安保闘争は日本人の魂を賭けた闘争だった 「アメリカの世紀と日本 黒船から安倍政権まで」

ワシントン大学歴史学教授や同大学ヘンリー・M・ジャクソン国際研究所長を歴任して、勲四等旭日中授章を受章した米国きっての日本研究者による、日米現代史。
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フランクリン・ローズヴェルト大統領は国益上の具体的目標のみならず、米国的価値観を実現できるような持続的世界秩序をつくり上げるとの決意に突き動かされ、米国中心の新しい世界秩序を自らの思いのままに形成すべく、ファシズム諸国の無条件降伏という政策を推し進めた。だが、ことアジア太平洋戦争に関しては、無条件降伏政策が果たして賢明だったかどうか疑問符がつく。
和平交渉を選ばなかったために、戦争を長引かせ、戦慄すべき沖縄戦、日本の60数都市に対する空爆、原爆という悲惨な結末をもたらした。
原爆投下は、日本人と米国人の間の機微に触れる問題として未解決のまま残され、日本人は被害者意識をもつようになり、ややもすると日本軍がアジアで犯した破壊や残虐行為を意識の外に追いやり勝ちである、と筆者は指摘する。
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(いつもの木、いよいよだ)

筆者は60年安保をこう評する。
1950年代には、米国による太平洋水爆実験、在日米軍、同盟継続に対する抵抗運動が、自然発生的に生まれている。平和と冷戦での中立を求める人々のうねりは、戦犯に指定されながらも再軍備と反共政策を約束したことで米国人に支持されるまでになった首相、岸信介に対する大規模な抗議運動の形で頂点に達した。暴力を伴うこともあったが、数百万という日本人が抗議に加わった。この動きは国の未来、そして世界で日本が果たす役割を巡る闘争へと変わる。日本人の魂を賭けての闘争である。同盟改定の阻止にこそ至らなかったが、この時のデモは大衆による平和主義の支持、冷戦への関与に対する反対をはっきり示した、と同時に日本人の民主主義への渇望を露骨に無視し、人気のない保守指導者を支える無様な役割を、皮肉にも米国人に演じさせる形となった。この運動は、日本の政治の態様を何十年にもわたって規定することになる。
日米同盟は共通目的のない、ねじれや矛盾をはらむものに変わった。
その「ねじれや矛盾」が、どのように変化して、安倍政権の「日本は戻ってきた」(2013年)発言にまで至ったか。
これからどのように変化していくのか。
日米関係を視点を変えて歴史的におさらいしてみよう。
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昨日は、少し早めに散歩に出た。
一日一日、一刻一刻が惜しまれる。
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子供たちよ、よく遊べよ。
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Commented by テイク25 at 2020-12-17 17:55 x
戦争が終わり民主主義というものを知った日本人は不平等な日米同盟関係を返上しようとあんなに大きなうねりを作りました。それが潰され、それでも70年代初めごろまでは民主主義を真に求める機運は残っていたように思います。
天皇制を残したアメリカの思惑と日本の国体維持派の思惑が一致して今の日本の曖昧さが残った。戦犯がアメリカに寝返ってアメリカがそれをうまく利用してこの日本を形成してきたのでしょう。60年安保闘争でアメリカと日本政府に国民の要求を飲ませていたら、ひょっとして本当の民主主義が日本に根付いていたかも知れませんね。そんなに甘くはないでしょうか。アメリカは手ごわい・・・。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-17 18:35
> テイク25さん、アメリカもさることながら、日本の保守エリート層もしたたかだったということでしょうね。
そのしたたかさが、賞味期限を過ぎているようですが。
Commented at 2020-12-17 23:05
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ikuohasegawa at 2020-12-18 06:23
「視点を変えた歴史的おさらい」
期待します。
Commented by j-garden-hirasato at 2020-12-18 06:33
残りわずかになりました。
これが散ってしまえば、
本格的な冬ですね。
でも東京は、
めったに雪が降らないから、イイですよね…。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-18 07:03
> ikuohasegawaさん、なかなか面白いですよ。
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-18 07:04
> j-garden-hirasatoさん、長野の雪を懐かしく思い、雪掻きがたいへんだったことも思い出しています。
とくに新聞配達のとき!
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-18 07:08
> 鍵コメさん、せっかくのお誘いですが、わたしはテレビ画面で演劇などを見るのはあまり好きではないのです。
劇場公開を楽しみにしています。
Commented by jyariko-2 at 2020-12-18 09:26
ホント 子供たちよよく遊んでって思いますね
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-18 09:54
> jyariko-2さん、貧しくても未来に希望をもてた私たちにくらべて先行きに不安の多い今の子たち、がんばれ!
Commented by otebox at 2020-12-18 14:45
いつもながら、はっとする切り口でおもしろく読ませていただきました。
小学校3年生の時我が町で、進駐軍キャンプ(大戦時は陸軍兵器廠)返還の運動があったけど挫折、結局自衛隊のものになり、高学年のとき「勤評闘争」で戦う教職員たちを見て、中学生になると「安保闘争」を、田舎町に居ても身近に感じました。当時の社会にはそれだけの力があったのですね。
私の父は普通の労働者で組合の事もやってましたから、反体制的な感覚は自然と身に染みていたのです。だから私の現職時代はひたすら在野の文句垂れで通しましたが、このままぼやき続けて終わるなんて思いたくないです。私自身のために、子や孫たちに希望の持てる世界をつくりたい。
21世紀に生きているというのに
Commented by saheizi-inokori at 2020-12-18 15:41
> oteboxさん、私もですよ。
なかなかしんどいことではありますが。
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by saheizi-inokori | 2020-12-17 11:18 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Comments(12)

ホン、映画・寄席・芝居、食べ物、旅、悲憤慷慨、よしなしごと・・


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