終わってしまったはずだ。
後から出た鴨と「初孫」は満足、それで牡蠣蕎麦の分も満足ということになる。
途中で投げ出した行動経済学の本にこんな事例が載っていたような気がする。
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「アメリカの世紀と日本」、前回もちょっと触れたが、ローズヴェルトが日本(ドイツも)の無条件降伏にこだわった経緯、そのことが両国のその後の歴史に大きな影響を与えたことをかなりの紙数を割いて説明している。
アメリカ側の細かい事情は、今まで勉強したことがなかった。

日米戦争はお互いに明確で具体的な目標のためでなく、国家イデオロギー上の勝利のために戦った。
アメリカはそもそもの「中国大陸から日本を撤退させる」という具体的な目標ではなく、日本の全面的服従と政治・経済・社会の全面的再構築が目標となってしまった。
ローズヴェルトの無条件降伏政策のせいである。
日本の少なからぬ保守エリートが敗戦よりも国内での社会主義革命の発生を恐れ降伏に向けての交渉に前向きだったことはわかっている。
ヒトラーやナチズムとの妥協はありえなかったが、日本との妥協は可能だった。
何しろ、日本の占領が始まるや、次々と戦時中の目標が大幅に緩和されていったのだから。結局、米占領軍は天皇制の維持を決定した。エリート層と強力な官僚組織を温存し、財閥にはほとんど手をつけず、しかも―何より皮肉なことにー再軍備して、冷戦下のアジアで米国人の主要な同盟相手として働くよう日本人を促した。
無条件降伏政策に固執しなければ、もっと早く戦争は終結して、東京などの都市の焼夷弾空爆や原爆の最初の犠牲者を出すこともなかったかもしれない。
そして、日本は自分の手で政治改革を行い、国際社会に復帰する道を模索することになっただろう。
さて、歴史のタラレバ、日本人はほんとに自らの手で民主化を成し遂げたのだろうか。
旧いエリート層を一掃すればもっと変わったかもしれない。
少なくとも岸や安倍がでかい顔をする事はできなかったはずだ。
今日ただいまのような状況に、こんなに腑抜けの国民でいることもないのではないか。
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(散髪してきたサンチ、なぜかスマホを向けるとお座りする)

米国内でもローズヴェルトの日本に対する無条件降伏政策には反対の人もいたし、チャーチルも内心は反対だったという。
ローズヴェルトは最期の時まで、スターリンとは友好関係を保つことができ、平和維持のための新しい戦後秩序にソ連を引き入れることが可能だと思いこんでいたのだ。
無条件降伏政策が日本の軍事力の完璧な破壊を求めたために、戦後の勢力均衡政治が不安定になり、アジアでスターリンが影響力を取り戻し、中国共産党の台頭と朝鮮の分断が後押しされたと現実主義派はいう。
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きのうの駒沢通りからみた富士山。
Commented by Deko at 2020-12-18 16:49 x
サンチくんお正月に向けてきれいに髪を整えましたね。蝶ネクタイもして可愛いお澄ましですね。終戦後捕虜収容所の軍務にあった軍人が多く処刑終戦後のどさくさの中そういう人たちが多くいたのでしょうね。上の立場に居た人達が戦後政界に復帰していますね。良い歯医者さんに出会うのは難しいですね。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-18 18:06
> Dekoさん、もうちょっと早く出会えていればと思いますが、欲が深すぎますね。
Commented by rinrin1345 at 2020-12-18 18:40
私も牡蠣うどんは見かけほどではなかったです。海のそばじゃ無いからかな?
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-18 21:55
> rinrin1345さん、鮮度か、中毒を恐れて加熱しすぎるのかもしれませんね。
海のそばかどうかは今はあまり関係ないでしょうよ。
Commented by at 2020-12-18 22:13 x
こんばんは、本文を全部読み終わらない前に、コメントする図々しさをお許しください。初孫は日本酒の銘柄ですか?庄野潤三さんの小説に良くでた銘柄ですね、そんな事をおもいだして、投稿させてもらいました。本文の続きを、ゆっくりと読ませていただきます。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-19 05:55
> 竹さん、山形、たしか鶴岡の酒です。
丸谷才一が「食通知ったかぶり」(だったか)で誉めているのを読んで知ったのはずいぶん前のことでした。
Commented by j-garden-hirasato at 2020-12-19 08:26
サンチくん、エライ!
我が家の愚犬は、
全然、ポーズを取ってくれません(涙)。
Commented by ikuohasegawa at 2020-12-19 09:50
俄然、自分で読む気が起きてきました。
ありがとうございます。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-19 10:13
> j-garden-hirasatoさん、写真嫌いなんです、マア、犬はみんなそうかな。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-19 10:13
> ikuohasegawaさん、それは良かったです。
Commented by jyariko-2 at 2020-12-19 11:03
サンちゃん みんな分かってるよ って顔していますね
フワフワな耳に触ってみたいです
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-19 12:34
> jyariko-2さん、ふわふわ、とても気持ちがいいです。
膝の上に乗ってるとあったかくてそれも気持ちいいですよ。
Commented by テイク25 at 2020-12-19 18:03 x
日本は今も昔も後先考えず進めてしまったことを間違っていても止められない国に見えます。間違いに気がついたら直ちに賢く方向転換する能力があれば、アメリカに従属(隷属)せずに民主主義も根付かせることができていたかも知れません。(タラレバ)
日本に戦勝し占領した経験のあるアメリカはイラクに侵攻してフセインを倒したとき、日本ではうまくいった方式がイラクでは何故働かないのかと唸っていました。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-19 18:14
> テイク25さん、吉田茂が従属する代わりに、経済に専念したのはむしろ意図したことで、アメリカの方がしてやられた一面があるというのが本書の見方です。
そのことのマイナス面も言及していますが。
Commented by okanouegurasi at 2020-12-21 12:10
サンチ君、可愛い。こんなワンと暮らしてみたい..と夢想するくらい可愛いなあ~。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-21 13:04
> okanouegurasiさん、いなくなったらどうしようと、考え、、ないようにしてます。
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by saheizi-inokori | 2020-12-18 15:39 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(16)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


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